ソウル・サイクルが西海岸でも人気急上昇 アン・ハサウェイらセレブも夢中

猿渡由紀

【写真提供:SOULCYCLE】

自転車をこぐ間に、腕はウエートリフティング

【猿渡由紀】

 ニューヨーク生まれのワークアウト「ソウル・サイクル」の人気が、西海岸でも急上昇している。最近、L.A.でアン・ハサウェイがクラスを受けている姿が目撃されたが、クロエ・グレース・モレッツも大ファンで、筆者が彼女をインタビューした時にも「週4回行くほどはまっている」と語っていた。

 ケイティ・ホームズは早くからの常連で、ニューヨークのスタジオに通う姿が何度か目撃されている。L.A.には、ウエストハリウッド、ビバリーヒルズ、マリブ、ブレントウッド、サンタモニカなど、セレブや業界人の多いエリアにスタジオがあり、最近は、北カリフォルニアのパロ・アルトや、サンフランシスコにもオープンして、シリコン・バレーのエクゼクティブたちに好評のようだ。

【Getty Images】

 ソウル・サイクルは、自転車のグループエクササイズであるスピニングを、さらに進化させたもの。スピニングは、膨大なカロリーを消費する激しいワークアウトだが、下半身しか使わず、上半身はおざなりになるところが問題だった。

 そこに着目したのが、ソウル・サイクルだ。生徒はクラスが始まる前に、好みの重さのウエートを2つ選び、自転車の脇に置いておく。クラスの途中で、インストラクターが「はい、これからウエートを使います」と言うと、指示に従ってウエートを持つ。脚が激しいスピードで自転車をこぐ間に、腕はウエートリフティングをするのだ。

ジムというより、ナイトクラブの雰囲気

【写真提供:SOULCYCLE】

 クラスは45分。筆者は、ある日曜日の朝に、太陽がさんさんと輝くウエストハリウッドでクラスを受けた。受付こそ明るいものの、いざ部屋に入ると、中はとても狭く、窓もなく真っ暗なことに、一瞬、驚かされる。クラスが始まると音楽がガンガンかかり、それに合わせてライティングも変わるので、ジムというよりも、ナイトクラブの雰囲気だ。

【写真提供:SOULCYCLE】

 自転車は隙間なくぎっしりと詰まっており、空いている自転車はひとつもない状態。事前に自転車の位置までネットで予約していくシステムで、時間帯やインストラクターによっては早々といっぱいになり、ウェイティングリストに名前をのせてもらうことになる。そこまで流行っていると知らずにやってきた人は、おそらくがっかりして帰ることになるだろう。

【猿渡由紀】

 靴は、自転車にクリップできるタイプのものを履く。自分のを持っていなければ、3ドル(約307円)でレンタルできる。ビギナーの手助けをするために、クラスが始まる前には、スタッフが部屋にいて、靴をペダルに装置する方法を教えてくれたり、自転車の高さを調整したり、ウエートの重さの相談に乗ってくれたりするので、安心だ。

 音楽のミックスも、注目すべき点。まるでDJがいるように、予測しない音楽が次々にかかるため、クラスの後には「さっきかかっていた曲は何ですか?」と生徒がインストラクターに質問する姿も見受けられた。

 値段は、決して安くない。初回クラスは20ドル(約2050円)だが、次からは1回30ドル(約3100円)。パッケージを買うと割安になるものの、月極めのメンバーシップはない。クロエ・モレッツのように週4回行くとなると、週に120ドル(約1万2300円)、1カ月で480ドル(約4万9000円)になってしまうから、競争で価格が下がっているスポーツジムに比べると、相当に高いことになる。普段はジムに通いつつ、週1回だけここに来て気分転換するというのが良いのだろうが、どうやら多くの人ははまってしまって、翌日もここに足を運んでしまうというのが実情のようだ。
※編集部注:「ソウル・サイクル」は日本では、「フィールサイクル」という名前でも呼ばれている。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

月刊女性誌編集者を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスターのインタビューや映画の撮影現場レポートなどを、日本の雑誌、新聞、オンライン媒体に寄稿する。フィットネスへの関心も高く、渡米直後から毎日ジム通いを開始。ここ10年ほどはアシュタンガヨガに専念しているが、ワークアウトのトレンドはもとより、健康、運動一般に関する新しい情報には、常にアンテナを張っている

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント