「わが家」に帰還したサビオラの挑戦 古巣バルサへの思いを胸にクラブW杯へ
監督の評価に堂々と反論
バルセロナでは監督の評価に対しても堂々と反論。どのような状況でもサビオラの自信は揺るがない 【写真:ロイター/アフロ】
168センチ、61キロという小さな身体から漲る自信は、かつてバルセロナに所属していた頃、フランク・ライカールト監督による厳しい評価に堂々と「反論」した態度にも表れていた。03年12月、スペイン国王杯の試合でシウダ・デ・ムルシア(現在のグラナダ74CF)と対戦した際、先制点を決めたもののゴールのチャンスをいくつか逃したサビオラについて、ライカールト監督が「得点のあとはほとんど何もしなかった」とコメント。4−0と圧勝しながらも「FWの選手たちのパフォーマンスが良くなかった」と語ったため、報道陣から「監督に何をアピールしたいか」と聞かれたサビオラだったが、「自分は誰にも何もアピールする必要などない」と言い切った。
当時のバルセロナはメンバーが定まらず、ライカールト監督による試行錯誤が繰り返されていたが、そのような状況下でもサビオラには揺るがない自信があった。
「監督もコーチも、自分がどのようなプレーをするのかよく分かっている。何もかも計画どおりうまくいくゲームもあれば、まずまずの結果だったり、全てにおいて失敗するゲームもある。自分では満足のいくプレーができたと思っているが、もし自分が批判されているうちの一人なのだとしたら、次の試合ではミスを少なくし、より良い内容にするために努力するのみだ」
夢のような夜を再現するために
レアル・マドリーに所属していた時期でもバルセロナのファンからは声援を受けた。サビオラは「第2の故郷」と語り、古巣への思いを隠さない 【写真:ロイター/アフロ】
「バルセロナは素晴らしい人々が住む美しい街。自分がレアル・マドリーのメンバーとしてカンプ・ノウに行ったとき、バルセロナのサポーターは拍手をしてくれた。自分にとっては第二の故郷さ。機会があるごとにプライベートでも訪問しているよ」
復帰直後に南米王者に輝き、12月にはクラブW杯に参戦するというチャンスを得たサビオラ。同大会では、バルセロナと対戦する可能性もある。
「バルセロナの偉大さは、誰もがよく知っている。そういうクラブと一緒に世界一を決める大会に出場できることはとても光栄だし、誇りに思う。もし対戦することになったら、その瞬間を存分に楽しみたい。そのような絶好の機会は、日々巡ってくるわけじゃないからね。自分が敬愛するクラブとの対戦が実現したら素晴らしいと思うけれど、その前に準決勝で勝たなければいけない。とにかく、今のリーベルのサッカーを世界中の人々に見てもらうなんて、素晴らしいことだ。まずは自分がピッチに出られるように努力しなければならない。リーベルに復帰したのはメンバーに名を連ねるためではなくて、チームと一緒に練習に励み、チームのために自分のプレーを生かし、若い選手たちに自分の体験を伝授するため。高いモチベーションをこのまま維持して、クラブW杯でもプレーできるようにしたい」
マジカルで夢のような夜を日本でも再現するため、昔よりも一層情熱的なサポーターたち、そして自分を育ててくれたクラブにまだまだ祝福し続けてもらうため、サビオラの古巣での新たな挑戦は、今始まったばかりなのである。