木村ミノル「グランダー戦は教育」と上から目線

K-1実行委員会

仕上がり万全でKOに自信

グランダーから挑発を受けていた木村は「グランダー戦は試合じゃなくて教育指導」と上から目線で言い放った 【(C)M-1 Sports Media】

 木村“フィリップ”ミノルが15日、「K−1 WORLD GP 2015〜−70kg初代王座決定トーナメント〜」(7月4日/東京・国立代々木競技場第二体育館)のマサロ・グランダー戦へ向けて東京・恵比寿のFighting Kairosで公開練習を行った。

 1月にK−1 WORLD GP−65kg初代王者ゲーオ・フェアテックスを下し、4月大会ではHIORYAをKOで沈めた木村。今大会では4月大会でゲーオの代打参戦ながら野杁正明を飛びヒザ蹴りでドクターストップに追い込んだグランダーとの一戦に臨むことになった。

 試合まで約3週間、木村は現在の仕上がり・コンディションについて「何の問題もなく怪我もなく、いいコンディションで仕上がっています。練習自体はずっとハードに続けているので、試合前の今となってどうこうはない。試合によって相手が違うので、自分がやることも違うんですけど、何の問題もなくいい意味でいつも通りに仕上がってます」。昨年11月の−65kg初代王座決定トーナメントから数えると、2カ月に1試合ペースで試合を続けているが、定期的に試合を続けることが自らの成長につながっている。

「一歩間違うと怪我だったりでコンディションも悪くなるけど、もしそうだったら試合は受けてない。プロとして変なコンディションでリングに上がりたくないし、ベスト(コンディション)に出来ると思ったから今回も試合を受けました。ここまでいい感じに成長できているし、一試合一試合で一喜一憂することなく、平常心で心を動かされることもない。僕からしたらすごくいいペースだなと思います。対戦相手が3人ともスタイルが違うから、自分からすると成長できる時間だった。望んでいた展開ですね。順調にスキルアップ出来ています」

 対戦相手のグランダーは黒人選手特有の手足の長さや身体能力の高さが目立つ選手で、木村も「身体のバネもあって特徴的なオリジナリティな動きをする」とグランダーがオーソドックスではないタイプだと分析する。しかし「自分が倒すためにやるべきことは大きい意味では一緒。その選手に合ったアプローチをするだけ」という木村は「KOするイメージは出来上がっているので、あとはそれを実践するだけ。そのイメージに辿り着くために練習しています」とグランダー対策は万全だ。

「プロとして観客を100%沸かす」

グランダーの得意技である飛びヒザにも「飛びヒザには飛びヒザ。向こうが飛んだらオレも飛ぶ」と自信たっぷり 【(C)M-1 Sports Media】

 ミット打ちとサンドバックを公開した木村は、ミット打ちでは得意のパンチを封印。左右のミドル、そしてグランダーが得意とする飛びヒザ蹴りを繰り出した。その真意を聞くと木村は「『目には目を』でこっちも飛びヒザをやってやろうかな、と。マサロのヒザ蹴りは伸びるヒザというか避けたと思ってももう一個先でもらっちゃう感じだけど、こっちも迎え撃ってあげます。飛びヒザには飛びヒザ。向こうが飛んだら俺も飛ぶ。空中戦です」とニヤリ。

 一見、木村流のパフォーマンスにも見える行動だが、実は飛びヒザ蹴りは木村の隠れた得意技でもある。Krushでの“狂拳”竹内裕二戦、そして前回のHIROYA戦でも飛びヒザ蹴りを当てており、グランダーとの“飛びヒザ”対決にも自信ありだ。さらに木村はグランダーが飛びヒザを出せば、そこにチャンスがあるという持論も展開する。

「マサロが飛び道具を出し始めたら俺の勝ち。心が動いたら飛び道具を出すから。結構早い段階でそうなるんじゃないですかね。マサロが飛びヒザを出したらピンチでもあるけど、実は思いっきりチャンスだし、警戒はしているけど恐れてはない。ピンチはチャンス、チャンスはチャンスって今まで生きてきたんで。だから向こうの武器が出る時は俺の武器も出る“ザ・面白い試合”になると思います」

 また「あいつはラッキーパンチだ」「言いたいことがあるならリングで戦え」と挑発的なコメントを残すグランダーに対しては「今回は試合じゃなくて教育。今後のマサロの人生のための教育指導です」と上から目線で言い放った。

 1月は王者ゲーオの牙城に挑み、4月はHIROYAとの新旧エース対決。そして今回は未知の強豪グランダーを迎撃と、木村はそれぞれ異なるテーマのある試合を戦ってきた。ゲーオとHIROYAを倒したことは木村にとって大きな自信になり、ベルト以上のプライドと自負につながっている。

「ゲーオに勝っても試練は続く思っていたし、HIROYA選手も強い相手だった。チャンピオンを経験している選手はハートが強いし、そうじゃなかったらK−1甲子園やKrushでベルトを獲ってない。そういう相手を倒したことは自分にとっては大きい自信になった。俺はチャンピオンを2人倒して、チャンピオンが持っている意地でもプライドでも俺には勝てなかった。それは俺にベルト以上の背負うものがあるってことです。俺はベルトを持っていないけど、獲るもののレベルが違うんです。俺はベルトよりも重い意地と背負っているものがあるから、ここを簡単には通させない。俺にはベルト以上に守るものがあるから負けるつもりはないです」

 新生K−1には全大会に出場し、今やK−1の顔の一人でもある木村。「俺はプロフェッショナルとして100%沸かせます。試合で沸かせるのは当たり前で、格闘技を分からない人には面白い・面白くないで判断してもらっていい。そして格闘技を知っている人には俺の技術や試合運びを見て欲しい。初めて格闘技を見た人には『かっこいい』『すげえ』と思ってもらって、ずっと格闘技を追いかけている人もびっくりさせる。俺はそういうファイターです。今回は70kgのトーナメントもあるけど、いつも通り自分が一番盛り上げて熱い試合をする」とすべての観客を沸かせると堂々宣言した。
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