野菜ジュース選びのチェックポイント 管理栄養士おすすめ!コンビニ飯の選び方
【Getty Images】
新生活もスタートし、学校や職場では歓送迎会も行われる季節。外食が続くと、どうしても野菜不足になりがち、という人のお助け食品が野菜ジュース。健康志向も高まって、種類も豊富な野菜ジュースの中から、どれを選べばいいのか? そもそも値段やカロリー以外に野菜ジュースに違いってあるの?
管理栄養士の川端理香さんに聞く「管理栄養士おすすめ!コンビニ飯の選び方」。シリーズ5回目は「野菜ジュース選びの要チェックポイント!」をご紹介します。知るべきポイントさえ押さえれば、次からは迷わない。野菜ジュースの選び方、をマスターしましょう。
管理栄養士の川端理香さんに聞く「管理栄養士おすすめ!コンビニ飯の選び方」。シリーズ5回目は「野菜ジュース選びの要チェックポイント!」をご紹介します。知るべきポイントさえ押さえれば、次からは迷わない。野菜ジュースの選び方、をマスターしましょう。
1日に必要な野菜の量は?
健康志向が高まっている昨今、多くのレストランや外食チェーン店、お惣菜やレトルト食品も「野菜不足解消に!」と書かれた商品が目立つようになりました。では実際、1日にどれだけの野菜を摂取すればいいのか。ご存知でしょうか?
一般的に成人ならば野菜の摂取量は350gと言われています。健康食品のCMなどでは、「350gの野菜を取るのはこんなに大変!」と過剰なアピールをするために、はかりに溢れそうな量の野菜を乗せているものも。その印象もあり、350g=膨大な量、そして誰もが野菜不足だと思い込んでしまう傾向が強いのですが、 実はニンジンやカボチャ、タマネギや大根など重量のある野菜を混ぜれば350gの野菜を摂取するのはそれほど膨大な量ではなく、3食でバランス良く摂取すれば十分に取り入れることができるのです。
とはいえ、おにぎりだけ、麺類だけ、パンだけ、といったように、糖質中心の偏った食生活をしていたら、野菜不足になるのも仕方ない。自炊できる時間があればいいけれど、という人にとって、野菜不足を補える食品が「野菜ジュース」です。
一般的に成人ならば野菜の摂取量は350gと言われています。健康食品のCMなどでは、「350gの野菜を取るのはこんなに大変!」と過剰なアピールをするために、はかりに溢れそうな量の野菜を乗せているものも。その印象もあり、350g=膨大な量、そして誰もが野菜不足だと思い込んでしまう傾向が強いのですが、 実はニンジンやカボチャ、タマネギや大根など重量のある野菜を混ぜれば350gの野菜を摂取するのはそれほど膨大な量ではなく、3食でバランス良く摂取すれば十分に取り入れることができるのです。
とはいえ、おにぎりだけ、麺類だけ、パンだけ、といったように、糖質中心の偏った食生活をしていたら、野菜不足になるのも仕方ない。自炊できる時間があればいいけれど、という人にとって、野菜不足を補える食品が「野菜ジュース」です。
ビタミン補給に役立つ野菜ジュース
健康志向に伴い、野菜ジュースもコンビニエンスストアにも数多くの種類が並べられています。まず知っておいてほしいのは、パッケージや価格が違うように、栄養素も違うということです。そもそも野菜ジュースの多くは、350gの野菜を実際に絞ってつくったものではなく、350gの野菜を摂取した時の栄養素の量に基づき、それが満たされるようにつくられているものなので、その商品がどの野菜を350g使って計算しているかによって成分値も栄養価も違ってくるのです。
もちろん、野菜を350g摂取した分の栄養素を摂取できる、特に不足しがちなビタミンを補給できるという点では、野菜ジュースはとても役立つ食品です。ただし、誤解しないでほしいのは、だから野菜を食べなくてもOK、ではないということ。
野菜ジュース=野菜ではない、というカラクリをまずは理解したうえで、実際に野菜ジュースを選ぶ時にはどんなことに気を付ければいいのか、というポイントを整理しましょう。
もちろん、野菜を350g摂取した分の栄養素を摂取できる、特に不足しがちなビタミンを補給できるという点では、野菜ジュースはとても役立つ食品です。ただし、誤解しないでほしいのは、だから野菜を食べなくてもOK、ではないということ。
野菜ジュース=野菜ではない、というカラクリをまずは理解したうえで、実際に野菜ジュースを選ぶ時にはどんなことに気を付ければいいのか、というポイントを整理しましょう。
野菜ジュースの選び方2つ
1)悩みは何? 体脂肪ならエネルギー、肌荒れならビタミンC
選び方のポイントは2つ。
まず1つ目は、パッケージだけではなく横面にある栄養成分表を見ること。エネルギー、たんぱく質、糖質、ビタミン、ミネラルの量などかなり細かに栄養成分が記されています。同じ謳い文句で、価格が変わらない野菜ジュースでもビタミンCの量やカロリーは大きく違います。
体脂肪を気にしている人はエネルギーが低いものを、肌荒れや免疫力が低下して風邪をひきやすい、といった方はビタミンCが多めのものを選ぶようにしましょう。
