バルセロナがリーガを去る日は近い? カタルーニャ州の選挙が左右するもの
もしカタルーニャが独立すれば
カタルーニャ州の旗を振るバルセロナのファンたち。前後半の17分14秒には独立コールがスタジアム内に鳴り響く 【写真:なかしまだいすけ/アフロ】
9月11日のラ・ディアーダ(カタルーニャのナショナルデー)には、約200万人もの民衆が通りに出て独立への支持を表明していた。その光景を目の当たりにした人でなくとも、カンプノウに足を運び、もしくはテレビでバルセロナのホームゲームを観戦すれば、前後半の17分14秒に独立コールの大合唱を聞くことができる。この数字はカタルーニャの首都バルセロナがスペイン・フランス連合軍に攻め落とされた年(1714年)を示している。
こうした流れの中、はたしてカタルーニャが独立国家となった後もバルセロナ、エスパニョールらカタルーニャのクラブがリーガ・エスパニョーラに所属できるのかどうかという問題は、今やスペイン国内にとどまらずヨーロッパのフットボール界でも懸念されるようになっている。
カタルーニャが政治的にスペインから独立すれば、カタルーニャ内のクラブはリーガ・エスパニョーラに所属することができなくなる。そうなれば他国のリーグへ移るか、カタルーニャ内に独自のリーグを作るしかない。フットボールに詳しい法律家はもちろん、エコノミストや関連組織の要人たちが今、そろってそのような警告を発している。
希望的観測を許さない政情
もしカタルーニャが独立した場合、バルセロナがリーガを抜ける可能性もある 【写真:ロイター/アフロ】
スペインのスポーツ法では、スペイン国内の連盟に所属していないチームが国内のリーグに所属することが許されていない。フットボールの場合はスペインフットボール連盟(RFEF)への所属が条件となるが、RFEFはスペイン各州の連盟に属していないクラブの登録を受け付けていない。
そのためスペイン政府のスポーツ上級審議会(CSD)は、バルセロナがカタルーニャの独立に伴い「外国のクラブ」となった場合には、法的な条件を満たさないためリーガ・エスパニョーラに所属することはできないと警告している。
それはつまり、バルセロナやエスパニョールは他国のリーグに所属するか、FCFがUEFA(欧州サッカー連盟)やFIFA(国際サッカー連盟)に加盟した上で独自のリーグを創設することを待たなければならないことを意味する。
もちろんアンドラのクラブがスペインの地域リーグに所属しているように、例外はある。つまり交渉次第でカタルーニャの独立後も現体制のリーガ・エスパニョーラが維持される可能性も残されているわけだが、現在の政情は希望的観測を許さない。