人気モデルがフルチェンジでパワーアップ 南井正弘のイチオシ!

南井正弘

【南井正弘】

人気モデルの後継「ナイキ フライニット ルナ2」

【Getty Images】

 昨年2月にリリースされた「ナイキ フライニット ルナ1+」は、「ナイキ フライニット」という特殊な製法で編み上げられたほとんど縫い目のないアッパー(甲の部分全体の総称)と、軽量かつクッション性に優れたルナロンミッドソールの組み合わせにより、ソックスを履いているような快適な履き心地と優れた走行性能を手に入れることで数多くのランナーを魅了し、世界各国で良好なセールスを記録した。

 そして今年の2月6日には、そんな「ナイキ フライニット ルナ1+」の後継モデルとなる「ナイキ フライニット ルナ2」が日本市場で発売された。このモデルは前作で高い評価を得た通気性、軽量性、クッション性といった機能性を向上させるためにフルモデルチェンジ。最近のスポーツシューズ業界において、ソールユニットは1年サイクルでは開発コストと設備投資が高額となるため、モデルチェンジすることは珍しくなっているが、このモデルではパフォーマンス性能をアップさせるために、全く新しいミッドソール(アウトソールとアッパーとの間のソール)/アウトソール(地面と接地する部分の底)を採用している。

 特に目を引くのは、アウトソール前足部の等高線のようなソールパターン。これは着地時の足圧分布をデザインに活用することで、着地から蹴り出しまでのスムーズな動きを促進することが狙いだという。またミッドソールのダイヤモンド状の切り込みはクッション性の向上と屈曲性に貢献するという。

あらゆるレベルのランナーにフィット

ニューデザインのダイナミックフライワイヤーは従来モデルよりもサイドサポートをアップ。ミッドソールのダイヤ型の刻みはクッション性の向上を追及している 【南井正弘】

 筆者は前モデルを気に入って、ヘビーローテーションで履いていた。実際にこのシューズを履いて走ってみると、「ナイキ フライニット ルナ2」は、それと比較して新デザインのダイナミック フライワイヤーの採用により、サイドのフィット感が確実によくなっていることが感じられた。

 また前モデルにはなかったアイレット(ハトメ)を踵(かかと)側に配しており、足首の細いランナーや踵の小さいランナーも踵が浮くようなことが少なくなるだろう。その結果、ランナーの脚力を今まで以上に効率よく路面に伝えてくれるはずだ。

 一方で、ニューデザインのアウトソールは、前部に去年のモデルと比較して耐久性のある素材を使用しているために、最初は「コツッ」という音が聞こえ、「フライニット ルナ1+」のソフトなランディングと対照的であるのを感じた。だが、次第にそれも慣れて気にならなくなり、足圧測定デザインによる着地から蹴り出しのスムーズさの方が印象付けられるようになった。

 Km/6分からKm/3分30秒までの幅広いスピードレンジで使用したが、どのペースにも対応するなど汎用性が高い。「ナイキ フライニット ルナ2」は、ビギナーランナーから上級ランナーまであらゆるレベルのランナーにフィットするはずで、前作同様、セールスランキングの上位に進出することになりそうだ。

ナイキ フライニット ルナ2

15,750円(税込)。男性用・女性用ともに、カラーは5色展開。
お問い合わせ:ナイキ コンシューマーサービス 0120-6453-77
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著者プロフィール

フリージャーナリスト。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツブランドのプロダクト担当として10年勤務後、ライターに転身。スポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズを得意分野とし、『フイナム』『日経トレンディネット』『グッズプレス』『モノマガジン』をはじめとしたウェブ媒体、雑誌で執筆活動を行う。ほぼ毎日のランニングを欠かさず、ランニングギアに特化したムック『Runners Pulse』の編集長も務める

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