ハリルホジッチ「点を取れる選手を探す」 東アジアカップ メンバー発表会見

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東アジアカップに出場する日本代表のメンバーを発表したハリルホジッチ監督 【スポーツナビ】

 日本サッカー協会は23日、都内で会見を行い、8月1日から中国で行われるEAFF東アジアカップ2015に臨む、サッカー日本代表のメンバー23名を発表した。今回は国内組のみで全メンバーが構成され、遠藤航(湘南)、武藤雄樹(浦和)、米倉恒貴、倉田秋(共にG大阪)の4名が初招集となった。

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、今回招集したメンバーに向けて「価値と能力を私に見せる時が来ている」とメッセージを発信。「より野心を持ってたくさんのトレーニングをしてほしい」と代表メンバー入りの競争の促進を求めた。また、事前に発表していた50人の候補メンバーから11名がけがをしたことにも触れ、「これはひとつの警告」と問題提起も行った。

 大会の位置づけについては「大事なのは結果。結果を探しに行きながら、新しい選手が見せつけなければいけない」とコメントしている。

 日本代表は8月2日に北朝鮮、5日に韓国、9日に中国と対戦する。

リストを発表してからのけが人が多すぎる

登壇者:
ヴァイッド・ハリルホジッチ(サッカー日本代表 監督)
霜田正浩(日本サッカー協会 技術委員長)

霜田 東アジアカップのメンバーが決まり、これから皆さんにご報告します。2年前の大会では、この大会で活躍した選手が最終的にブラジルワールドカップのメンバーに何名か入ることになりました。今回も欧州でやっている選手は招集できませんので、国内で活躍をした選手が日本代表として国の誇りを持って戦ってくれると信じています。皆さんご声援よろしくお願いします。

ハリルホジッチ 長い時間をかけてすべてのリーグ戦をテクニカルスタッフと見てきた。3週間前に50人の(予備登録)リストを発表したが、この50人以外にもクオリティーを見せてくれた選手はたくさんいる。50人のリストに入らなかった選手も、次にリストを作る時には入る可能性がある。50人のリストには若い選手をたくさん選んだ。これはたくさんの選手に私のメッセージを伝えたいということでもある。そしてA代表に入るために、より野心を持ってたくさんのトレーニングをしてほしいというメッセージでもある。例えば、今回の50人の中には(所属チームで)ベストメンバーに入っていない選手もいる。ただ、若い選手で、五輪代表に入っている。能力もある。そして、向上心と伸びる可能性もかなりある。彼らは今が頑張らなければならない時期だ。彼らの価値と能力を私に見せる時が来ている。最初から皆さんには言っているが、日本代表はすべての選手に開かれている。リストに入る資格があれば問題なく呼ぼうと思う。それは海外でプレーしていようが、国内であろうが関係ない。海外でプレーしている選手も若い選手がいる。

 ただ、50人のリストを発表してから今日までの間に11人の選手がけがをしてしまった。これは50人の20%以上になる。これは一つの警告として受け取ったほうがいい。なぜこんなにもけがが起きてしまったのか。私はこれには考えがあるが、ちょっとけがの人数が多い。この中から23人を選ぶことが難しい状況になってしまった。そして、東アジアカップに向けての日程も少し考えないといけない。霜田委員長も先ほど言っていたが、われわれには野心がある。常に同じ野心を抱いている。すべてを見せることができるかはまだ分からないが、この大会においては、かなり難しい仕事を想定している。メンバーは、4つのグループに分かれて集合してもらう。所属クラブから直接(中国に)来る選手もかなりいる。29日にリーグ戦が終わり、30日の朝に中国へ出発する。そこでもけがが起きるかもしれない。23人の選手以外にもバックアップメンバーを準備している。ただ、東アジアカップの前には1週間準備をする時間が欲しかった。向こうに行けばまた難しい状況もある。例えば、4つのチームが1つの練習場で練習をするということも言われている。今のところ1回のトレーニングだけは決まっていると言われた。そして気温は40度、湿度は約60〜70%あると聞いている。メディカルやフィジカルスタッフを含めて、しっかりと準備を行っている。多くのことを想定していこうという話をして、料理長も2人連れて行くという話もしている。たくさん難しいことは起こるが、向こうで何かを成し遂げることができればと考えている。皆さんにはいつも言っているが、負けるための準備はしない。勝つための準備をしている。

