独自のクッション技術で快適ランを追求 南井正弘のイチオシ!

南井正弘

【南井正弘】

高い走行性能を追求

ミッドソール(写真の赤い部分)の内部で空気が移動することにより、比類なき衝撃吸収性と反発性能の確保に成功。またフワフワしすぎることがなく安定性も高い 【南井正弘】

 かつてはテニス、バスケットボール、サッカーのようなカテゴリーにおいても、機能性の高いプロダクトをリリースしていたリーボック。アディダスグループの企業となった現在、過去の名作を現代に蘇らせるクラシックライン以外では、ランニングとフィットネスカテゴリーに集中してプロダクトの開発を行っている。

 そのいずれもが優れたパフォーマンス性能と独創的でインパクトのあるデザインを高次元で融合しているのが特徴で、今回紹介する「JETフューズラン」もそんなリーボックの企画開発ポリシーを踏襲したプロダクトである。

 一般的なランニングシューズとは一線を画す、インパクトのあるデザインが大きな特徴となっているリーボックの「JETフューズラン」。着地から蹴り出しまでの間に空気が移動することによって比類なき衝撃吸収性と反発性能を確保したムービングエアテクノロジーと、合成樹脂を編目状に配することで高いフィット感を得ることに成功したナノウェブのアッパー(甲の部分全体の総称)をミッドソール(アウトソールとアッパーとの間のソール)部分に組み合わせることで、高い走行性能を追求したランニングシューズである。

アッパー部分は足沿いがよくフィット感の高いナノウェブを使用しており、快適な履き心地を提供してくれる 【南井正弘】

 リーボックの最近のスポーツシューズは2010年発表のジグテックを筆頭に、リアルフレックスやATV19など視覚的にもユーザーを楽しませるプロダクトが多かったが、今回リリースされた「JETフューズラン」もかなり面白みのあるデザインを採用している。

ランニングシーンとストリートの両方で着用可能

アウトソールは細かく分割されているので、着地から蹴り出しまでの間で高い屈曲性を発揮する 【南井正弘】

 実際に履いて走ってみて真っ先に感じたのは、見た目よりも軽いことと、想像していたよりも安定感があること。ミッドソール内部の空気移動で衝撃吸収性と反発性能を確保するというアイデアは、かつてリーボックが大々的に打ち出していたDMXに似ている。だが、ムービングエアテクノロジーは柔らかすぎることがなく、明らかにそれよりも高い安定性をキープしている。

 また、空気の入ったユニット、アウトソール(地面と接地する部分の底)の両方とも細かく分割されているので、1997年にリリースされて良好なセールスを記録したDMXランあたりと比較すると、高い屈曲性を感じることができる。この高レベルの屈曲性のおかげで、着地から蹴り出しまでの足の動きを阻害することがない。
 おもにkmあたり6分(時速10km)程度のスピードで走ったが、このシューズの適正スピードはマックスでも5分40秒ほどだと思われた。最高でkm/5分10秒程度までペースを上げたが、さすがにこのスピードだとシューズが足に付いてこないような気がしたからだ。これは「JETフューズラン」がそこまで速いペースで走るランナーをターゲットにしていないから仕方のないことだろう。

 このように、リーボックの「JETフューズラン」は「足の保護性を重視するファンランナー」や「体重が重めで高いクッション性のシューズを求めるアスリート」に最適なランニングシューズといえる。その個性的なデザインは足元のアクセントとなるため、カジュアルシーンで履くのもよいだろう。

 税込だと1万4000円を超えるプライスは現在のランニングシューズの相場では高めの部類に入るが、アディダスのスプリングブレードと同じように、リーボックの「JETフューズラン」はランニングシーンとストリートの両方で着用ができるので、そういった意味ではコストパフォーマンスの高いシューズといっていいかもしれない。

リーボック JETフューズラン

13,000円(税抜)
お問い合わせ:アディダスお客様窓口 0120-810-654
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著者プロフィール

フリージャーナリスト。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツブランドのプロダクト担当として10年勤務後、ライターに転身。スポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズを得意分野とし、『フイナム』『日経トレンディネット』『グッズプレス』『モノマガジン』をはじめとしたウェブ媒体、雑誌で執筆活動を行う。ほぼ毎日のランニングを欠かさず、ランニングギアに特化したムック『Runners Pulse』の編集長も務める

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