パ・リーグのドラフト補強ポイントは!? 戦力充実のソフトBは将来性、ハムは左腕

ベースボール・タイムズ

T-岡田に続く大砲がほしいオリックス

アマチュア屈指の長距離砲として評価が高いのが青山学院大・吉田。小柄な体ながら豪快なスイングを披露する 【写真は共同】

 優勝候補に挙げられながらも、開幕から絶不調で5位に終わったオリックス。ここ3年は、松葉貴大、吉田一将、山崎福也と即戦力投手を1位で指名してきたが、果たして今年はどうか。

 投打ともに解決すべき課題が顕在するが、エース・金子千尋の不調をカバーした西勇輝、2年目で2ケタ10勝を挙げた東明大貴など先発陣は来季以降も期待が持てる。徐々に高齢化が進んでいるだけに、将来を見据えた素材型の高校生を指名してもいいだろう。同時に勤続疲労が顕著だったリリーフ陣にも新たな人材を加えたいところ。松葉、山崎福に続く左腕の指名も検討したい。

 将来を考えると、投手よりも野手の方が重要度は高い。現主力は移籍加入した選手が多く、球団の人気面などを考えても“生え抜きのスター”は必要になる。その候補として、正遊撃手に成長した安達了一に加え、若手の駿太、武田健吾、堤裕貴、さらに今年1年目だった西野真弘、小田裕也といった名前が挙がるが、T−岡田に続くようなスラッガータイプが不在。20歳の奥浪鏡の成長を待つのもいいが、それと同時に新大砲候補をチームに加えたい。また、高齢化している捕手陣を若返らせることも必要になってくる。

●スポーツナビ推薦選手

吉田正尚(青山学院大)
上原健太(明治大)

 小柄な体格ながら力強いスイングで評価が高いのが吉田だ。大学日本代表でも結果を残すなど勝負強さも魅力。また、昨年の山崎福に続いて明治大から190センチの長身左腕・上原をマークしておきたい。まだまだ伸びしろもあり、左腕不足解消にはうってつけ。

楽天、野手のスター候補生獲得に期待

楽天が1位を明言したのは、地元・宮城の仙台育英高・平沢。今夏の甲子園で3本塁打を記録するなど、その実力は実証済み 【写真は共同】

 大久保新体制が機能せずに最下位に沈んだ東北楽天。新たに梨田昌孝監督を迎えての再スタートとなるが、まずはドラフトでチームの弱点を埋め、かつ話題を集めてもらいたい。松井裕樹、安楽智大を引き当てた“クジ運”は今年も発揮されるのだろうか。

 投手陣は前述の2人に加えて、エース・則本昂大は12月で25歳。今年の2ケタ勝利は則本のみだったが、塩見貴洋、美馬学らの実力者に加えて、菊池保則、森雄大、小野郁といった期待の若手もそろう陣容は、数年後の投手王国を予感させる。その上で来季を考えるならば、即戦力のリリーフ投手が必要。もし抑え役を担えるようであれば、松井を先発に再コンバートすることもできる。

 一方、怪我人が多かった野手陣はテコ入れが必要。先発オーダーに外国人ばかりが並ぶのは健全ではなく、やはり“チームの顔”と言える存在が必要。その可能性を秘めたスター候補生を是非とも指名してもらいたい。また、FA権を持つ嶋基宏の動向で大きく変わる面はあるが、捕手の指名も必須事項。“梨田カラー”を出してもらいたい。

●スポーツナビ推薦選手

平沢大河(仙台育英高)
横山弘樹(NTT東日本)

 星野仙一副会長が公言しているとおり、今夏の甲子園でも3本塁打を放ってチームを準優勝に導いた平沢は地元出身のスター候補生。何としてでも獲得したい逸材だ。187センチの長身から投げ下ろす150キロ右腕・横山は中継ぎとして即戦力候補。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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