ハリルホジッチ「点を取れる選手を探す」 東アジアカップ メンバー発表会見

スポーツナビ

(優勝)カップを持って帰りたい

恒例となった記者会見での監督によるプレゼンテーション。今回も、スクリーンを使いながらメンバーを発表していった 【スポーツナビ】

ハリルホジッチ では、FWを発表する。興梠も以前はけがをしていたが、非常に面白い選手でいろいろなオーガナイズでプレーできる。一人でもプレーできるし、2人でもサイドでも真ん中でもプレーできる。彼ももっとできるのではないかと思っているし、これからもディスカッションをしていきたい。なぜ頻繁にけがをするのかという話もしたいし、彼もかなりのクオリティーを持っている。おそらく彼の持っている力、クオリティーを見せる機会がかなりあるだろう。日本代表のAチームには得点を取る選手が必要だ。われわれのチームの一番の欠点は得点者を見つけなければならないこと。日本代表でできるだけ多くの得点を挙げることのできる選手が必要となる。倉田も新しい選手だ。彼もいろいろなシステムでプレーできる。左サイドでプレーすることが多いと思うが、もしかしたらFWの後ろや中盤でプレーできるかもしれない。攻撃面でかなりの運動量がある選手なので面白い選手だと思っている。彼にもチャンスをつかんでほしい。永井は名古屋で違うポジション(ウイングバックなど)でもプレーしているが、ものすごく速い選手だと思う。できれば前でスピードを生かして、できるだけゴールの近く、得点をたくさん奪えるポジションで起用したいと思う。われわれと会って以来、かなり伸びている選手だ。かなり良い選手になる可能性を秘めているので、このまま続けてほしいと思っている。

 川又についてだが、われわれは得点が取れる選手を探している。川又はデュエルの中でフィジカルを見せる。もし、シンガポール戦(0−0)に川又がいたら、彼のフィジカルで良い現象が起きていたかもしれない。前節も、前々節も得点に絡んでいるし、彼も伸びてほしい選手だ。A代表のリストに常に入ってほしい選手だ。日本人選手はそれほど背が大きくない選手が多いので、川又のような選手がしっかりとフィジカルを見せてほしいと思う。宇佐美はすでに皆さんに話をしているが、かなり能力のある選手だ。彼が本当にたくさんのものをもたらしてくれると思う。彼もしっかりと向上している選手で、彼にはたくさん期待している。浅野は先ほど皆さんに申し上げたが、常に先発メンバーなわけではない。ただ、彼は得点の取れる選手だ。かなり速いし、相手の背後も常に探している。前節も彼のプレーを見たが、ものすごく良いプレーを見せてくれた。彼が入ってから広島は逆転したのだから。彼にとっても良いチャンスだと思う。自分のクラブでもしっかりと結果を残して、出番を勝ち取ってほしい。本当にたくさん伸びてほしい選手で、真ん中でもサイドでもプレーできると思う。彼には相手の間や背後でスピードを使ってボールを求めてほしいし、もちろんしっかりと守備もしてほしいと思う。

 これが23人のメンバーだ。もしかしたら29日の夜に変更があるかもしれない。それは期待していないが、バックアップメンバーを用意している。この東アジアカップでは3つのオーガナイズを用意している。その3つに応じて選手をチョイスした。もちろん、この23人以外にも有望な選手はいる。他の選手も良いプレーを続けてくれれば23人に入ることができるのは間違いない。トレーニングをし、「見せる」ということを続けてもらいたい。野心の話をしたが、向こう(中国)では不確実なことがたくさん起こる。6〜7人の新しい選手を連れていくことで新しい発見もあるだろう。もう一度言うが1週間ほど準備の時間があればありがたかった。ただ、他に解決方法がないので仕方がない。そこでうんざりするのではなく、言い訳を探すのでもない。このグループにとって東アジアカップは非常に重要だ。そして数試合勝つトライをして、できれば(優勝)カップを持って帰りたい。すでに相手国も分析している。難しい大会になるが、すべては可能なことだ。代表の選手たちはすべての力を発揮する。ただ、けがをなくしたいと思うし、疲労や移動、いろいろな条件があるので、スタッフを含めて彼らが発展するよう見守っていきたいと思う。

A代表には50%ほど国内組が入ってくる

――6月のシンガポール戦で勝てなかった理由をこの準備期間でどのように分析したのか?

ハリルホジッチ もちろんシンガポール戦についてはしっかりと分析した。簡単に忘れることができない試合だ。統計も見た。すばらしい試合をしたと思っている。日本代表は史上初めてあれだけのパスを成功させたのではないだろうか。確か670本のパスに成功した。31回のシュートも打った。19回ほど100%の決定機も作った。相手はわれわれのペナルティーエリアの中に入ることができなかったが、一度シュートを打った。すべてやったつもりだ。最後に決定的なシュートを打つということだけができなかった(編注:公式記録で日本のシュート数は23本、シンガポールが3本)。

 私の一番の仕事は、得点を取る選手を見つけること。リーグ戦で25〜30点取り、A代表でできるだけ頻繁に得点を取る選手だ。それが今のところ私の一番の仕事となる。ただ、シンガポール戦の話に戻ると、かなりシュートを打てた。9月(3日)のカンボジア戦でもこのようにやってくると思う。心配はしていなかったが、引き分けに関しては少し心配していた。一番最初のW杯予選なので、本来であれば良い出発をしたかった。

 二つ目としては観客がものすごく良い雰囲気を作ってくれた。スタジアムに足を運んだすべての人に残念な試合をお見せしてしまった。ただ、われわれは効果的な仕事もした。成功しなかったし、運もなかったし、慌てた状況もあった。次はわれわれのチャンスをモノにしたい。効果的なチャンスは作っている。このような(展開の)試合はまたあると思っている。選手たちは一度も非難せず、勇気づけている。次の試合はより効果的なものになると思っている。

――この東アジアカップで一番試したいことは何か?(大住良之/フリーランス)

ハリルホジッチ まずは選手を発見したい。日本のA代表には50%ほど国内組が入ってくると予想している。次の合宿に向けて誰が効果的なプレーをしてくれるのか発見したい。そしてもちろんチームも向上させたい。3つのオーガナイズに応えることができる選手を呼んでいる。まだまだ十分な野心を見せつけることができていないと思っている。

 また、今回の中国では特別な環境があると思っている。アウェーの試合になるので、メンタル面、心理面でかなり強いものを持たなければならない。これもトレーニングを経て強くしたい。皆さんご存知の3つの対戦国(北朝鮮、韓国、中国)はわれわれに対してかなりの敵対心を持っている。つまり、彼らにしっかりと対抗するだけの選手を合宿で見定めたいと思っている。

 どのようなクオリティーを中国で見せつけられるかは分からないが、まず言いたいのは出発するまでにしっかりとタクティクス練習ができないということ。そしてグラウンドが本当にひどい状況だ。そういう環境も踏まえて、現地でしっかりと見定めないといけない。ただ選手のモチベーションはかなり高い。(けがをしている)太田と岳にも電話で話したが、けががあったとしても「向こうで日本代表としてプレーしたい」と話していた。このような気持ちが大事だし、彼らの100%を見せつけてくれると思っている。

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