ハリルホジッチ「点を取れる選手を探す」 東アジアカップ メンバー発表会見
フィジカルの戦いで勝たなければいけない
大会の位置づけを「結果を探しに行きながら、新しい選手が見せ付けなければいけない大会」と言い表したハリルホジッチ監督 【スポーツナビ】
ハリルホジッチ すべて見せなくてはいけない。特に最初の1試合目で勝つために見せなければいけないことがある。特にメンタル面だ。アウェーで勝つことは難しい。中国や韓国の試合を見たが、彼らのデュエルはかなり激しい。それに対してフィジカルの戦いで彼らに勝たなければいけない。彼らが仕掛けてくるデュエルに対してわれわれはフィジカルで対抗しなければいけない。テクニックに関してはある程度見せることができる。グラウンド状況もあるが、タクティクスに関しては勝つためのものを用意している。特に今回はFWが多いし、毎試合勝つためにトライをしようと思う。
そしてけががないことも大切だ。リーグもあって連戦になる。50人のリストで20%がけがをしたと話したが、これはなぜなのか、皆さんが疑問に思わなければいけない。これは多いと思う。向こうで環境に適応しなければいけないし、3試合を短い期間でやる。できるだけ多くの選手を使いたい。一人だけ3つの試合をやるというのは難しい。特に中盤と前線は変えなければいけない。おそらく多くの選手がチャンスをつかむだろう。戦えるかどうかを見せてもらい、次の合宿の準備を始めたいと思う。おそらくほとんどの選手がかなりモチベーションが高いと思っている。
――国内組のレベルを上げるために国内リーグの充実は非常に重要だと思う。以前に球際の激しさや運動量が足りないと指摘していたが、Jリーグでのプレーで選手たちに求めるものはあるか?
ハリルホジッチ 先ほど霜田技術委員長と私で、Jリーグの1部・2部が集まるダイレクター会議に出た。まずは心からの感謝をした。そして正直な話をした。日本のフットボールはもっと違うレベルへ行くと。たくさんのことを向上させよう、そして現代フットボールを見てほしいと話した。まずは球際のパワー。それから、ゴール前での得点者を見つけることだ。
現代フットボールはかなり速い。そしてデュエルのところがかなり激しくなっている。チームはかなりオーガナイズされていて、「集中」と「適応」をしたチームが勝つ。勝つチームは何かある。例えば違いをもつ選手が含まれていること。特に得点を取る選手だ。バルセロナやレアル・マドリーは(リオネル・)メッシやクリスティアーノ・ロナウドがいなければまったく違うレベルのチームになる。われわれも違いを見せつける選手を見つけなければいけない。そのためにリーグの方々にコラボレートして、私を助けてほしいと言った。
ただ、この大会(東アジアカップ)には練習なしで行かなければけないという話もした。彼らに対しても同様に、リーグのカレンダーにも意見を言いたいと話した。いろいろなことをお互いにしていこうという話もした。日本代表が良い結果を出せば、皆さんも協力してくれるようになると思う。
それから国内組での合宿もしたいと話した。それに対してもお互いにしっかりとオーガナイズしていこうと。おそらく同意しないクラブもあると思う。ただ、ミニ合宿でわれわれは完璧な仕事をし、いろいろなテストも行い、タクティクスもたくさん試した。大成功に終わったと思っている。合宿の最後に、義務でもないのに全選手が私のところへ来て話す機会を設けた。たくさんの選手がA代表でプレーしたいということを言ってきた。彼らには野心がある。彼らにもより良い環境を与えてあげたい。ただ、大きな仕事はクラブの中でやらなければいけない。私はここ(日本)に批判するために来ていない。助けるために来ているのだ。もし何か問題が起きた時に責任を負うのは私、代表監督だ。ただ、私の問題でもあるがクラブの問題でもあるし、そういったことを突き詰めていこうと話した。私が期待しているのはJリーグが良いレベルになること。特にプレーのスピードと球際の戦う意識の部分。能力はあって、足元のテクニックはあると思う。
勇気・決断・野心を見せつけなければいけない
ハリルホジッチ 大事なのは結果。結果を探しに行きながら、新しい選手が見せつけなければいけない大会だ。A代表の結果が最も重要。おそらく中国や北朝鮮との試合は、普通の試合にならない。政治的な要因も含まれる。彼らは日本に対してものすごく敵対心を抱いており、100%以上のモチベーションでわれわれに対して戦ってくる。つまりわれわれが見せなければいけないのは、まずメンタル。アウェーでの特別な環境で、勇気・決断・野心を見せつけなければいけない。それを見せつけてチームはようやく向上する。勝つということをかなり強く要求していきたいと思う。
トレーニングができない、グラウンドが悪い、という言い訳はしたくない。試合の前には言い訳をする。でも試合の後は言い訳はしない。先ほど話したが、岳と太田と話をして、彼らは本当にモチベーションがあった。これは本当に素晴らしいチームのメンタルになる。これをグラウンド上で見せつけてほしい。
例えば宇佐美だ。われわれは守られていない状況で戦わなければいけない。国内とは違ったデュエルになるが、それだけの準備をしなければいけないということ。宇佐美にとってはあるレベルを超えなければいけない大会になるだろう。彼がもし欧州でのプレーを臨むのならば、より厳しいデュエルが待っているからだ。
――遠藤航はU−22代表ではMF登録だが、DF登録になっている理由は? また、今のU−22代表への評価を教えてほしい。
ハリルホジッチ 遠藤だが、湘南では3バックの右でプレーしている。彼のすべての試合を見ている。彼らの試合を見て、4バックの右サイドをやらせるのはちょっと大変だ。Jリーグでは3バックのチームが増えており、4バックのサイドバック(SB)の機能ではないからだ。日本代表は違う。そして国内組があまり呼ばれていない状況が続いていた。例えば内田(篤人)や(酒井)高徳。彼らが右SBのメンバーとして選ばれてきた。右SBの国内の選手を皆さん見たことがありますか? 私が記憶する中ではゼロだ。例えば塩谷(司/広島)もそこでプレーできるのではないかと考えていたが、けがをしてしまった。他の選手はだれがいる? 松原(健)は五輪の選手だがけがをしている。私のスタッフの中には五輪代表の監督(手倉森誠)がいる。五輪の選手もみんなで分析している。岩波(拓也)、植田(直通)などもA代表に呼びたいと思っている。だが、リーグの中でプレーする時間が少ない。彼らもA代表に入る資格があれば呼ぶ。私が今探しているのは、センターバックでフィジカルプレーができる選手だ。彼らは50人のリストには入るが、23人のリストには入らない。さらに2〜3人良い選手がいる。彼らもしっかり追跡しているし、しっかり練習して向上し続けてくれと言いたい。そして入る資格があると判断した暁にはすぐに呼ぶ。
浅野もそうだ。23人のリストに入ったが、彼らが今クオリティーを見せつけるときだと言いたい。もちろん他の選手もだ。ただ若く、ただパワーがある選手は呼べない。より資格があることを見せつけなければならない。
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