ハリルホジッチ「メッセージを伝える」 日本代表候補合宿前のメディア対応

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代表候補合宿を翌日に控え、会見に臨んだハリルホジッチ監督 【スポーツナビ】

 サッカー日本代表は12・13日に千葉県内で日本代表候補のトレーニングキャンプを行う。合宿を翌日に控えた11日、再来日を果たした日本代表ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が会見に臨んだ。

 今回もスクリーンに選手名を表示して各ポジションの招集意図を説明したハリルホジッチ監督。合宿の目的について「より選手を知るということ。そしてフットボールに関する私のメッセージを伝える」と語っており、選手との対話を望んでいる。

 また、先日まで行っていた欧州視察では多くの日本人選手と会い、「良い時間を過ごすことができた」と、満足感を示した。

合宿でやりたいのは、より選手を知ること

 皆さん、こんにちは。長い間、皆さんと会っていなかったが、(その間に)いろんなところでたくさんの仕事をしてきた。先ほど霜田(正浩)技術委員長にも聞いたが、代表が(今回のような)ミニ合宿をするのは初めてだそうだ。まずこの合宿をオーガナイズできたことをJリーグと各クラブ、そして指導者の方々に感謝したい。

 多くの方々が、この合宿の目的を知りたがっていることだろう。もちろん(合宿をするのは)いくつか理由がある。先の2試合(3月に行われたチュニジア、ウズベキスタンとの国際親善試合)でも合宿を行い、そこではたくさんのトライをしてきた。また、海外の選手も視察したし、国内に関しては霜田技術委員長をはじめ何人ものスタッフがたくさんの視察をして分析し、毎週月曜日に会議をしてきた。これから(合宿に招集する選手の)リストを見せるが、24人のフィールドプレーヤーと4人のGKを呼んだ。ここに呼ぶ資格のある選手の中には、けがをした人もいれば、復帰したばかりの人、個人的な問題を抱えている選手もいる。そうした選手は、今回は呼ばなかった。

 この合宿でやりたいのは、より選手を知るということだ。そしてフットボールに関する私のメッセージを伝えること。代表でプレーすることで、何人かは自分のプレーを変えることになるだろう。ただし、たくさんのトレーニングをする時間は、私には与えられていない。この2日間で3回の練習をして、たくさんのメッセージを伝えるし、トレーニングもたくさんやる。そして6月にはワールドカップ(W杯)予選があるので、その準備もする。8月には東アジアカップがあるが、国内では合宿をせずに、向こう(中国)でトレーニングすることになる。

 特に今回は、選手にダイレクトにメッセージを伝えたい。何回か申し上げているが、日本のフットボールはもっと向上できる余地があるし、それを強く感じているからこそ、私には情熱も野心もある。この合宿のために、私はいろいろ準備してきたが、実はアルジェリアでの経験も踏まえている。アルジェリア代表では、今回のようなミニ合宿を行うことで、新しい選手を何人も発見することができた。(合宿の)グラウンドで選手を見るのは(視察とは)全く違う。ディフェンスでもオフェンスでも、トレーニングすることでたくさんの発見があり、選手とダイレクトな関係ができるので、お互いをよく知ることができる。

 それからチーム内で、さらなる競争意識を高めていきたい。そのためにも国内の多くの選手を見ておきたい。(今回、招集した)中にはA代表に入ってほしい選手もいるし、何人かの選手は、すでに代表でプレーしている。年齢も大事だが、できるだけよりよいパフォーマンスの選手を呼んでいる。なかには(所属クラブで)あまりプレーしていない選手もいるが、ある程度は能力があると判断した。とにかくメッセージを伝えたい。そして、そこでよいプレーをすれば、A代表に入れるというメッセージを伝えたい。

「私は誰のことも忘れてはいない」

ハリルホジッチ監督は今回もポジション別のリストを見せながら招集意図を語った 【スポーツナビ】

(パワーポイントの画像にポジション別のリストが現れる)

 それでは、各ポジションの説明をしよう。GKは4人を選んだ。もうひとり呼ぼうと思ったが、けがのため見送った。できるだけ国内でプレーしているGKを選んだが、より良いものを見たいと思う。ベルギーのクラブでプレーできていない選手がいるが、GKというのはなかなかパフォーマンスを出すのが難しいポジションだ。そのためにGKの選手には、より高いレベルに到達するために、もっと向上してほしいということは伝えた。

 センターバックは6人呼んだ。これまで呼んだ選手もいるが、岩波(拓也)と植田(直通)といった若い選手については、もっと知りたい。右サイドバックは2人。彼らは日頃、4バックでやっているというわけではないが、われわれは右サイドに問題を抱えているので、より向上するためにも塩谷(司)と丹羽(大輝)がどれだけやれるかを見たい。左サイドも同様だ。太田(宏介)も藤春(廣輝)もかなり能力があるし、ディフェンス面でもさらに向上できると思う。

 中盤だが、ディフェンシブな選手とオフェンシブな選手を呼んだ。新たに呼んだ選手のうち、遠藤(康)は右サイドでプレーすることが多いが、FWの近くでプレーしたらどうなるか見てみたい。左足のテクニックとビジョンも素晴らしいが、他の部分も向上させることができると考えて呼んだ。浅野(拓磨)、永井(謙佑)、宇佐美(貴史)、武藤(嘉紀)。武藤は腰に問題があるので、トレーニングできるかを確認する。宇佐美は皆さんご存じのとおり、この間の合宿から良くなっている。彼はさらに向上してもっと良い選手になるだろう。

 FWは4人。川又(堅碁)はすでに(代表で)プレーしていて、戦えるいい選手だ。ベテランの大久保(嘉人)を呼んだ理由は簡単で、2シーズン得点王だし、今季もコンスタントに得点している。32歳という年齢は問題ないし、フィジカル的な能力もある。豊田(陽平)もそうだ。杉本(健勇)はクオリティーが高い選手だが、プレー機会に恵まれていない。彼についてはきちんと話をして、少し勇気を持ってもらって向上してほしいと思っている。

 何人かの選手には勇気づけることが重要だし、修正も必要になる。(欧州視察で)ドイツやイタリアも行ったが、各選手にメッセージは伝えてきたし、意見交換もしてきた。海外組でも何人かの選手がプレーできていない問題を抱えている。(そういった選手には)もっとプレーできるクラブに行ってはどうか、という提案をしたい。私は欧州から戻ってきて、まだ間もない。帰ってきた日に、なかなか寝られなかったので、明け方に本田(圭佑)の試合を見た。本田はかなりいいプレーをしていたので、とてもうれしかった。

 今回は、何人かの選手を呼んでいない。小林(悠)はけがをしたし、興梠(慎三)は昨日2ゴールを挙げたが復帰したばかりだ。青山(敏弘)も問題があって、良いパフォーマンスができていない。だが、私は誰のことも忘れてはいない。ここに入る資格があると思ったら、すぐに呼ぶだろう。それでは皆さんからの質問を受け付けたい。

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