チップスだって食べてOK? 米国生まれのヘルシーで美味しいスナック

猿渡由紀

【Getty Images】

 ヘルスコンシャス派は、ジャンクフードとは無縁。ちょっと何かつまみたい時も、ポテトチップスに走るなんて、ありえないこと。とは言っても、毎回野菜スティックではあまりにつまらない。そんな悩みに応えるヘルシーかつ美味しいスナックが、米国では続々と登場している。揚げずに焼いたトルティーヤチップスなどは以前から存在するが、カリフォルニア生まれのユニークなものを、ここでいくつか紹介してみよう。

ポテトではなく、ビーツやケール、ズッキーニのチップス

(左から)Alive & Radiant社のケール・クランチ、The Better Chipのビーツチップス、Just Pure Foodsのズッキーニチップス 【猿渡由紀】

 ポテトは炭水化物。しかもポテトチップスは揚げてある。一方で、ビーツやケールはビタミンの宝庫。そんな野菜を、揚げずにチップスにするのであれば、体に悪いはずはない。そこに注目したのが、これらの商品だ。

 オークランドのAlive & Radiant社のケール・クランチは、オーガニックのケールを揚げずに乾かし、フレーバーをつけたもの。フレーバーは何種類もあるが、写真の“スパイシー・スーパーフード”は、カシューナッツ、スピルリナ、カイエンペッパー、ターメリックなどで味付けしてある。適度な歯ごたえもあって美味しいが、いわゆるチップスの形ではなく、ピースが小さいので、食べ応えは少ない。

 L.A.郊外のコマースにあるJust Pure Foodsもケールチップスを作るが、ここはほかにズッキーニやトマト、オニオンのチップスも展開する。ペストソース味のズッキーニ、チョコレート味のケールなど、フレーバーは豊か。素材はすべてオーガニックで、グルテン抜き、ビーガン(完全菜食主義者)仕様だ。

 L.A.の会社The Better Chipは、もっとチップスらしいチップスを作る。基本的にコーンチップスにビーツやほうれん草を混ぜて作ったもので、ビーツそのものをチップスにしたわけではないが、その分、スナックとしての満足度はある。しかし、グルテン抜きで遺伝子操作をしていない原材料を使い、塩もシーソルトを選ぶなど、ヘルスコンシャスを納得させる要素も十分だ。

ヘルシースナックの代表バナナをもう一歩進化

サンタモニカ生まれのBarnana 【猿渡由紀】

 バナナは、運動する人の間で最も昔から愛されてきたヘルシーなスナック。だが、何かにぶつけるとすぐ傷んでしまうし、持ち運びは簡単ではない。そこに着目したのが、サンタモニカ生まれのBarnana。オーガニックのバナナを40℃で乾燥させることで、生のバナナがもつ酵素や栄養素、食物繊維をキープしたもの。一口サイズに切ってあり、食べやすい上、噛みごたえがある。

 フレーバーは、オリジナル、チョコレート、ココナッツ、ピーナッツバターの4種類。バナナのスナックといえばもちろんバナナチップスがあるが、バナナチップスは揚げているのでカロリーが高い。栄養素やお腹の満足度といった面でも、こちらが断然に上回る。

ギリシャヨーグルトの次はアイスランドヨーグルト

北カリフォルニア生まれのSmariのヨーグルト。フレーバーは、ピュア(プレーン、)バニラ、ストロベリー、ブルーベリーの4種類 【猿渡由紀】

 数年前にブームになったギリシャヨーグルトは、今やすっかり大人気アイテムとして定着。次に出てきたのが、アイスランドのヨーグルトだ。北カリフォルニア生まれのSmariは、ウィスコンシンの優良な牛から絞ったオーガニックの牛乳でアイスランド伝統のヨーグルトを作る。

ノンファットで、カロリーは1個(6オンス=170g)あたり100〜140カロリー。タンパク質は普通のヨーグルトより15〜20%、カルシウムは15〜18%多いという。ギリシャヨーグルトも濃くてコクがあるが、Smariはそれ以上。かなり凝縮された感じで、最初はやや驚くが、すぐに病みつきになる。フレーバーは、ピュア(プレーン、)バニラ、ストロベリー、ブルーベリーの4種類。
 ヘルシーかつ美味しいスナックの選択肢が増えてきたのはうれしいことだが、これらは決して安くはない。オーガニックの素材など、あらゆるところにこだわっているため、コストが高くなっても当然といえる。

 たとえばケール・クランチは2.2オンス(62g)で$5.99(約610円)。それより小さい1.5オンス(42.5g)のJust Pure Foodsのズッキーニ・チップスは$6.99(約712円)。Smariのヨーグルトも1個$2.49(約254円)で、普通のヨーグルトの倍以上だ。しかし、体内に入れる食べ物は、健康やフィットネスに影響を与える重要な要素。健康で楽しい毎日を送り続けるための投資と思えば、惜しくない。

※1ドル=101.9円で計算(6月25日現在)
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著者プロフィール

月刊女性誌編集者を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスターのインタビューや映画の撮影現場レポートなどを、日本の雑誌、新聞、オンライン媒体に寄稿する。フィットネスへの関心も高く、渡米直後から毎日ジム通いを開始。ここ10年ほどはアシュタンガヨガに専念しているが、ワークアウトのトレンドはもとより、健康、運動一般に関する新しい情報には、常にアンテナを張っている

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