復活を期すトゥエンテ宮市が途中出場 “リオジーニョ”の再び輝く姿を期待して
デビュー戦は69分から途中出場
ゴー・アヘッド・イーグルス戦に途中出場した宮市。トゥエンテでのデビューを果たした 【VI-Images via Getty Images】
宮市のファーストタッチは71分だった。MFカモヘロ・モコチョが左サイドの宮市にパスを出すと、観客席から「おおー」という歓声がとどろいた。しかし、当の宮市はあっさりとワンタッチでDFにバックパスを出し、スタジアムは肩すかしを食らった格好に。しかし、この歓声はしっかり宮市にも「期待の表れというのを感じる」と届いていた。
出場直後は左サイドに張ってプレーし、トップ下のハキム・ジエクとの感覚を確かめるように足下でボールをもらったり、相手DFの裏へ飛び出してスルーパスを受けたりした。しばらくするとポジションを右サイドへ移し、センターFWルク・カスタイニョスやMFカイル・エベシリオとのタイミングを探りながらプレーした。試合終盤になると、2−1のリードを守りきるべく、対面の左サイドバックの攻め上がりをケアして、自陣深くまで戻って守備に奔走した。
「(チーム練習に加わったのは)おとといなので、実質、2日ぐらいしかやっていません。シーズンは長いので、これから連携を深めていきたいと思います。『外に常に張って1対1をやってくれ』と言われていたので、それを意識してやっていましたが、なかなか自分のところにボールが来なかったですし、ボールにも絡んでいけなかった。どんどん出場時間を増やしていって、自分の良さを出していければいいと思います」(宮市)
難しい時期だったイングランドでの日々
かつてフェイエノールトでプレーしていた宮市。“リオジーニョ”のニックネームで親しまれた 【写真:アフロ】
デビュー戦となったフィテッセ戦で、60メートルのドリブル突破を見せオランダサッカーファンの度肝を抜くと、デ・カイプ(ホームのフェイエノールト・スタディオンの愛称)でのデビューマッチとなったヘラクレス戦では左足のシュートを決めてマン・オブ・ザ・マッチに。この日から“リオジーニョ”のニックネームが定着した。10年10月にはPSVに0−10と大敗するなど、深刻な低迷期にあったフェイエノールトにポジティブな風を吹かせた宮市は、大きなインパクトをオランダに残してアーセナルへ戻っていた。
しかし、プレミアリーグでは期限付き移籍先のボルトン、ウィガン、それからアーセナルへ再び戻っても結果を残せなかった。加入記者会見で宮市は、イングランドでの日々をこう振り返っている。
「難しい時期でした。この2年間、けがをしていましたからね。でもその間に人間的には成長できました。フェイエノールトにいた4年前より強くなっています。今は自信もあります」
宮市「自分の良さをどんどん出していければ」
「あの時の選手がオランダのスタメンで出たりしていた。そのようなステップアップを見ていると、自分もそういう風に乗っかっていきたい。まずはここで結果を残していかないと次へいけないので、結果にこだわりたい。本当に結果にこだわる年だと思うので、そこは大事にしていきたいと思います」
トゥエンテではまだチームメートとの連携を探りながらプレーする宮市は、自身の試合勘を早く取り戻すのも必要だ。一方、オランダの人々が宮市に夢見るのは、“リオジーニョ”としてフェイエノールトの聖地デ・カイプで輝いた日々の姿だ。
「(チームの4−3−3は)本当に個の光るフォーメーション。そう言う意味では目立ちやすいフォーメーションですし、自分の良さをどんどん出していければ良いと思います」
オランダ人受けする、宮市のサイドアタック。その復活に期待したい。
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