まず「昆布」!コンビニおでんの良い食べ方 管理栄養士おすすめ!コンビニ飯の選び方

田中夕子

【Getty Images】

 暦の上では春とはいえ、まだまだ寒い日々が続きます。そんな時、コンビニエンスストアで、レジの横に並ぶおでんの湯気に心惹かれる、という人も少なくないでしょう。
 意外と知らないおでんの具材の栄養素、次に具材を選ぶ時の参考として、ちょっと勉強してみませんか?

 管理栄養士の川端理香さんに聞く「管理栄養士おすすめ!コンビニ飯の選び方」。シリーズ第2回は、「コンビニおでんの栄養素」をご紹介します。栄養摂取に、食べ過ぎたときに、おすすめの具材は?

高タンパク低脂肪 ヘルシー食の「おでん」

 おでんはご飯のおかずとしても、お酒のおつまみとしても役に立つ、高タンパク低脂肪の食べ物であり、基本的な味付けは、だしやしょうゆ、塩などのシンプルなものばかりなので、ヘルシーな一品でもあります。

 例えば、お腹が空いて仕事帰りのコンビニエンスストアで夕飯を調達しよう、という時にハンバーグ弁当を選ぶのも決して悪いことではないですが、ハンバーグにかかったソースだけでもかなりの高脂肪、高カロリーにつながる恐れがあります。対して、おでんはと言うと、先述の通りもともとの素材を生かした味付けなので、カロリー計算もしやすく、知らず知らずのうちにこんなにカロリーを取っていた、という事態を招きにくいのではないでしょうか。

 コンビニエンスストアのおでんは、具材の写真と一緒に、値段とカロリーが記載されているので、「とにかく痩せたい」という人は低カロリーのものを選べばいいかもしれません。でも、具材によって含まれる栄養素は異なります。それを知らず、ただカロリーだけで選ぶなんてもったいない!

7種類の具材別! おでんの栄養素

 地域によって、お店によって、おでんの具材は数えきれないほどにありますが、今回は代表的な7種類について、簡単なポイントをご紹介します。

1)「卵」……1日1個は食べたい優良食材

 筋肉や血液の成分となるタンパク質をつくるアミノ酸の中でも、食事からしか摂取することができない「必須アミノ酸」の組成が完璧な食材です。卵アレルギーでなければ1日1個は食べたい優良食材。
 ただし、唯一含まれていないのが、食物繊維とビタミンC。おでんの具材ならば食物繊維を含むコンニャクやしらたきと一緒に、ビタミンC摂取のために果物の100%ジュースや、100%のトマトジュースと組み合わせれば完璧です。

2)「ちくわ(練り製品)」……メーンは魚 コラーゲン等の摂取に

 やや塩分の高さが気になりますが、メーンの食材は魚。魚は日本人の食生活で不足しがちなものであり、特に1人暮らしの人ならば家で魚を焼いて食べる機会も少ないはず。そんな時に、おでんのちくわなど、練り製品を食べれば魚を摂取することができます。
 魚類には加齢や激しい運動で減少しがちなコラーゲンやグルコサミンが含まれています。関節痛やすり減った軟骨を再生させる働きがあると言われている栄養素を、魚を食べるだけでなく練り製品からも摂取することができるんです。
 塩分が気になるなら同時にカリウムを取ると余分なナトリウム(塩分)が体外に排出できます。カリウムは野菜全般と果物に含まれていますので、コンビニエンスストアで売られているバナナやみかんといった果物類と、トマトなど色の濃い野菜を意識的に取ると良いでしょう。

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著者プロフィール

神奈川県生まれ。神奈川新聞運動部でのアルバイトを経て、『月刊トレーニングジャーナル』編集部勤務。2004年にフリーとなり、バレーボール、水泳、フェンシング、レスリングなど五輪競技を取材。共著に『海と、がれきと、ボールと、絆』(講談社)。『SAORI』(日本文化出版)、『夢を泳ぐ』(徳間書店)、『絆があれば何度でもやり直せる』(カンゼン)など、女子アスリートの著書や、前橋育英高校野球部・荒井直樹監督の『当たり前の積み重ねが本物になる』では構成を担当

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