２０１５年のプロ野球ドラフト会議が２２日に行われる。今回、野球専門誌『ベースボール・タイムズ』が１２球団の現状を見極め、スポーツナビが補強ポイントに対する指名推薦選手をまとめた。６球団中３球団が新監督を迎えるが、セ・リーグ各球団がどんな青写真を描いてドラフト指名をするのか――。現在のチーム状況を整理しながら、補強ポイントを明らかにしたい。

　真中満新監督の下、２年連続最下位からのリーグ優勝を成し遂げた東京ヤクルト。その戦いぶりは賞賛されるべきで、自慢の強力打線に対する期待は来季以降も大きい。だが、細かく見ると投打に課題が散見し、補強ポイントは多い。

　投手陣では、石川雅規、館山昌平とベテランに頼った先発陣の若返りが必要で、さらにロマン、オンドルセク、バーネットの外国人トリオに勝利を委ねたリリーフ陣にも新戦力を加えたいところ。近年は大学、社会人の即戦力投手を数多く指名してきたが、“当たり”と言えるのは小川泰弘、秋吉亮ぐらいで成功したとは言えない。戦略を変える必要があるかもしれない。

　野手陣を見ると、大ブレイクした山田哲人を筆頭に、川端慎吾、雄平、中村悠平らの面々は、今後数年間は安泰。ＦＡ加入した大引啓次もまだまだ働ける。だが、チーム全体としての選手層の薄さは依然として改善されていない。特に青木宣親が抜けて以降、レギュラーが定まらない外野手は補強すべきポイント。加えて、畠山和洋の後継者も確保したいところ。山田の成功に倣って、高校生野手の指名もあるだろう。

●スポーツナビ推薦選手

高山俊（明治大）
成田翔（秋田商高）

　すでに公表されているように、外野手の補強ポイントとして東京六大学最多安打記録を樹立した高山を指名するとみられる。左右に打ち分ける広角打法と走塁センスで青木の後継者の期待大。小柄な体からも力投する姿が高校の先輩でもある石川を彷彿させる成田も話題性十分だ。

　リーグ４連覇がかなわず、世代交代の時期が到来している巨人。原辰徳監督が退任し、これまでのスローガンではなく、いよいよ本当に生まれ変わらなくてはならない。その意味でも、今ドラフトは大きな意味を持つ。

　１２球団トップのチーム防御率２.７８を記録した投手陣。菅野智之、高木勇人の２人は奮闘したが、マイコラス、ポレダの助っ人コンビの活躍が大きく、来季に向けては大きな不安要素。特に先発左腕が必要。内海哲也、杉内俊哉が完全復活すれば事足りるが、年齢的にも大きな期待はできないのが実情だ。右の菅野に相対する、左のエース候補を指名したい。

　その投手陣以上に心配なのが１２球団ワーストのチーム打率２割４分３厘だった打線だ。監督交代によって伸び悩んでいる若手陣が再ブレイクし、チームリーダーになるべき坂本勇人、長野久義の２人が奮起する可能性はあるが、それでも将来を考えると不安は少なくない。内野には岡本和真、和田恋といった若手の逸材がいるため、優先度が高いのは外野手。現有戦力に刺激を与えられるような存在をチームに加えたい。

●スポーツナビ推薦選手

谷田成吾（慶応義塾大）
今永昇太（駒沢大）

　高橋由伸の後継者として、慶応義塾大の後輩である谷田の名前が挙がる。左打席から放たれる打球は放物線を描いてスタンドへ飛んでいく和製大砲で、外野からの強肩も魅力。内海、杉内に続く先発左腕として、安定感のある今永を指名したい。