選手を支える側から見た箱根駅伝 青学大陸上部・女子マネ日記(4)
優勝の喜びに沸いたのは選手だけではない。女子マネージャーで同大3年の福島采さんと脇田のどかさんにとっても、それは同じだ。箱根駅伝の裏側や栄冠を手にした選手たちの様子を、共同執筆の日記で教えてくれた。
12月30日(水)「それぞれの立場 それぞれの責任」
補助員の役割の一つに走路員があります。沿道の観客がコースに出てこないようにコースに背を向け立っています。もちろん振り返って観戦することはできません。目の前で熱いレースが行われていながらも、一目見ることすら許されない役割もあるのです。しかし選手が安全に走るためには、なくてはならない役割です。そしてこの補助員は長距離だけでなく、短距離の選手やマネージャーも名乗りを上げてくれました。箱根駅伝には、メディアでは取り上げられないたくさんの陰の支えがあることを忘れてはいけません。
1月1日(金)「ハッピー大作戦で優勝するぞ!」
1月2日(土)「全員がヒーロー」
神野は驚異的な区間新記録(1時間16分15秒)で優勝を引き寄せた昨年に比べればゆっくりなペースではありますが、それでも軽快に、そして確実に芦ノ湖へと上っていきます。途中、同期の松島良太と伊藤弘毅からの給水にも励まされました。大手町をスタートしてから5時間25分55秒。今年も芦ノ湖のフィニッシュ地点に一番に現れたのは山の神・神野大地でした。1年間、“山の神”という名が付いて回る重圧、度重なる故障、キャプテンとしての責任、さまざまなしがらみに苦しみました。しかし今日ここに、笑顔で山の神が復活した姿に多くの人が感動したと思います。