手倉森監督「日本の可能性を追求する」 U−22コスタリカ戦メンバー発表会見

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U−22日本代表のメンバー発表会見に臨んだ手倉森監督 【スポーツナビ】

 日本サッカー協会は22日、都内で会見を行い、7月1日にユアテックスタジアム仙台で開催されるU−22コスタリカ代表戦に臨むU−22日本代表のメンバーを発表した。

 3月のリオデジャネイロ五輪アジア1次予選に出場したメンバーからは遠藤航、中島翔哉ら11人を選出。海外組の南野拓実と久保裕也、負傷の大島僚太らは選外となった。U−22日本代表の手倉森誠監督は「今のU−22代表は何ができるのかというところのテストと位置づけて、日本の可能性を追求していく試合にしたいと思っています」と、コスタリカ戦への意気込みを語った。

何を表現できるかをテストする

登壇者:
手倉森誠(U−22日本代表監督)
霜田正浩(日本サッカー協会 技術委員長)

霜田 五輪の強化に関しては手倉森監督と話をして、前回のロンドン五輪のときの強化の検証も踏まえ、一番の強化はまず選手が所属クラブで試合に出場することだという認識でいます。高校を卒業して、21、22歳の選手がどれだけ所属クラブで試合に出ているか。公式戦に出場できるか。これがまず一番の強化になると考えております。上半期に関しては、どれだけ選手が試合に出場できているか。配布した資料に載せていますけれど、30%以上出ている選手、50%以上出ている選手が何人くらいいるのか。その中で五輪代表の強化にどれだけつながっているかを検証したうえで、下半期の強化スケジュールを決めたいと思っています。

 ご存じのようにJ3で戦っているJリーグ・アンダー22選抜では、J1の試合がないとき、あるいは所属クラブでベンチに入れない選手、出番がない選手を優先的に呼び、J3の公式戦を経験させるという強化方針を考えています。このJ3の中で、手倉森監督に指揮を執ってもらう試合もあると思いますし、トレーニングキャンプも7月のJクラブの強化担当者会議で担当者の方々とお話をして、増やせるところがあれば増やしていきたいと思っています。来年1月のカタールでの最終予選を踏まえて、12月にはシーズン終了とともに、選手たちのモードも五輪モードに切り替えてもらって、最終予選に向けて万全の準備を整えたいと思います。コスタリカ戦に関しては、手倉森監督からこのあと発表がありますが、A代表と同じように、選手が競争する、所属クラブでしっかりと試合に出る、五輪代表に選ばれるために競争するということが、長い目で見れば、選手強化にもつながりますし、五輪代表の強化にもつながると思っております。

手倉森 僕はパワーポイントは使いません(笑)。3月の1次予選以来のU−22代表の活動となります。それが今回のコスタリカ戦です。1次予選が終わってから、自チームでどれくらいやれるかを見させてもらってきました。その中でこのメンバーを21人選びまして、このコスタリカ戦で何を表現できるかをテストしたいと思います。コスタリカは何試合か見たんですけれど、次の最終予選の対戦国、そして本大会に向けての良いシミュレーションになると考えています。戦術的、フィジカル的、そしてメンタル的に、こうしたチームと対戦したとき、今のU−22代表は何ができるのかというところのテストと位置づけて、試合に行きたいと思います。そして日本の可能性を追求していく試合にしたいと思っています。

 今回選んだメンバーで1次予選も選ばれていた選手は11人。半数近くは1次予選に行かなかったメンバーを選びました。その半数選んだ中では、自チームでしっかりとポジションを取れた選手、そして五輪強化として取り組んでいるJ3に来た中でしっかりと成長が見て取れた選手、この中では井手口陽介とか高橋壮也とかですね。高橋については「良い選手か」と聞かれれば、「そうや(高橋の名前)」と言ってくれればいいなと(笑)。いろいろな角度から選ばせてもらいました。この試合でのメンバーがすべてじゃなくて、これからもいろいろな見方、例えば出場時間だとかJ3への参加、そして自チームでの活躍などをきちんと視察して、検証して、これからの強化や人選につなげていければいいなと考えています。選ばれた選手はこの試合で何かを成し遂げなければ次の試合はないし、今回招集されなかった選手たちには、この試合を見てもらって「自分だったら何ができるんだろう」ということを見極め、自分の成長にしっかりイメージを持ち、最終予選に絡むんだという意識を持ってもらいたいと思います。このコスタリカ戦、自分たちが現時点でやろうと思っていることができるかどうか。トライさせたいなと思います。

 以下、メンバー発表

GK:
櫛引政敏(清水エスパルス)
牲川歩見(ジュビロ磐田)
山田元気(京都サンガF.C.)

DF:
櫛引一紀(コンサドーレ札幌)
亀川諒史(アビスパ福岡)
伊東幸敏(鹿島アントラーズ)
奈良竜樹(FC東京)
川口尚紀(アルビレックス新潟)
岩波拓也(ヴィッセル神戸)
植田直通(鹿島アントラーズ)
高橋壮也(サンフレッチェ広島)

MF:
遠藤航(湘南ベルマーレ)
矢島慎也(ファジアーノ岡山)
野津田岳人(サンフレッチェ広島)
喜田拓也(横浜F・マリノス)
中島翔哉(FC東京)
前田直輝(松本山雅FC)
井手口陽介(ガンバ大阪)

FW:
金森健志(アビスパ福岡)
豊川雄太(鹿島アントラーズ)
浅野拓磨(サンフレッチェ広島)

メリハリの利いたサッカーを示せれば

手倉森監督(右)と霜田技術委員長(左)は所属クラブで試合に出場する重要性を語った 【スポーツナビ】

――前田はJリーグで結果を残して選ばれた選手だと思う。その一方で中心選手の中島なんかは所属クラブで苦しんでいる。先日、次はJ1で試合に出場している選手を中心に選びたいという話をしていたが、選考の基準にはどのような変化があるのか?

手倉森 今回呼んだ選手の中でも所属クラブで苦しんでいる選手がいます。その苦しんでいる選手もその状況の中で、何ができるかということをトライさせてみて、出ていないとやっぱりダメなんだと初めて分かると思うんです。そういったところもしっかり見極めたいです。まず試合でしっかりとパフォーマンスで示してくれと。クラブに帰って出場機会がないこともありますが、手倉森ジャパンの中では実績を残しているということで、この辺くらいまではチャンスは与えていきたいなという考えでいます。

――臨機応変に戦っていかにゴールに結びつけるかという部分は、この合宿でどのようにコントロールしていこうと考えているのか? あと大島僚太は今回選ばれていないが、これはけがという認識で大丈夫か?

手倉森 まず僚太に関しては、今プレーをしていない状況なので今回の発表では見送りました。サッカーに関してはU−22が取り組んできている、戦いの中での柔軟性、そしてやろうとしていることができないときの割り切りは、継続してやっていきたいと思っています。A代表が(ヴァイッド・)ハリルホジッチ監督になってから縦に非常に速くなっている。自分もトレーニングに絡みながらものすごくスピードが速くなっているなと感じています。U−22にもそのスピードはしっかりと組み込んでいかなければいけないと思っています。攻撃の優先順位として縦への速さというものをトライさせて、やろうとしていることができないときに、タクティクスチョイス(戦術の選択)をコスタリカ戦でやりたいと思っています。トレーニングの時間と回数が限られているので、ミーティングでの理解力が大事になってくると思います。その部分でも今まで継続的にやってきたメンバーが半分は必要だったので、メリハリの利いたサッカーを示せればいいなと思っています。

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