2)本当に野菜ジュース? ラベルの“裏”、栄養成分表示の見方
もう1つのポイントは、使用されている原材料を知ることです。野菜ジュースが野菜だけでつくられているわけではないことは先述しましたが、半分が果物の果汁でつくられているもの、もっと極端に言えば果物果汁70%のものもあります。これはすでに「野菜ジュース」ではなく「フルーツジュース」なので、野菜ジュースとしての効果を期待するならばあまりオススメできません。
栄養成分表の中には「野菜」と記された後、何が使われているのかさらに使われている野菜の種類が細かく記されています。この時、書かれている順番は使用料が多い順番に並んでいるので、ニンジン、トマト、と書かれていたらニンジンのほうがトマトよりも多く使われているということ。栄養成分と同様に、自分が気にしている要素をクリアしてくれる野菜がより多く使われている野菜ジュースは何か、見比べて選ぶクセをつけましょう。
選び方のポイントは2つ。
まず1つ目は、パッケージだけではなく横面にある栄養成分表を見ること。エネルギー、たんぱく質、糖質、ビタミン、ミネラルの量などかなり細かに栄養成分が記されています。同じ謳い文句で、価格が変わらない野菜ジュースでもビタミンCの量やカロリーは大きく違います。
体脂肪を気にしている人はエネルギーが低いものを、肌荒れや免疫力が低下して風邪をひきやすい、といった方はビタミンCが多めのものを選ぶようにしましょう。
2)本当に野菜ジュース? ラベルの“裏”、栄養成分表示の見方
もう1つのポイントは、使用されている原材料を知ることです。野菜ジュースが野菜だけでつくられているわけではないことは先述しましたが、半分が果物の果汁でつくられているもの、もっと極端に言えば果物果汁70%のものもあります。これはすでに「野菜ジュース」ではなく「フルーツジュース」なので、野菜ジュースとしての効果を期待するならばあまりオススメできません。
栄養成分表の中には「野菜」と記された後、何が使われているのかさらに使われている野菜の種類が細かく記されています。この時、書かれている順番は使用料が多い順番に並んでいるので、ニンジン、トマト、と書かれていたらニンジンのほうがトマトよりも多く使われているということ。栄養成分と同様に、自分が気にしている要素をクリアしてくれる野菜がより多く使われている野菜ジュースは何か、見比べて選ぶクセをつけましょう。
噛むこと、バランスも大事 野菜ジュースはあくまで“お助け”
野菜不足になると便秘が続き、体内の免疫力も下がり、肌荒れを起こすなど悪循環が続きます。分かりやすい症状が出るため「野菜不足に気をつけなきゃ」と思う人が多く、特に1人暮らしで外食続きの方や、偏食で野菜が食べられないという方には野菜ジュースはお助け食品であるのは間違いありません。
ただ、中には毎朝健康のために野菜や果物を豊富に入れたお手製のグリーンスムージーをつくるという方もいるかもしれませんが、そこまで過剰に「野菜」だけを意識する必要はありません。
それよりも、むしろジュースにしてしまうことで酵素が失われたり、噛んで食べることによる人間本来の働きがおろそかになってしまったりする可能性があります。それはもったいないこと。野菜だけではなく、もっと不足しがちなミネラルを摂取するためには海藻も必要だし、カルシウムを摂取するには乳製品があったほうがいい。健康志向もいいけれど、野菜だけ、野菜ジュースだけ、にとらわれず、食生活は「バランス」が大切だということを忘れずに。
ただ、中には毎朝健康のために野菜や果物を豊富に入れたお手製のグリーンスムージーをつくるという方もいるかもしれませんが、そこまで過剰に「野菜」だけを意識する必要はありません。
それよりも、むしろジュースにしてしまうことで酵素が失われたり、噛んで食べることによる人間本来の働きがおろそかになってしまったりする可能性があります。それはもったいないこと。野菜だけではなく、もっと不足しがちなミネラルを摂取するためには海藻も必要だし、カルシウムを摂取するには乳製品があったほうがいい。健康志向もいいけれど、野菜だけ、野菜ジュースだけ、にとらわれず、食生活は「バランス」が大切だということを忘れずに。
川端理香プロフィール
管理栄養士。元日本オリンピック委員会(JOC)強化スタッフ。スポーツ栄養Watsonia代表(http://kawabatarika.com/index.php)。Jリーグチームや選手、プロ野球、ゴルフ、柔道選手などのサポートをし、日本オリンピック委員会強化スタッフとして、全日本男子バレーボールチームなどを担当。トップアスリートからスポーツ愛好家まで、スポーツをする人の競技力アップのためのサポートに務めている。著書に『スポーツ選手の完全食事メニュー』『10代スポーツ選手の栄養と食事』『子供の身長を伸ばす栄養と食事』 など
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