パ・リーグのドラフト補強ポイントは!? 戦力充実のソフトBは将来性、ハムは左腕

ベースボール・タイムズ

150キロ左腕の東海大相模高・小笠原。戦力充実のソフトバンクでじっくり育成すれば、将来の日本球界を背負って立つ逸材となりえる 【写真は共同】

 2015年のプロ野球ドラフト会議が22日に行われる。今回、野球専門誌『ベースボール・タイムズ』が12球団の現状を見極め、スポーツナビが補強ポイントに対する指名推薦選手をまとめた。パ・リーグ6球団がどんな青写真を描いてドラフト指名をするのか――。現在のチーム状況を整理しながら、補強ポイントを明らかにしたい。

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ソフトバンク、武田に続くエース候補を

 工藤公康新監督の下でリーグ連覇を果たした福岡ソフトバンク。育成システムの構築と、それによる若手の成長もあり、戦力は充実の一途。現状、大きな穴は見当たらない。

 ただ、改善の余地はある。先発陣では、チームトップの13勝を挙げた武田翔太の成長と9勝0敗のバンデンハークの“当たり”はあったが、エース・攝津正とスタンリッジはともに10勝7敗。補強の目玉だった松坂大輔は故障によって登板なしに終わった。まずは将来のエース候補を指名したい。そして育成重視の方針に変わりはないが、同時にリーグ3連覇へ向けて、即戦力投手の指名も検討すべき。チームバランスを見ると左腕が不足気味。引退を決めた帆足和幸、防御率5点台に終わった森福允彦に代わるような実戦派サウスポーを、ぜひとも指名しておきたいところだ。

 自慢の打線、野手陣は、現レギュラー陣に死角はなく、トリプルスリーの柳田悠岐は27歳になったばかりで、今宮健太、高田知季も20代半ば。さらにファームには、高卒2年目でウエスタンの首位打者&盗塁王に輝いた上林誠知なども控える。補強するならば、次代の正捕手として斐紹は控えながら、細川亨、鶴岡慎也、高谷裕亮と高齢化が進む捕手。そして“左の柳田”とともに、将来のホークス打線をけん引できる“右打ちスラッガー”の指名も期待したい。

●スポーツナビ推薦選手

小笠原慎之介(東海大相模高)
坂本誠志郎(明治大)

 将来性を考えて、右の武田に続くエース候補として150キロ左腕・小笠原はぜひ獲得したい。しっかりファームで育成すれば3年後のローテ入りも見込める。捕手のてこ入れとしては坂本がお薦め。打撃が課題だが、インサイドワークは高い評価を得ている。

日本ハム、左のエース&中継ぎが課題

大谷の出身校である花巻東高の高橋は実戦派左腕として評価が高い 【写真は共同】

 2年連続Aクラスという結果を残した北海道日本ハム。特に今季は、オフに稲葉篤史、金子誠が引退、大引啓次、小谷野栄一がFA移籍した中で、チーム全体が若返りに成功。盗塁王&侍ジャパン入りも果たした中島卓也のほか、2年目の岡大海、1年目の淺間大基らの若手も才能の片鱗を見せた。だが、首位・ソフトバンクに12ゲーム差を付けられた事実は、忘れてはならない。
 
 好素材がそろう今年のドラフトだが、来年の田中正義(創価大)のような“超目玉”は不在。その中で近年、他球団の動向に関わらず「その年の最も優れた選手」を指名してきた日本ハムが、誰に“ナンバーワン”評価を与えるのかは大きな注目ポイントになる。現チームの先発投手陣を見ると、エース・大谷翔平のほか、若手に有原航平、上沢直之、中村勝と右腕がそろうが、左腕は吉川光夫のみ。中継ぎでも8年連続50試合登板の左腕・宮西尚生がオフに手術と不安を抱える。左のエース候補とともに、左の中継ぎ即戦力もチームに加えたい。

 現在の野手レギュラー陣のほとんどが高卒であり、育成部門への評価は高い。これまで通りに高校生を中心とした指名を貫くことは間違いではないが、来年の“V奪回”を考えると選手層を厚くできる即戦力野手の指名を考えてもいいだろう。そろそろ中田翔の後継者候補を指名してもいい。

●スポーツナビ推薦選手

高橋樹也(花巻東高)
横尾俊建(慶応義塾大)

 高校生左腕の中では、安定した制球力と強気な性格で実戦派として評価が高いのが高橋。大谷、岸里亮佑と高校の先輩も多く、チームになじむのも早そうだ。右の大砲として注目を集めるのが横尾。逆方向にも打てるスラッガーで中田の後継者として育てたい。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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