自然な着地と力強い反発性が進化 南井正弘のイチオシ!

南井正弘

【南井正弘】

新たなパーツの採用で機能性をアップ!

他ブランドのテクノロジーがミッドソール部分に内蔵されることが一般的なのに対して、クラウドテックはアウトソール自体がテクノロジーとなっている点が珍しい 【南井正弘】

 1994年のアイアンマン・ハワイ(世界最高峰のトライアスロン大会のひとつ)で5位に入賞するなど、世界的なトップトライアスリートだったオリヴィエ・ベルンハルド。ケガに悩まされてきた自身の競技生活から、「足に障害の起きにくいランニングシューズを開発する!」という強い意思のもとに2010年に誕生させたのが、スイスのランニングシューズブランド「On(オン)」だ。

 主力品番の「クラウドサーファー」は、これまでも自然な着地と力強い反発性を組み合わせ、短期間で多くのランナーを魅了したが、今回のモデルチェンジでさらなる機能性の向上に成功している。

 Onの「クラウドサーファー」は、kmあたり4分から5分という速めのペースに対応するトレーニングや中級ランナーのレースに向くランニングシューズ。アウトソール(地面と接地する部分の底)に配されたOn独自のクッショニングシステムであるクラウドテックを採用することで、比類なき衝撃吸収性と反発性能を提供してくれる。

Onのランニングシューズを象徴するクラウドテック。ランナーに自然な着地と力強い反発性を提供してくれる。創設者のオリヴィエ・ベルンハルドはプロトタイプサンプルを造った際にはホースを輪切りにしたものを活用したという 【南井正弘】

アッパー(甲の部分全体の総称)は目の詰まったタイプのナイロンメッシュを使用。サポート性を高めるために随所にステッチワークを施した 【南井正弘】

 自然な感覚の着地と足裏を持ち上げるような力強い推進力は、他ブランドのランニングシューズでは体感できない。これらのOn独自の走行感によって、着用したランナーを魅了することに成功してきた。そんな「クラウドサーファー」が今春モデルチェンジ。ミッドソール(アウトソールとアッパーとの間のソール)にスピードボードという合成樹脂製のプレートを内蔵することで、従来の「クラウドサーファー」よりも安定性、反発性を向上させているという。

翌日の疲労感が少ないのも特徴

【Getty Images】

 実際に走ってみると、Onならではのソフトな接地感覚とパワフルな推進力はキープしつつ、新たにスピードボードを採用したことで、着地から蹴り出しまでのシューズの安定性と反発性が向上しているのを感じることができる。

 筆者は「クラウドサーファー」の前モデルも着用しており、最近も履いて走ったばかりだったので、今回のシューズとの比較もしやすかったが、スピードに乗る感じはニューモデルのほうが明らかに上だった。この日はkmあたり4分50秒ほどのペースで6kmを走ったが、これぐらい速目のペースでも無理なく走ることができた。

 そして、3度ほど着用して感じたのはこのシューズが足に優しいということ。最近、踵部分を痛めていたが、このシューズを履いて走ったときは踵の痛みをほとんど感じることなく、快適に走ることができた。

 また、自然と足が前方へと出る感覚があり、翌日の疲労感が少ないのも印象的である。スイム、バイクでヘロヘロになったトライアスリートのランをサポートしてくれるので、トライアスリートに着用者が多いのもうなずける。「クラウドサーファー」は足を保護しつつ、速めのペースでトレーニングしたいランナーに最適な1足ということができるだろう。

お問い合わせ:DKSHジャパン 03-5441-4515
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著者プロフィール

フリージャーナリスト。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツブランドのプロダクト担当として10年勤務後、ライターに転身。スポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズを得意分野とし、『フイナム』『日経トレンディネット』『グッズプレス』『モノマガジン』をはじめとしたウェブ媒体、雑誌で執筆活動を行う。ほぼ毎日のランニングを欠かさず、ランニングギアに特化したムック『Runners Pulse』の編集長も務める

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