怒とうの反撃であと2点。苦渋の敗戦の中に蒔かれた歓喜の種
「ベンチで待っているときからみんなで『リザーブ勝負になるからしっかりエネルギーを出せるように』と話していました。その喜びがあったかなと思います」(中嶋)
後半35分の自身のトライ後、勇ましい表情を見せた中嶋大希。サポートで追走していた松岡賢太が素早く駆け寄り、力強くハグをした。
「『出たら自分の仕事を全うしような』っていうことは言い合っていますし、同じリザーブの中嶋大希さんがインパクトを残しているところを見たら、やっぱり胸が熱くなるところはありました」(松岡)
後半15分に松岡、同25分に中嶋が投入されると反撃の勢いは加速した。沸き上がるスタンド。興奮も熱狂もこの日の「一番」と感じさせる展開。そこで生まれたのが中嶋のトライだった。
最終的にスコアは届かなかったが、それでも、松岡や中嶋が明示したのは、この日の勝利のために、1週間のトレーニングと向き合ったメンバー外の選手も含めた気概そのもの。松岡は言う。
「やるからにはスタートで出たい、悔しい気持ちがリザーブの選手にはあります。ただ、自分がレベルアップしないと試合には出られないという危機感もあります。対戦相手に勝つこともそうですけど、チーム内での競争に勝って、個人的にもチーム的にもいい成績を残したいと思っています」
選手にはプレーヤーとしての野心がある。メンバー外はメンバー入りを目指し、リザーブは先発出場に挑む。そして、誰もが一様にもつ、最も強い意志こそチームに最大限の貢献を果たすことだ。松岡同様に今季はリザーブが多い中嶋もまた、「気持ち的に悔しい部分も多いですけど、出たときにしっかりパフォーマンスを出せなければ意味がないと思っています」と話している。
今節、リザーブが見せた熱量はチーム力を底上げする大切なメンタリティー。全員で競い合い、全員で磨き合う。「何が足りないのかチームで話し合って、練習でトレーニングしてレベルアップしていきたいです」(松岡)。苦渋の敗戦の中にも、歓喜の種は蒔かれている。
(小野慶太)
っと自分たちが成長する部分かなと思います」
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