ハリルホジッチ「一番良い試合だった」 東アジアカップ 中国戦後会見

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試合後ハリルホジッチ監督は「一番良い試合だった」と中国戦を振り返った 【写真:アフロスポーツ】

 サッカー日本代表は9日、中国・武漢で東アジアカップの中国戦に臨み、1−1で引き分けた。この結果、2分け1敗の4位で今大会を終えることとなった。

 韓国戦(1−1)から6人の選手を入れ替え、東口順昭、丹羽大輝、米倉恒貴の3人が初出場という布陣で臨んだ日本代表。試合の立ち上がりから日本が攻勢を強めるものの、リスクを犯しながらの攻撃に急増のDFラインは安定感を欠いた。すると前半10分、ウー・レイにミドルシュートを叩き込まれ失点を許す。前半42分に武藤雄樹が同点ゴールを決め逆転を目指すも、後半両チームの運動量が落ち試合は膠着(こうちゃく)状態に。結局日本の前線が活性化するには至らず、1−1のまま試合終了を迎えた。

 試合後ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「一番良い試合だった」と試合を振り返る。「フィジカル的にも疲労回復ができていた。(中略)初めて11対11のトレーニングもできた。得点を取るチャンスはかなりあったので、勝てなかったことは少し残念だ」と、改めて準備段階の重要性を説いた。また今大会の収穫を問われた指揮官は「2〜3人の本当に良い選手が見つかった」とコメントした。

もう少し時間があれば結果は違った

 おそらくこれが(今大会で)一番良い試合だった。内容について、それから戦う意識において。ただ、この試合をこのようにできるのは、前もって知っていたことだ。フィジカル的にも疲労回復ができていたし、初めて11対11のトレーニングもできた。得点を取るチャンスはかなりあったので、勝てなかったことは少し残念だ。引き分けだったが、選手に対しては評価している。この大会、もう2〜3日余分な準備があれば、この3試合は違った結果にすることができた。

──この大会3試合のポジティブな収穫は?(大住良之/フリーランス)

 この3試合を通して国内組のことがよく分かった。真のA代表に入れる人材は何人か見つかった。何人かは、まだ努力が必要。大部分の選手は初めて見たが、国内にいる選手に関しても2〜3人興味がある選手がいるので引き続き分析と追跡をしていきたい。今回呼んだ選手に関しても、各自にメッセージを送っている。各クラブで、こういうトレーニングをしてほしいということも伝えている。ここに来たほとんどの選手が、素晴らしいスピリットを見せてくれた。

 今日の試合では、素晴らしいアクションがいくつかあったし、私たちが理想とするゴールもあった。ハイレベルのアクションだったと思う。だから選手には「おめでとう」と言った。(今後も)これを続けてほしい。たくさんのポジティブなことがあった。もちろん結果は満足していないが、そんなにがっかりもしていない。1試合、2試合、3試合通じてパワーも戻ってきたし、本当に選手たちは勝ちたい気持ちが強かった。それだけに(勝てなかったのは)残念だ。勝利するための努力はすべて出したと思う。ラストパスやフィニッシュで、少し欠けている部分はあった。CKの後に少しナイーブな失点もあった。われわれはしっかりトレーニングしてきたし、これからもトレーニングすべきこともある。それが今回の収穫だ。

──全体として残念な結果に終わったが、厳しい条件の中で大会に臨まなければならなかったことを受けて、カレンダー問題を含めて修正すべき点をどう考えるか?(田村修一/フリーランス)

 大会の準備期間についてだが、どの世界の監督であっても準備をしたいと思うのは当たり前だと思う。私は言い訳をしているという記事が書かれているが、それについては少し怒りを感じている。私は多少はフットボールを知っているし、チーム全体でトレーニングする必要があることを知ってほしい。この3試合を見て、パワーが徐々に上がっていったことに気づかれたと思う。それからオーガナイズの面もそうだ。ディフェンス面でもオフェンス面でも、日本は良いフットボールをしたのではないか。かなりハイレベルなアクションをしたのではないかと思う。

 少し慌てたシーンや、ゴール前での存在感が足りない部分もあったかもしれない。それでもベーシックなトレーニングをしっかりして、そして選手にはメッセージを伝えた。批判も言い訳もしていない。日本の皆さんへのメッセージとしては、「もう少しフットボール全体を理解しましょう」。そして「少しトレーニングの時間をください」と言っているだけだ。次のカレンダーでそれが反映されていることを願っている。少しは代表監督の意見も取り入れてほしい。もちろん、中には満足のいかない人たちもいるかもしれない。それでも私は、このように訴え続けたい。

 選手のことを話すと、3試合続ける中でパワーを発揮してくれたし、もう少し余分に時間があれば、違う結果になっていた。他の3チームの条件をわれわれが得ていれば。それでもこの大会では、いろいろな発見はあった。2〜3人の本当に良い選手が見つかった。彼らは私たちに多くの満足を与えてくれた。第一の目的は勝利だが、それももう一つの目的だった。われわれにとってはBチームというわけではないが、誰が定着するかというのも目的だった。

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