日本人ランナーの足型を徹底研究 南井正弘のイチオシ!

南井正弘

【南井正弘】

シューズと足の高いフィット感を実現

アッパーに太陽光線の遮熱、紫外線の遮蔽、吸汗速乾に優れた高機能メッシュ素材の「エバーシェイド」を使用している 【南井正弘】

 フルマラソンで2時間30分を切るようなランナーが履くのは、これまで底の極端に薄いランニングシューズが一般的とされていた。これは脚力が充分にあるランナーのパワーをダイレクトに路面に伝えることが、速く走るための近道だからである。しかしながら、このようなシューズは脚部に負荷がかかるので、トップアスリートでも足を痛めることが珍しくなかった。今回、プーマがリリースした「FAAS 300 RS-J」は、トップランナーが求めるレベルのスピーディなランを実現しつつ、高い足の保護性能も確保している。

 プーマの「FAAS」はシンプルな構造が快適な走行感を生むランニングコレクション。これまで発表されたモデルもランナーから高い評価を得ていたが、今回リリースされた「プーマ FAAS 300 RS-J」が特に注目を集める理由が、日本人ランナーの足型を徹底研究して開発されたラスト(木型)を使用している点。このことにより、シューズと足の高いフィット感を実現することに成功している。

 また細部のスペックを見ていくと、アッパー(甲の部分全体の総称)に太陽光線の遮熱、紫外線の遮蔽(しゃへい)、吸汗速乾に優れた高機能メッシュ素材の「エバーシェイド」を使用。放熱性に優れ、着用時の清涼感を向上させる「エバークール」を履き口のライニング(裏地)に採用し、アウトソール(地面と接地する部分の底)の前部はグリップ性と耐久性の高い「エバーライトプラス」、かかと部分には耐摩耗性に優れた「エバートラック」を使用し、これらのスペックをミックス。さらに充分な厚みのあるミッドソール(アウトソールとアッパーとの間のソール)を採用しているので、トップランナーだけでなく、さまざまなレベルの日本人ランナーがケガの心配なく高速走行に臨むことができるだろう。

アウトソールの前部にはグリップ性と耐久性の高い「エバーライトプラス」を配している 【南井正弘】

アウトソールのかかと部分には耐摩耗性に優れた「エバートラック」を使用 【南井正弘】

中級者にはスピードを、上級者には高い保護性を提供

【Getty Images】

 実際にこのシューズで走ってみると、まず感じるのが厚みのあるミッドソールがしっかりと衝撃を吸収している点。この「プーマ FAAS 300 RS-J」を履いて、松本昴大選手(PUMA R.C.)は2013年のつくばマラソンを2時間22分40秒で優勝している。前述のように、このレベルのタイムで走るランナーのほとんどは、これほどミッドソールの厚いランニングシューズ、すなわち足を保護するシューズを履くことは珍しいのである。

 一方で走り始めてしばらくすると、スムーズにスピードに乗ることが可能で、しゃかりきにならなくてもkm/4分50秒のペースで走ることができた。このことが示すのは、このシューズが中級者にはいままで体感できなかったスピードを、上級者には高い足の保護性を提供してくれるだろうということだ。従来のシューズでは自己記録更新のできなかった中級ランナー、練習中やレース時に足を痛めることが多い上級ランナーに向くシューズだと思われる。

 ちなみに「FAAS 300 RS-J」は、プーマのカタログによるとヒールストライカー(かかとから着地するランナー)向けシューズと明記されているが、足裏全体でフラットに着地するランナーにも充分対応してくれるはずだ。筆者は最近、フラットな着地の傾向があり、その着地法でも「FAAS 300 RS-J」の快適な走行感を体感することができたからである。

プーマ FAAS 300 RS-J

12,000円(税抜)。男性用・女性用ともに、カラーは3色展開。
お問い合わせ:プーマ お客様サービス 0120-125-150
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著者プロフィール

フリージャーナリスト。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツブランドのプロダクト担当として10年勤務後、ライターに転身。スポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズを得意分野とし、『フイナム』『日経トレンディネット』『グッズプレス』『モノマガジン』をはじめとしたウェブ媒体、雑誌で執筆活動を行う。ほぼ毎日のランニングを欠かさず、ランニングギアに特化したムック『Runners Pulse』の編集長も務める

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