日本女子テニス黄金時代の再来へ 今季躍進したクルム伊達の追随者たち
2年で日本人女子3人がツアーV
このクルム伊達の優勝から約1カ月後、森上はケガなどを理由にコートに別れを告げる。その数週間前には既に、シングルス6勝(ダブルスは38勝)の記録を誇る杉山愛も、34歳にして輝かしいキャリアに終止符を打っていた。
こうしてこの年、クルム伊達はツアー優勝(シングルス)を持つ、唯一の現役日本人選手となった。
日比野奈緒(写真)らの活躍で日本女子テニス界に明るい兆しが見え始めた 【Getty Images】
先鞭をつけたのは、かねてより「次代の日本女子テニスのエース」と期待がかかっていた、奈良くるみ(安藤証券)だ。幼少期から国内タイトルを総なめにしてきた早熟の天才は、19歳頃から約2年ほど苦しい時期も経験したが、昨年2月にリオオープンで優勝し、同時にランキングもトップ50入りを果たした。
そして今年、新たに2人のツアー優勝者が誕生する。10月にタシケントオープンを制した日比野菜緒(フリー)は、キャリア通算2大会目となるツアー本戦出場で、一気に頂点まで駆け上がったシンデレラガール。このタイトルにより、ランキングも一気に100位以内にジャンプアップした。
さらにもう1人、日比野の優勝からわずか1カ月後に、土居美咲(ミキハウス)がルクセンブルグで頂点に立つ。
クルム伊達が韓国で頂点に立ってから、次の優勝者が出るまでに要した年月は3年半。しかし奈良が一つの壁を破ってからは、1年8カ月の間に2人の追随者が誕生した。
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