 では、23人を発表する。何もなければこの23人だが、1〜2人ほど現状でけがをしている。最後の節でけがをする選手が出た場合、バックアップメンバーを選ぶことになる。彼らとは直接話をして、しっかりと準備をしてほしいと思うが、全員がモチベーションを高く持ってほしい。最後になるが、国内組にとってはかなり良いテストになる。A代表に入る準備をしなければならない。疲労などネガティブなことがあっても良い大会にしたいし、勝つことにトライしたいと思う。

<メンバー発表>

GK:
東口順昭(ガンバ大阪)
西川周作(浦和レッズ)
権田修一(FC東京)

DF:
水本裕貴(サンフレッチェ広島)
丹羽大輝(ガンバ大阪)
槙野智章(浦和レッズ)
森重真人(FC東京)
太田宏介(FC東京)
米倉恒貴(ガンバ大阪)※
藤春廣輝(ガンバ大阪)
遠藤航(湘南ベルマーレ)※

MF:
柏木陽介(浦和レッズ)
武藤雄樹(浦和レッズ)※
山口蛍(セレッソ大阪)
米本拓司(FC東京)
谷口彰悟(川崎フロンターレ)
柴崎岳(鹿島アントラーズ)

FW:
興梠慎三(浦和レッズ)
倉田秋(ガンバ大阪)※
永井謙佑(名古屋グランパス)
川又堅碁(名古屋グランパス)
宇佐美貴史(ガンバ大阪)
浅野拓磨(サンフレッチェ広島)

※は代表初選出

29日のリーグ戦次第でメンバーの入れ替えも

ハリルホジッチ GKは3人。彼らも実力を見せなければいけないし、私の信頼を勝ち取らなければいけない選手たちだ。A代表に入ってほしい選手たちだ。彼らも良い経験をして、リーダーとしてチームに何かをもたらしてほしいと考えている。彼らにはかなり期待している。

 DFは8人だ。米倉は新しい選手だ。遠藤という新しい五輪代表の選手も呼んでいる。そして太田についてはけがをしていた。彼とはコンタクトを取り続けており、月曜(27日)にはわれわれのメディカルスタッフがダイレクトにコンタクトを取り、ポジティブな状況なのかを確かめる。試合に出ることができれば連れて行く。もし、太田に問題があれば、バックアップメンバーを用意しているので、おそらく川崎の車屋紳太郎を連れて行くことになるだろう。彼にも準備をしておいてほしいが、最終的には29日のリーグ戦が終わった段階で判断したい。正直に言うが、日本代表の監督として来シーズンのカレンダーについては、アイデアを言いたい。日本代表のために、もう少し時間をいただきたい。私自身で考えていることがあるので、そういったことは話をしたい。

 次は中盤だ。ここにも、新しい選手を入れている。柏木は運動量が豊富な選手だと思う。左利きで、われわれは左利きの選手が少ないので、後ろからしっかりと組み立てることができれば面白い存在になると思う。彼にもクオリティーを見せる良い機会になると思う。われわれと仕事をするのは初めてだが、人間性もしっかり発見できればと思う。何人か入っている新しい選手たちはそういった「見せる」ということが目的になる。武藤雄も新しい選手だ。今のところ中盤に入っているが、FWとしても使えると思う。少し攻撃的な選手に人数を割いた。浦和の選手も何人か候補に入っていたし、その他のクラブでも広島の柴崎(晃誠)という選手がリストに入っていて、良い選手だと思っていた。中盤の選手たちはオーガナイズによってポジションの役割が変わると思う。今のところは、武藤にその役割をやってほしいと思っている。山口はすでに良く知っているし、かなりのポテンシャルがある選手だ。伸びてほしいと思っている。米本も新しい選手だが、彼の運動量や戦うところ。おそらく中国では日本よりも、より強いコンタクトと、日本代表に対してはものすごい敵意を出してくると思う。なので、米本には攻撃でも守備でもより良い彼のクオリティーを見せる機会になると思う。彼にはしっかりと競争してほしいし、そのチャンスを得てほしいと思っている。

 谷口は川崎で3バックのDFをやっているが、私は中盤で使いたいと思っている。DFでもあるが、その前でテクニックを生かしてほしいし、身長も大きくフィジカルやヘディングでも期待している。日本代表に少し足りないのはデュエル(対戦)のところのパワーだ。そういったところも彼のクオリティーが埋めてくれるのではないか。彼のフィジカルの存在が大切になる。柴崎岳も(コンディションに)少し問題があり、彼ともディスカッションをした。岳も自分でプレーしたい、中国に行きたいと言ってくれたし、彼はすでによくやってくれている。彼ももし最後でけがが再発することがあれば、バックアップメンバーに代わる予定になっている。

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