ステップアップを目指すランナーに最適 南井正弘のイチオシ!

南井正弘

【南井正弘】

反発性を重視したスペックを結集したモデル

反発性を特に重視したズームエアをミッドソールの前足部に内蔵 【南井正弘】

 始めたときはあんなに辛かった走ることが、定期的なランニングを続けることで長時間のランニングが可能となり、「ペースもかなり速くなった!」という人は少なくないだろう。そんなランナーが次のステップへ進む際に重要なのが2足目のシューズ選び。

 過保護なシューズではペースを上げることはできないし、上級モデルではケガの心配がある。今シーズンリリースされた「ナイキ エア ズーム エリート 7」は、そんなステップアップを目指すランナーに最適なスペックを結集している。

 1979年の正式発表以来、着地時の衝撃を効果的に吸収し、そのエネルギーを反発性へと変換することでアスリートから絶大なる評価を得ているナイキエア。スポーツシューズ業界において最も有名なテクノロジーであるといっても過言ではない。そんなナイキエアには薄型で特に反発性に重きを置くズームエアというバリエーションも存在しており、今回紹介する「ナイキ エア ズーム エリート 7」にはこちらが内蔵されている。このシューズは特に反発性を重視したスペックを結集したモデルであり、前述のズームエアをはじめとして、速目のペースで走りたいランナーに最適な仕様となっている。

シューレースと連動したフライワイヤーテクノロジーはシューズと足の一体化を実現する 【南井正弘】

 定期的に走るようになって、ある程度脚力がつくと、以前の自分がウソのように長距離を走ることができるようになり、ランニングペースも著しく向上する。そんなときにランニングシューズを新調したくなるのだが、初心者のときに履いていた保護性能の高いモデルでは速目のペースで走りにくいし、上級者が履くような薄手のミッドソール(アウトソールとアッパーの間のソール)のプロダクトでは足の故障が心配になる。「ある程度速く走れて、足の保護性も忘れていない」そんなシューズは意外と少ないが、「ナイキ エア ズーム エリート 7」はこれらの条件をしっかりと抑えたランニングシューズである。

シューレースの位置は中心線よりも内側方向にオフセットされており、一般的なシューズよりも高いフィット感を提供することが可能となった 【南井正弘】

エネルギー効率がよく、衝撃吸収も確保

アウトソール(地面と接地する底)前足部は高いグリップ性を発揮するのと同時に、優れたクッション性も発揮する 【南井正弘】

 実際に履くと、28cmで272グラムというライトウエートとシューズと足の高いフィット感から、本当に軽く感じられる。ミッドソール前足部にズームエアを搭載することで、着地時の衝撃吸収と蹴り出し時の反発力の提供に成功しており、「タン!タン!タン!」とリズムよく走ることができ、勝手にペースが上がるような気がする。

 普段ならkm/5分25秒ほどのペースで走る際の脚部の筋肉への力の入れ具合でも、自分が思っていた以上にペースアップして、km/4分45秒から5分00秒で走っていた。それほどエネルギー効率がいいのである。

 かといってある程度の衝撃吸収も確保しているので、エリートランナーの毎日のトレーニングに最適なだけでなく、初級者ランナーが次のステップへと移行する際にもピッタリな1足であるということができるだろう。またトレーニング時だけでなく、10kmレース、ハーフマラソン、フルマラソンといったあらゆるレースでも活躍しそうだ。
 ちなみに、いいことずくめに思える「ナイキ エア ズーム エリート 7」であるが、このシューズにも弱点はある。1つは、シューズの足幅が若干細いので、足が幅広のランナーには向いていないこと。それとズームエアは前足部のみに搭載されていることが示すように、あくまで土踏まずよりも前で着地するタイプのランナーに向くシューズであり、かかとから着地するランナーにはあまりオススメできないことが挙げられる。

 しかしながら、それらのマイナスポイントを差し引いても、このシューズのパフォーマンス性能の高さは揺るぎない。個人的にも「今シーズンはこのシューズを履いていくつかのレースに参戦してみたい!」と心から思えた1足である。

ナイキ エア ズーム エリート 7

11,000円(税抜)。男性用は3色展開、女性用は2色展開
お問い合わせ:ナイキ カスタマーサービス 0120-6453-77
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

フリージャーナリスト。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツブランドのプロダクト担当として10年勤務後、ライターに転身。スポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズを得意分野とし、『フイナム』『日経トレンディネット』『グッズプレス』『モノマガジン』をはじめとしたウェブ媒体、雑誌で執筆活動を行う。ほぼ毎日のランニングを欠かさず、ランニングギアに特化したムック『Runners Pulse』の編集長も務める

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント