K-1王者・卜部功也、テーマは“楽しむ” 兄・弘嵩「弟の防衛戦は俺しかいない!」

K-1実行委員会

功也「前回の悔しさを晴らす試合をします」

7.4K-1へ向けファンの前で公開練習を行った60kg初代王者・卜部功也 【(C)K-1実行委員会】

 6月6日(土)東京・大久保のK−1ジム総本部にて、7月4日(土)東京・国立代々木競技場第二体育館で開催される「K−1 WORLD GP 2015〜−70kg初代王座決定トーナメント〜」のスーパーファイトでコンスタンティン・トリシンと対戦するK−1 WORLD GP−60kg初代王者・卜部功也が公開練習を行った。

 前回大会では強豪ハビエル・エルナンデスを下して、K−1王者としての初陣を勝利で飾った功也。トリシンとの一戦に向けたミット打ちでは鋭い左右の蹴りを見せ、持ち前のテクニックの一端を披露した。

 試合まで約1カ月、功也は「いつも通り調子はいい状態です。公開練習の前に道場でトレーニングして疲労がたまっていますが、動きが悪くないですね」と現状報告。

 マスコミだけでなく一般公開となった公開練習を「たくさんお客さんが来てくれて、その前でトレーニングできるのはうれしいことです。すべてを見せられてないのですが、普通に動けたかなと思います」と振り返り「追い込みでは1Rで倒れるくらいまで追い込んでいるので、試合を期待してほしいです」と自身の仕上がりについて語った。

 対戦相手のトリシンは頑丈な身体とパワーが持ち味で、構えをオーソドックスとサウスポーのどちらも使いこなす器用な一面も併せ持つ。功也は「やりづらい相手」としつつも「練習は普段と変わらずですね。いつも通りやれば問題ないと思います」と過剰な警戒心はない。

「前回は倒そう倒そう、いい試合をしようと思いすぎて、プレッシャーを感じていたかもしれません」。エルナンデス戦での気負いを反省点に挙げた功也は、今回“楽しむ”ことを試合のテーマに掲げた。

「ちょっとKO、KOと悩んで考えすぎたので、今回はリラックスして楽しんで、闘いが好きだった頃を思い出してやりたい。素のままの自分でトリシンに当たりたいですね。ファンのみなさんには僕が楽しんでいる姿を見てもらいたいし、それが出来ればいい結果になると思います。僕が試合を楽しんで会場を盛り上げたいです。

(一発もパンチを当てさせないというコメントもあったが?)今もその気持ちは変わらないです。それが僕のスタイルなので、そこは変えるつもりはないです。ただ完璧よりちょっと完成し過ぎない方がいいのかな、と。矛盾しているかもしれませんが、そっちの方が深みが出ると思うし、完璧を求めすぎるのも良くないと思います。だから今回は前に出るところは前に出たいと思っています。

(他の階級のチャンピオンへの対抗心は?)それを考えすぎると固くなっちゃうのであまり考えてないです。今ままでもそっちの方がいい試合を出来ていたので、初心に帰ってそういう試合をしたいと思います」

 この日は同じ階級のライバルでもある兄・卜部弘嵩も公開練習を行ったが「道場では兄とスパーリングしていません」と功也。「兄には会う度に『いつ俺と防衛戦やるんだ?』と言われています(苦笑)」と弘嵩から対戦要求を受けていることを明かし「でもそれは勝負の世界だからしょうがないこと。次の防衛戦の候補は兄くらいだと思うので、周りが(弘嵩との試合を)求めればやります」と防衛戦での兄弟対決について語った。

 会見の最後に功也は「前回は前に出なくて、周りの期待に応えられなかった。自分も悔しい思いをしたので、それを晴らす試合をします」とファンにメッセージ。功也は自然体かつ試合を楽しむことで王者らしい勝利をつかむつもりだ。

弘嵩「世界中どこを探しても自分より強いやつはいない」

「弟・功也の防衛戦は俺しかいない!」と意気込む兄・卜部弘嵩 【(C)K-1実行委員会】

 1月のK−1 WORLD GP−60kg初代王座決定トーナメントでは決勝で弟・卜部功也に敗れてベルトに手が届かなかった弘嵩。しかし5月に、自らが保持するKrush−60kg級王座をKO防衛し、再びK−1のリングへと戻ってきた。

 この日の公開練習ではK−1 WORLD GP−55kg初代王者・武尊とマススパーリングを公開し、スピーディなジャブからのコンビネーション、必殺のハイキックなどを繰り出し、好調さをアピールした。

 公開練習後のインタビューでも弘嵩は「5月4日にKrushで防衛戦があったのですが、試合が終わってすぐに練習を再開しました。しっかりやってきたので、体重も増えることなく良い状態をキープできると思います。昔は調子が悪い時は、それが試合にも出ていたのですが、普段から練習して節制するようになって良い時と悪い時の波がなくなりました」と仕上がりの良さを強調。

 自らを「完璧主義なところがある」という弘嵩にとって、節制した食生活を続けることも「何カ月も続けろ言われても苦じゃないないし、全然ストレスがない」。さらに「節制しているときは牛肉がいい。一日に吸収できる量を計算して、グラム数を調べてしっかり食事しています」と節制中のこだわりについても語った。

 対戦相手の闘士については「好戦的な選手なので必ず良い試合になると思います」と多くは語らなかった弘嵩。先に公開練習・インタビューを終えた功也からは「会う度に『いつ俺と防衛戦やるんだ?』と言われています」と普段の対戦要求を明かされたが、弘嵩は「はい、いつも言っていますよ」とキッパリ。

「小さい頃から(功也とは)何回もやって勝ってきた。1月はトーナメントでダメージがあったかもしれないけど、負けちゃいけなかったという悔しさがあった。だからそれをみんなの前で証明したい」と改めて功也に宣戦布告すると「今すぐにでもタイトルマッチをやりたい。僕は世界の強豪を倒してきたので、もう世界中どこを探しても自分より強いやつはいないと思う」と功也の初防衛戦の相手は自分が最もふさわしいと断言する。

 さらに公開練習を終えての集合写真で武尊を間に挟む形で功也と並んだ弘嵩は「お前、俺と防衛戦やれよ!武尊もやった方がいいと思うだろ?」と武尊を巻き込んで猛アピールし、これにはさすがの功也も苦笑いでかわすのが精一杯だった。

 K−1のベルトをかけた兄弟対決に燃える弘嵩。闘士を倒してその野望に近づくことが出来るか?

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