反発力とアグレッシブなデザインを融合 南井正弘のイチオシ!

南井正弘

【Getty Images】

「反発力がハンパない」のコピーに偽りなし!

ミッドソール部分はインパクトのあるデザインの16枚の高弾性ブレードから構成される 【南井正弘】

 アディダスが2月20日より日本市場でリリースした「スプリングブレード」は、体操競技のロイター板から発想したという、16枚の高弾性ブレードから構成された斬新なデザインが特徴だ。これにより、従来のスポーツシューズでは得られなかった反発性が生まれ、着地時の衝撃を吸収するとともに、前方への推進力へと変換してくれるランニングシューズとなっている。

 この最新テクノロジーを採用した結果、従来構造のシューズと比較して19.4%の推進力の向上に成功しているという。そんなアディダスの「スプリングブレード」は昨年夏に米国や中南米諸国で先行販売され、良好なセールスを記録。特にランニング参加人口が急増しているブラジルでは、リリースから1週間で8000足を完売した。

 高い反発性能を追求したスポーツシューズといえば、2001年にナイキがリリースしたSHOX(ショックス)、2010年にリーボックが発表したZIGTECH(ジグテック)が印象深い。

 しかしながら「スプリングブレード」がこの2つよりも進化しているのは、ミッドソール(アウトソールとアッパーとの間のソール)部分にEVAやポリウレタンといった発泡素材ではなく、高耐久性ポリマーが使用され、その高い衝撃吸収性と反発性能を長くキープしている点。

 また、前述の2テクノロジーも視覚的なインパクトがあったが、「アディダス スプリングブレード」もそれらを凌駕(りょうが)するアグレッシブなデザインとなっており、ランニング時だけでなく、カジュアルシーンで着用しても足元のアクセントになってくれるのも嬉しいところだ。

アッパー(甲の部分全体の総称)は伸縮性の高いtechfit(テックフィット)を採用。靴下のように足にピッタリとフィットし、高い通気性もキープしている 【南井正弘】

インパクトのあるデザインは足元のアクセントに最適

【Getty Images】

 実際に着用して走ってみると、まず感じるのはその高い反発性。EVAやポリウレタンといった合成樹脂を発泡させたフォーム素材を使用する従来のスポーツシューズと違って、着地時の衝撃を吸収して、そのエネルギーを反発力に変換するのがクイックかつダイレクト。すなわちレスポンス(反応)が速いのである。

 一般的なシューズを履きなれたランナーは最初、硬さのようなものを感じるかもしれないが、それも短時間で解消され、しばらくすればその高い推進力に魅了されるだろう。km/6分ほどのゆっくりペースで走り始め、最後はkm/5分ほどまでペースを上げたが、いずれのペースでも快適な走行感を提供してくれた。

 当たり前の話だが、着地時の衝撃が大きければ大きいほど、その力をリターンするエネルギーも大きくなるので、速めのペースで走ったときのほうが高い推進力を感じることができた。さらにいえば、どちらかいうと体重が重いランナーのほうが「スプリングブレード」の機能性の高さをフルに体感できるかもしれない。
 アディダスの「スプリングブレード」はレースを目指して定期的に走るシリアスランナーというよりも、体調維持のために週に1、2度走って、普段履きにもランニングシューズを活用したいというユーザーに最適だと思われる。そのインパクトのあるデザインは足元のアクセントに最適であり、その汎用性を考えれば2万円近いプライスタグも決して高いとはいえないだろう。

スプリングブレード

18,500円(税抜)。男性用は4色展開、女性用は2色展開
お問い合わせ:アディダスお客様窓口 0120-810-654
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著者プロフィール

フリージャーナリスト。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツブランドのプロダクト担当として10年勤務後、ライターに転身。スポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズを得意分野とし、『フイナム』『日経トレンディネット』『グッズプレス』『モノマガジン』をはじめとしたウェブ媒体、雑誌で執筆活動を行う。ほぼ毎日のランニングを欠かさず、ランニングギアに特化したムック『Runners Pulse』の編集長も務める

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