早大ラクロス部女子 日本の頂点に挑む 『柏原組』最終章/全日本選手権

チーム・協会
全日本選手権 1月18日 味の素スタジアム
【早稲田スポーツ新聞会】記事 長屋咲希 写真 廣野一眞、髙岡紗也、辻岡真波、林朋亜、吉田陽南子
 約1ヶ月前に行われた全日本大学選手権において、関学大を下し学生の頂点に立った『柏原組』は、クラブ日本一・Neoを相手に、「真の日本一」を決める全日本選手権に臨んだ。試合は終始相手の猛攻に圧倒され、クラブとの差を痛感する結果となったが、選手たちは笑顔でシーズンを締めくくった。

 試合は開始直後からNeoが主導権を握る。ポゼッションを得たNeoは、開始1分、瞬足を生かして早大のマンディフェンスをいとも簡単に突破し、ゴール右から先制点を決めた。次のプレーではMF田中美亜(スポ4=東京・国立)がグランドボールを取り切り、早大の攻撃に持ち込んだが、1on1から突破したAT横幕円香(文構4=神奈川・公文国際学園)のシュートが惜しくもゴーリーに阻まれ、同点弾とはならず。Neoに攻撃権が移った。Neoはロングパスを用いてクリアに成功すると、3分、1on1からゴール前に入り込み、上から振り抜いて早くも2点目を挙げた。その後は相手のフリーシュートやカットインで点差を離され、0-6で第1Q(クオーター)を終えた。

 立て直したい第2Q。最初の攻撃権を手にした早大は、横幕が再びNeoディフェンスを突破しシュートするが、ゴーリーの足に当たってしまいこちらも得点にならない。リバウンドを取ったNeoは、ランクリアで早大ディフェンスに攻め込み、フリーシュートを獲得。しかしここは第1Qの途中からゴーリーについていたG星井萌子(スポ2=東京・駒場)の好セーブで追加点は与えなかった。互いに無得点の時間が続いたが、5分、小林遥佳(Neo)が自陣でのパスカットから、圧倒的な脚力でゴール前まで運びこみ、そのままシュートし、この試合自身3得点目を挙げた。その後もう2点を追加され、まさにNeoの独壇場といった形で試合は進んだ。しかし2Q終盤、早大ディフェンスを崩しながらゴール前に入り込み放ったシュートに対して、星井が再びセーブに成功。ポゼッションを取り戻した早大は終了間際、AT水野文萌(創理3=埼玉・早大本庄)が屈強なNeoディフェンスを突破し、また抜きシュートで欲しかったチーム1点目を挙げた。

水野が得点を挙げ、喜ぶ選手たち 【早稲田スポーツ新聞会】

 試合は後半戦に突入。2Qの水野の得点をきっかけに流れをつかみたい早大は、最初のポゼッションを得て敵陣に攻め込む。MF脇田萌衣(教4=東京・白百合学園)がゴール前までボールを運ぶが、シュートはゴーリーに阻まれてしまった。ダウンボールを拾ったNeoは、圧倒的なスピードでブレイクを仕掛ける。勢いのまま放たれたショットを、またも星井のセーブで切り抜けるが、リバウンドを取られ、冷静にゴールに押し込まれた。その後も精度の高いパス回しやゴール裏を生かしたショットで早大を圧倒していくNeo。早大は1点も奪うことができないまま第3Qを終えた。

 『柏原組』最後の15分間。1得点のまま終われない早大は8分、AT星川陽恵(スポ4=埼玉・浦和一女)がフリーシュートを獲得。上から振り抜いたシュートはゴールネットを揺らし、待望の2点目を挙げた。しかしその後はNeo優勢の流れが続き、2-19でゲームセット。1年近くに及んだ『柏原組』のシーズンが終了した。

ボールを運ぶ星川 【早稲田スポーツ新聞会】

 学生とクラブの実力差を実感させられる試合にはなったが、2年生ゴーリー星井をはじめとするゴーリー陣の好セーブや、グランドボールの確保、1on1の脅威など、通用する場面も確かに存在した。この経験は今後の早大にとって大きな財産であり、さらに強い早稲田を築き上げる糧となるだろう。FINAL4進出を達成できなかった昨シーズンがありながら、「学生王者」という遥か上の目標を掲げた『柏原組』。並大抵の努力では達成することなど不可能な目標。それでも4年生を中心に、「不屈」の精神で泥臭く勝利を目指して進み続けた結果が、たくさんの「史上初」につながった。来季はどんな「史上初」を見ることができるだろう。「強豪・早稲田」の歴史はまだ始まったばかりだ。

試合後インタビュー

G星井萌子(スポ2=東京・駒場)

――どのような思いで今日の試合に臨みましたか

  4年生とできる最後の試合だったので絶対に笑って終わりたいという気持ちで臨みました。また、今までとは違って社会人相手だったので、チャレンジャーとして早稲田らしさや学生らしさを全部出し切って勝ちたいと思っていました。

――Neo相手にセーブシーンが多く見られ、優秀選手賞にも選ばれました。この日の自身のプレーを振り返っていかがですか

 このような大きい舞台でプレーするのは初めてだったのでワクワクと緊張が混ざっていたのですが、Neo相手にセーブすることができて、優秀選手賞もいただくことができたのは純粋に嬉しいしまだ信じられないです。ただ、あともう10cmクロスを右に出せていたら、とかもう少し速く反応できていたら、という後悔もあって、もっと出来たなと思うところが沢山あるので悔しい気持ちの方が大きいです。

――柏原主将はどんな存在でしたか

 主将は、ライバルでもあり常に1番の味方でした。ゴーリーは1人しか試合に出られないので、絶対にかっしーさんを越えるという気持ちで1年間過ごしていたし、これはかっしーさんにも宣言していました(笑)。けど、ゴーリーにしかわからない悩みやきつさもあるので、お互い吐き出して励まし合っていたし、沢山いじってちょっかいをかけていましたが、心から尊敬できる存在でした。

――来季に向けて意気込みをお願いします

  3年生になるとこれまでより背負うものが何倍にも増えると思うけど、その責任や期待を全て引っくるめてラクロスを楽しめるように、今まで以上に貪欲に努力して成長し続けたいと思います!
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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