スポーツ庁新設と日本のスポーツ政策の今=東京五輪まで6年、日本の司令塔は!?
推進本部を年内に設置する動きは内閣解散を受け一時棚上げとなった 【写真:Natsuki Sakai/アフロ】
そんな中、政府は先月28日に「東京オリンピック・パラリンピック特別措置法案」を閣議決定。その附則に内閣法の一部改正を盛り込み、閣僚の数を現行の18人から19人に増員。下村博文文部科学大臣が兼任するオリンピック・パラリンピック担当大臣を専任化するとした。そして特措法の成立後には安倍晋三首相が本部長、オリンピック・パラリンピック担当大臣が副本部長を務める推進本部を年内に設置し、大会準備を加速させる考えであった。
結局、この動きは11月21日の内閣解散を受け一時棚上げとなったが、スポーツ庁新設に向けた調整は依然急ピッチで進められている。はたしてスポーツ庁はなぜ必要なのか、設置の目的は何か。全体像を踏まえながら紐解(ひもと)いてみたい。
スポーツ庁新設の背景と目的
スポーツ庁の体制は文部科学省内のスポーツ・青少年局を母体に各省庁の関連部門を集めた100人規模の組織になる見込み 【写真:アフロ】
それには旧態依然としたスポーツ界の仕組みにメスを入れることが不可欠。そこで複数の省庁にまたがるこれまでのスポーツ行政を一体化し、関係省庁やスポーツ関連団体と連携しながら人と財源を集約させ、トップスポーツと地域スポーツの両方を体系立てて推進していこうというのが、スポーツ庁設置の大きな目的である。スポーツ庁のベースには半世紀も前に作られたスポーツ振興法を大幅に改定した、11年公布のスポーツ基本法がある。
また、スポーツ庁の体制は文部科学省内のスポーツ・青少年局を母体に、各省庁の関連部門を集めた100人規模の組織になる見込み。長官にはスポーツ界から民間人が登用される予定だ。