暑い夏は“無理せず”走る! 陸上競技場でのおすすめトレーニング
【三河賢文】
実際、夏場のランニングには注意が必要です。暑さは体力を奪うだけでなく、熱中症や脱水症状、あるいは水中毒など、さまざまな危険があります。特に熱中症と脱水症状は、これまでランニング時に経験したことのある方がいるかもしれません。そのための予防策として、ここでは夏場の競技場トレーニングをおすすめします。
なお、多くの競技場は一般にも有料もしくは無料で開放されていますが、大会開催時などにより使用制限が設けられるケースも少なくありません。利用時には、あらかじめ一般利用についてスケジュールを確認しておきましょう。
競技場トレーニングのメリット
トラックが整備された陸上競技場。トップアスリートや団体だけでなく、一般ランナーも使用できます。利用方法は各競技場ごとにチェックしてみてください 【三河賢文】
競技場は、どのほとんどが周回400mのトラックとなっています。あらかじめ用意した飲み物を置いておけば、400m毎にいつでも水分補給が可能。設備こそ施設により異なりますが、多くは水道が設置され、日陰のある休憩所が設けられている場合もあるでしょう。私がよく利用する競技場では、クーラーの効いた部屋があります。
適宜休憩と水分補給を行えば、いくら暑くても倒れるような事態は避けられます。たとえ走っている最中に暑さでフラついても、400mならばなんとか休憩地点にたどり着くことができるでしょう。それでも万が一のことが起きた場合でも、競技場には必ず管理スタッフが滞在しています。安全面から見れば、とても良い環境であることが分かるでしょう。
おすすめのトレーニング5つ
1)インターバル
心肺強化や筋持久力向上に……ただし無理はせず!
高負荷と低負荷の運動を繰り返し行うことで、心肺強化や筋持久力向上などに効果的とされるトレーニングです。走行距離を工夫することで、バリエーションを持たせることができるでしょう。低負荷としてジョグで間を繋ぐ方法が一般的ですが、例えば1分制限で200m走と休憩をセットにして行いそれを繰り返す方法(30秒で走れば30秒の休憩、40秒で走れば20秒の休憩)もあります。また同一距離を走るのではなく、「1000m−2000m−3000m」など高負荷時の距離を変えるのもおすすめです。
ただしインターバルは、身体への負担が大きい練習となります。そのため、あまり高頻度での実施はおすすめしません。コンディションを見ながら、無理せず週1回から取り入れてみてください。
3)ペース走
体に“目標ペース”を覚えこませよう
最近はGPSウォッチユーザーが増えていますが、距離の決まっている競技場ならば、GPSによる距離計測は不要です。また、公道と異なり信号もないため、ペース走はとてもおすすめです。これを機に、目標ペースを体に覚えこませましょう。難点は景色が変わらないため、飽きてしまうこと。しかしそれもまた、精神面での良いトレーニングとなるのではないでしょうか。
3)レペティション
主にスピード強化が目的 後半戦対策にも
インターバルとは異なり、高負荷での走行後にしっかり休憩を挟むトレーニングです。その分、1本1本はほぼ全力で走ることとなります。主にスピード強化を目的として行われるトレーニングですが、疲労した状態で走ることは、マラソンにおける後半戦対策にも繋がります。
4)ビルドアップ走
“最後まで走り切る”ためのトレーニングに
ゆったりしたスピードから走り始め、数km毎に少しずつペースを上げていくトレーニングです。スピードやスタミナ強化はもちろんですが、マラソンにおいて“最後まで走り切る”ための実践的トレーニングとなるでしょう。また、設定したペースへ自身でコントロールしなくてはならず、ペース感覚の養成にも繋がります。なお、私はラスト1kmのみペースを設定せず、いつも“そのときの全力”で走りきって終わるようにしています。
5)ランニングドリル
フォーム改善におすすめ
足場が安定してある程度の距離が取れる競技場は、ランニングの実施にも最適です。コースが空いているときは、コースライン上を基本に“真っ直ぐ進む”ことを意識しながら、ランニングドリルを行ってみてください。この夏を利用して、フォーム改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。
距離が分かる練習場ならどこでもOK
夏は短めの距離で工夫して練習を! 休めるだけでなく、家族と過ごしながらのトレーニングもできますよ 【三河賢文】
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