パ・リーグのドラフト補強ポイントは!? 戦力充実のソフトBは将来性、ハムは左腕

ベースボール・タイムズ

ロッテのターゲットは即戦力左腕

父が元ロッテの監督である九州国際大付高・山本。甲子園で3本塁打を放った長打力は魅力たっぷり 【写真は共同】

 Aクラスに返り咲いた千葉ロッテだが、上位2チームとの差は大きく、来季に向けて安泰というわけではない。まずは今ドラフトでチーム全体の士気が上がるような指名をすることが、来季の優勝争いを可能にする一つの手段になる。

 投手陣では移籍2年目の涌井秀章が15勝(9敗)を挙げて最多勝に輝き、プロ2年目の石川歩も12勝(12敗)をマーク。新加入のイ・デウンも9勝(9敗)を挙げた。しかし、それぞれ貯金が少なく、期待していた唐川侑己、藤岡貴裕といったところは今季も不振。まずは1年目から1軍でフル回転できる即戦力投手を指名したい。左腕ではチェン・グァンユウの5勝がチーム最多ということを考えると、ターゲットは“左の先発”になる。
 
 ここ数年で世代交代した感のある野手陣だが、その一方で井口資仁が今年12月に41歳を迎え、今江敏晃もベテランの域に入った。即戦力の先発左腕とともに、将来性を重視した高校生野手の指名も考えているだろう。井上晴哉はいるが、チームには俊足巧打の同タイプがそろう。将来、チームの顔としてホットコーナーを守れる逸材を指名してもらいたい。

●スポーツナビ推薦選手

今永昇太(駒沢大)
山本武白志(九州国際大付高)

 今春は左肩痛から出遅れたものの、秋には復活した今永。キレのある変化球でここ一番で三振を奪え、先発能力も高い。今江の後継者としては父親がロッテの元監督である山本を推したい。まだ荒さはあるものの、今夏の甲子園で3本塁打を放った長打力は魅力だ。

西武は即戦力投手と高卒野手強化を

西武が1位公表した富士大・多和田。重心の低い投球フォームから繰り出されるストレートは150キロを超える。即戦力としての期待大 【写真は共同】

 夏場の大失速が響いてBクラスに甘んじた埼玉西武。ドラフトでは、13年に森友哉、14年に高橋光成と高校生の逸材を“一本釣り”し、その2人が1年目から結果を残すなど、早くも成果が出ている。だが、長年の課題であるリリーフ陣の整備はなかなか進んでいないのも事実だ。
 
 今季の先発陣では、エースの岸孝之が5勝に留まったが、4年目の十亀剣が自身初の2ケタ11勝をマーク。その他、牧田和久、菊池雄星、野上亮磨、郭俊麟と名前はそろう。ここに8月以降にローテ入りして計5勝を挙げた高橋光が加わる陣容は期待が持てる。問題は夏場に崩れた救援陣。来季のことを考えるならば、即戦力の中継ぎ投手を真っ先に指名すべき。勝負度胸とタフネスを併せ持った投手をチームに加えたい。

 野手陣は駒がそろっているように見えるが、今季はショート、ライトのレギュラーが定まらず、永江恭平、駒月仁人といった若手もアピール不足だった。彼らのライバルになり得る将来有望な高校生野手の指名も必要だ。特に支配下の外野手は、22歳の駒月がチーム最年少で、その次が25歳の田代将太郎になる。編成的には高校生外野手をチームに加えるべき。得意の“隠し玉”指名にも期待したい。

●スポーツナビ推薦選手

多和田真三郎(富士大)
姫野優也(大阪偕星高)

 早くもドラフト1位として公表された多和田。重心の低いフォームから150キロ前後の速球と多彩な変化球を武器にする即戦力右腕。野手では今夏の甲子園でも一発を放った姫野が面白い。身体能力が高く、中村剛也や浅村栄斗に続く右の強打者として育てたい。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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