小柳ルミ子流の新しいサッカーの楽しみ方 伝えたい「私がメッシから学んだこと」
大好きなメッシのゴールパフォーマンスを見せる小柳ルミ子。彼女がサッカーにハマッた理由とは? 【スポーツナビ】
「世界一の選手」と称するバルセロナのリオネル・メッシを中心に、毎日サッカーを見るという彼女の視点は、解説者のサッカー友達(サカ友)も「すごい見方をするな」と驚くほど異彩を放っている。「サッカーは90分の感動ドラマ」と語る小柳流のサッカーの楽しみ方とはどのようなものか? そして溢れるメッシへの思いを語ってもらった。
毎日膨大な数の試合を観戦
12年くらい前、(デイビッド・)ベッカムがきっかけと言っていいですかね。基本的にスポーツは全般的に好きなんですけれど、やっぱりベッカムは人気があったし、きっかけはそこです。
そこから定期的に見てはいたのですが、現在のようにヨーロッパの全試合を見られるほどの環境にはしていなかったんです。というのも、私の周りにはそれまでサカ友がいなかったために情報を入手できなかったんです。だから欧州サッカーをこうすれば全部見られるという情報を手に入れたのが昨年ぐらいからなんですよ。オンデマンドで見られる環境が整ってからは全部見ています。
――よく見られるリーグはありますか? 見られる頻度はどのくらいでしょうか?
もう毎日です。毎日のスケジュールをこうやって出しているんです。これで単なるにわかファンではないと分かっていただけると思います(下記、写真を参照)。
1日の放送スケジュールをまとめ、見るものにはピンクマーカーを引いている。毎日ほぼピンク色に染まっていた 【スポーツナビ】
――ほとんどピンクで塗られていますからかなりの試合数を見ていますね。
仕事がない時は眠くなるまでずっとサッカーを見ています。仕事がある時はしょうがなく寝ますけれど、仕事がないときはずっと。見ないのは、他にどうしても見たい番組があったときくらいですね。
サッカーと社会に共通すること
各ポジションの選手が自分の役割をきっちりと果たして結果を残す。この図式は仕事にも通じるものがある 【Getty Images】
「みんな何でサッカーを見ないの?」っていうくらい面白いし、深い。なぜスポーツが好きかというと、うそや筋書きがないからです。そしてみんなひた向きに勝負にこだわって、向かっていく姿には本当に感動するんですよね。
特にサッカーは人間形成もするスポーツではないかと思うんです。11人のチームワークだとか、個の力、それを生かすアシスト、それからみんなとコミュニケーションの取れる人間性がないといけない。規律を守らないと使ってもらえないことなど、われわれの社会にも共通していると思います。だから私自身、学ぶことがいっぱいあるんです。
――ブログでも、「メッシからたくさん学ぶことがある」と書いていますね。最近メッシから学んだことはありますか?
私はメッシを世界一の選手だと思っています。それは選手としても、人間的にも。あれだけ一流選手なのにおごらないし、謙虚だし、素直だし、まずシミュレーション(審判を欺くプレー)はしないし、チームメートから愛されている。ゴールを決める人だけれどアシストもする。そういう人間的なバランスが、28歳の若さにして完璧なんですよ。
サッカーは人柄がピッチに出るので、いろいろな意味で深いと思います。私たちの仕事に例えると、FWはタレントで、MFが現場の舞台監督やバンド、照明や音響の方たち、DFがマネージャーなどのスタッフだと思います。この場合、「ボール=仕事」ですね。DFがまずはボールを守り、奪い取る。そしてMFにスムーズに仕事を回す。MFは正確なパスをFWに回す。そして私たちFWがゴールを決めて利益を出す。この図式は、私たちの仕事にも通じると思うんです。
やはりしっかりした守備があるからこそ得点が奪えるという関係性はよく似ているんですね。ただサッカーを知らない人はボールを蹴って、止めて、ゴールを決めるというふうに見ている方も多いんですけれど、サッカーって深いと思うんですよ。