小柳ルミ子流の新しいサッカーの楽しみ方 伝えたい「私がメッシから学んだこと」

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人間性が伴ってこそ最高のプレイヤー

小柳はスアレス(右)加入の影響は大きいと語り、現在のチームを「最強」と称した 【Getty Images】

――サッカーをそんな見方をするようになったのはいつからですか?

 見始めてすぐだから約12年前から。私はもう63歳なんですけれど、63歳の女性で、こんな見方をすれば、またサッカーも楽しめるんだというところをもっともっと多くの人に知ってほしいです。みんなにサッカーの面白さを感じてほしいと思いますね。

――プレーだけではなく、人間性を見てメッシを好きになったのですね。

 私はやはり人間性が伴っている人こそ最高のプレーヤーだと思っています。人として慕われていると、困ったときにチームメートが助けてくれるんです。この間(現地時間11月21日)のクラシコ(バルセロナ対レアル・マドリー、4−0でバルセロナが勝利)はまさにそうでしたよね。周りがメッシに点を取らせてあげようとしている。メッシも自分で仕掛ければ行けるところを、パスを回してアシストもします。そのあたりは人としての余裕を感じるというか、美しいですよね。もう別次元です。

――最近のバルセロナの調子をどう見ていますか?

 調子が上がってきている感じがします。昨シーズンの序盤は監督がルイス・エンリケに代わり、メッシと仲が悪いのではないかとかいろいろ取りざたされましたけれど、(ルイス・)スアレスが入った頃からすごく良くなりました。それぞれがお互いを認め合い、信頼し合って、今は最強ですね。

サッカーは90分の感動ドラマ

メッシは日本でもゴールを決め、このゴールパフォーマンスを見せることができるか 【Getty Images】

――クラブW杯ではメッシのプレーを生で見ることができると思うと楽しみですね。

 本当ですね。もうどうしましょう。日本でメッシ、スアレス、ネイマールのプレーを見る機会がこの先あるかどうか分からないですからね。

――生で見るからこその楽しみにしている部分はありますか?

 アップを誰とやっているのかも見ることができますよね。サブの選手の表情なんかも見られるかもしれない。私が感動するのはゴールを決めて、サブの選手とかスタッフが一丸となって喜ぶ時です。ああいうのってうらやましいんですよね。だってあんなに全員が喜んで抱き合って、あそこまで情熱を持ってわれわれは仕事をしているかなって思うんです。なんかもう魂が入っていますよね。だから一つの仕事をする、そして結果を出すことをわれわれも感謝して、もっと喜ばなくてはいけない。サッカーは90分の感動ドラマですから、みんなに見てほしいですね。

まずなんでもいいんですよ。選手がかっこいいからでもいい。技術は分からなくても、走り回ってゴールを決めた瞬間の歓喜が感動するでもいい。とにかく見てほしいですね。

――クラブW杯ではメッシにどんなプレーを期待しますか?

 もちろんゴールを決めてほしいですけれど、やっぱりメッシが楽しそうにやっている姿を見たいですね。ゴールを決められなくてもけがから復帰して、楽しそうにやっている姿が一番ですね。

(取材・文:豊田真大/スポーツナビ)

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