「いきなりマラソン」の落とし穴!? 大会距離別目標ペースの算出方法

青山剛

【青山剛】

 さて、この連載を春からご覧いただいて走り始めた方も、もしかしたら、この冬あたりにフルマラソンまでチャレンジする方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 秋の連載シリーズではトレーニング方法について紹介していますが、その各トレーニング以上に、大会でハーフやフルを初めて走る上で知っておきたい「目標適正ペース」を今回は紹介していきたいと思います。

「いつかは」でなく「いきなりマラソン」の現状

【Getty Images】

 私のランニングセミナーに参加される方の中には、これからフルマラソンを走る方、また何度も走っていて自己記録更新を目指す方がよくいらっしゃいます。その方々へ私が「では、5キロの自己記録はどれくらいですか?」と質問すると、たいていの方は「測ったことがないから分かりません」と答えが返ってきます。陸上競技で長距離をされていた方なら、この回答がどれだけNGかが分かると思います。

 陸上競技の場合は、中学時代に1500〜3000mからスタートし、高校から大学と進むに従い、5000〜10000m、そして箱根駅伝のような20キロ前後と、段々とその距離が伸びて行く場合がほとんどです。そこで各距離の自己ベストを把握、追及していき、その中でも少数が最終的にマラソンにチャレンジする流れが「王道」です。
 すわなち、ランニングの王道、陸上競技では「いつかはマラソン」なのですが、今のランニングブームは「いきなりマラソン」となっていて、これでは伸び悩み、ケガもするのは当然と言え、多くの方が1年もたたないうちにランニングをやめてしまうのもうなずけます。

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著者プロフィール

元プロトライアスリート。大学時にプロ活動を開始し、1999年世界選手権日本代表に選出される。その後トライアスリート中西真知子選手のコーチとなり、指導者としての活動をスタート。同選手を2004年アテネ五輪出場に導く。現在は、ランニング、トライアスロン、クロストレーニングのコーチとして競技者から初心者、子供、タレントまで幅広く指導。著書に『ランニング・コアメソッド』『DVDパーフェクトストレッチ100』など多数。(社)日本トライアスロン連合強化チーム・指導者養成委員 元日本オリンピック委員会・強化コーチ

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