スポーツ観戦のもうひとつの楽しみ方!? 「松原渓のスポーツ百景」

松原渓

【Getty Images】

スポーツの上達には観戦も重要

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 5月は見応えのあるスポーツイベントが目白押しだ。東京で行われた世界卓球、日本が2連覇を果たしたアジアフットサル選手権、錦織圭選手が王者ナダルと決勝を戦ったテニスのマドリード・オープンなど。12日には、6月から行われるサッカーワールドカップ(W杯)・ブラジル大会の日本代表メンバー23名の発表が行われ、14日からはなでしこジャパンの女子アジアカップがスタートした。

 生中継と録画、スポーツニュースのダイジェストも見たい……というわけで、普段はほとんどテレビを見ない私だが、最近はすっかりテレビっ子だ。

 私は小さいころはスポーツ観戦に行く機会が少なかったこともあってか、自分で体を動かすのは大好きなのに、「見る」ことは20歳を過ぎるまで興味が持てずにいた。それが、今の仕事を始めてからサッカーを見るようになり、スポーツ観戦の楽しさを知るようになった。

 どんなスポーツも上達するためには、たくさん練習するだけでなく、「見(観)る」ことも欠かせない。スポーツ観戦というと、応援歌を歌ってひいきのチームを後押ししたり、ビールを飲みながらまったりと観戦したり。いろんな楽しみ方があるが、「自分のプレーに生かせそうなヒントを探しながら見る」のも、また違った楽しみ方ではないだろうか。
 最近見たスポーツの中では、4月28日から5月5日の8日間、東京・国立代々木競技場で行われた「世界卓球」から、ヒントを得た。

男女そろってのメダルに感動!

 女子は31年ぶりの銀メダルを獲得し、男子は4大会連続の銅メダル。男女そろってのメダルに感動をもらった。以前、横浜アリーナで行われた世界卓球2009を会場に見に行ったことがある。1万人以上のお客さんが息をのんで見守る中、直径40ミリの球の音だけが響く会場の臨場感は素晴らしかった。

 ただ、卓球台からかなり離れた席だったため、台の上では何が起きているか分からず、ボールの動きを追うのに精いっぱいだった。それも無理はない。2.74メートルの長さの卓球台の上で、直径40ミリ、2.7グラム(球技で一番軽い)の球が時速110〜120キロのスピードで行き交うのだから。

 ハイレベルな試合を見てあらためて感じたのは、「卓球は台の上で起きていることを言葉で表すのが難しい」スポーツだということ。「卓球はチェスをしながら100m走をするようなもの」という言葉を残したのは、1950〜60年代にかけて12度の世界王者に輝いた荻村伊智朗さん。頭脳と瞬発力、肉体を同時に使うスポーツであるということを分かりやすくイメージさせてくれるたとえだ。

 今回はテレビで見ていたが、分かりやすい実況&解説つきで、スロー・リプレーや選手の表情のアップが見られるのが良かった。女子決勝戦の日本と中国の試合は、まばたきも我慢してしまうぐらい面白いゲームだった。

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著者プロフィール

サッカー番組のアシスタントMCを経て、現在はBSフジにて『INAC TV』オフィシャルキャスターを務める。2008年より、スポーツライターとしての活動もスタート。日テレ・ベレーザの下部組織であるメニーナのセレクションを受けたことがある。『キャプテン翼』の原作者である高橋陽一先生が監督を務める女子芸能人フットサルチーム「南葛シューターズ」にて現在もプレー。父親の影響で、幼少時から登山、クロスカントリー、サイクリングなど、アウトドア体験が豊富。「Yahoo!ニュース個人」(http://bylines.news.yahoo.co.jp/matsubarakei/)でも連載中

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