小関桃、具志堅氏と並ぶV13は「誇り」=女子プロボクシング「G Legend」

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具志堅氏に並ぶ13度目の世界王座防衛に成功したWBC世界女子アトム級王者の小関桃 【t.SAKUMA】

 3月3日、雛祭りの日に後楽園ホールが女子の熱き戦いに燃えた――女子プロボクシング興行「G Legend6」が3日、東京・後楽園ホールで行われ、WBC女子世界アトム級王者・小関桃がアンゴー・ワンソンチャイジムとのタイトルマッチに9回1分43秒でTKO勝ちし、元WBA世界ライト・フライ級王者・具志堅用高氏が作った13度防衛の日本人世界王者の最多記録に並んだ。

スピードのある連打で一方的な展開に

一方的な試合運びで9回レフェリーストップTKO勝利 【t.SAKUMA】

 13度目の防衛戦に臨んだ小関は、ボクシング戦績5戦(5勝3KO)ながらムエタイでは多くの試合経験を持つ弱冠17歳のアンゴーと対戦した。サウスポーの小関は初回からスピードのあるワンツーとボディのコンビネーションでアンゴーを攻めこみ、主導権を握る。さらに、遠い距離から左ボディ、左ストレートを伸ばし、距離を詰めてショートレンジのパンチを出していく。左ストレートで何度もアンゴーの顔をのけぞらせた小関だが、アンゴーもクリンチで小関を抱え込み、決定打は打たせず何度もレフェリーにはがされる展開に。一方的な試合運びも倒しきれないことにややストレスがたまっていった小関だが、9回にロープ際に詰めて連打を見せ、アンゴーの手が出なくなったところでレフェリーが試合を止めた。

「V13は具志堅さんなしにはない記録」

偉大な先輩・具志堅氏への感謝の気持ちを口にした小関 【t.SAKUMA】

 2008年9月の戴冠以来、13度の防衛を積み上げ、具志堅氏の日本人世界王者最多防衛記録に並んだ小関。勝利直後には終始圧倒しながらも「相手はクリンチがうまく、自分には試合での修正能力がなかった。セコンドに言われたことができたらもっと違った形で終わっていた」と心の底からの笑顔はなかった。ただ、「男女では記録の価値が違うと思う。ただ毎回100パーセントのコンディションを作って試合をして誰の記録と比較して価値があるなしじゃなくて自分自身を誇りに思います」と5年半かけてタイトルを保持し続けてきたことへの喜びを素直に表現した。

 その一方で、「具志堅さんの名前が出るとプレッシャーがかかっていた」と素直な心情も吐露。それでも、具志堅氏から「桃、記録を伸ばせよ」と励ましてもらうこともあり、「具志堅さんなしではなかった記録。具志堅さんには感謝しています」と記録への原動力になったことのお礼を口にした。

「まだまだ発展途上中」とさらなる高み目指す

小関は女子プロボクシング世界防衛記録14の更新に意欲 【t.SAKUMA】

 ここ1年は試合並みに緊張して精神的につらいとこぼすほど毎日の厳しい練習に、モチベーションが低かったという。「次の試合が最後、次の試合が最後」と自分に言い聞かせる日々。その中で、次の試合が決まっていたり、勝つとみんなが喜んでいろいろ言葉をかけてくれることで「もう一戦頑張ろう」とやる気を振り絞っていた。

 しかし、13度防衛を果たし、女子プロボクシング世界防衛記録の14(WBA女子世界フライ級王者としてスージー・ケンティキアンが07年から12年まで14度防衛)まで王手をかけた今は違う。「まだまだ自分は発展途上なのでもっともっと強くなりたい」と強い意欲がある。さらに、JBCが女子ボクシングを公認したことで、注目度も昔とは大きく変わってきた。
「自分もいい年(31歳)なので、残された時間は考える。チャンピオンでいられるうちに自分ももっといいボクサーになって、いい試合をしたい。女子だからというのではなくて認めてもらいたい」
 女子世界最多防衛記録とともに、女子ボクシングを盛り上げるために、小関桃はさらなる高みを目指す。

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