【第108回日本選手権室内】展望:フィールド編

日本陸上競技連盟
チーム・協会

【フォート・キシモト、アフロスポーツ】

さあ、いよいよ、東京2025世界陸上(東京世界選手権)に向けた戦いが、トラック&フィールド種目でも本格的にスタートする。第108回日本陸上競技選手権大会・室内競技(以下、日本選手権室内)が2月1~2日、大阪城ホール(大阪市)において開催される。実施されるのは、男女ともに60m、60mハードルおよび跳躍種目のみだが、跳躍については国内大会で世界選手権参加標準記録突破に挑める今年最初の機会。また、世界陸連(以下、WA)ワールドランキング制度でカテゴリDに位置する大会であることから、全種目において自身のポイントランキングを上げる貴重なチャンスとなる。自国開催の世界選手権出場に向けて、少しでも多くのランキング順位を上げておきたい選手においては、ポイント獲得に有利な室内世界選手権(3月21~23日:中国・南京)やアジア選手権(5月27~31日:韓国・クミ)出場につなげていくことを期している者もいるだろう。
近年、日本のトップ選手たちは、自身が最大目標に掲げる大会から逆算して、そのときどきに必要となってくる課題のクリアを目指して、出場していく競技会を国内外に関係なく選んでいくようになっている。このため、今大会も、必ずしもトップ中のトップが勢揃いするという状況ではなくなっているが、一方で、この大会での結果をステップとして2025年シーズンに大きな飛躍を見せる新しい顔や、復活を遂げる顔が現れる瞬間に立ち合うことができるかもしれない。
また、併催される2025日本室内陸上競技大阪大会(以下、日本室内大阪大会)にも、U20、U18、U16の各区分で、昨年、素晴しい成績を残した選手たちが、多数エントリーリストに名前を連ねている。陸上界の未来を担うホープたちの躍動にも注目だ。
ここでは、トラック編とフィールド編の2回に分けて、日本選手権室内の見どころを中心にご紹介していこう。

※出場者の所属、記録・競技結果等は1月25日時点に判明しているものを採用。また、エントリーは、1月14日に確定したリストに基づき、1月25日までに更新された情報を加えて構成した。なお、今年度から、室内・屋外の区分がなくなっていることから、従来の「室内日本記録」も、「日本記録」の表記に統一している。

文:児玉育美(JAAFメディアチーム)


日本選手権室内で行われるフィールド種目は跳躍のみ。すなわち、走高跳・棒高跳・走幅跳・三段跳の4種目で男女合計8種目となる。記録は、屋外と等しく扱われるので、東京世界選手権の参加標準記録に挑むチャンスともいえるが、各種目ともに非常に高水準で設定されていることから、実現の垣根は非常に高いというのが正直なところ。WAワールドランキングの順位を上げるべく、より高いポイントを狙っての試技となってきそうだ。また、冬期練習で高めた筋力・体力を、実戦という高い集中状態のなかで跳躍技術に繋げていく貴重な機会でもある。

◎男子走高跳

【フォート・キシモト、アフロスポーツ】

日本記録:2m35i(戸邉直人、2019年)
U20日本記録:2m29(君野貴弘、1992年)
東京世界選手権参加標準記録:2m33
世界室内参加標準記録:2m34


男子走高跳は、日本記録の更新こそなされていないが、日本記録保持者の戸邉直人(JAL)が2021年東京オリンピックで決勝進出を果たして以降、2022年オレゴン世界選手権(8位、真野友博=九電工)、2023年ブダペスト世界選手権(8位、赤松諒一=当時アワーズ)、2024年パリオリンピック(5位、赤松=SEIBU PRINCE)と、確実に実績を残してきた種目。東京世界選手権に向けた代表争いも厳しい戦いになることが見込まれる。今大会には,前述の3選手と、本格復帰を果たした昨年、自己タイ記録の2m30をあっさりと跳んできたベテランの衛藤昂(神戸デジタル・ラボ)は出場せず、「世界に向けての飛躍」を狙う層がエントリーする形となった。
優勝候補の筆頭となるのは、長谷川直人(サトウ食品新潟アルビレックスRC)。2023年にはブダペスト世界選手権、アジア選手権に出場している。昨年は2021年にマークした2m26の自己記録を再びクリア。2019年に2m25を跳んで以降、年次ベストは2m25と2m26で推移するなど高い安定感を持つだけに、今年はなおさら、もう一つ階段を上がりたい。室内・屋外ともに日本選手権は2位が最高成績。まずは、室内でのタイトル獲得を狙ってくるだろう。長谷川と同じく「もう一つ上」を狙いたいのが瀬古優斗(FAAS)。長谷川と同じく上位争いの常連といえる存在で、2021年には2m27を跳んでいる。昨年のシーズンベストは2m24にとどまったが、世界選手権を狙うためにも、その次の高さ(2m26や2m27)を安定してクリアできることを狙っていきたい。
もう一人、注目したいのが高校3年生の中谷魁聖(福岡一高、ダイヤモンドアスリート)だ。昨年、地元福岡で開催されたインターハイを2m24の高校新記録で制すると、リマ(ペルー)で行われたU20世界選手権では銅メダルを獲得。さらに秋の国スポでは2m25を成功させて高校記録を再更新して優勝と、抜群の勝負強さでシーズンを走り抜けた。東海大に進んで臨む2025年シーズンは、世界選手権の出場や2m29のU20日本記録の更新を目標に掲げている。高校最後の試合となるこの大会で、どんなジャンプを繰りだすかが楽しみだ。

◎女子走高跳

【フォート・キシモト、アフロスポーツ】

日本記録:1m96(今井美希、2001年)
U20日本記録:1m93(太田陽子、1993年)
東京世界選手権参加標準記録:1m97
世界室内参加標準記録:1m97


3連覇中の髙橋渚(センコー)がヨーロッパ転戦を選んで今回は不出場。優勝争いの行方は、混沌としそうだ。自己記録でみるなら、故障で休養した2021年を挟んで2020年、2022年、2023年と自己記録の1m85をきっちり跳んでいる津田シェリアイ(築地銀だこ)が優勝の最右翼。2024年度としては1m79がシーズンベストになっているが、昨年も3月に1m80をクリアしている。
鐡丸美由紀(鹿児島銀行)は、昨年は1m76にとどまったが、2023年に地元で開催された鹿児島国体で1m82の自己新記録を成功させ、津田との勝負を同記録で制して、髙橋に続き2位の成績を収めた選手。また、2022年に1m80を跳んでいる武山玲奈(エディオン)は、2021年屋外の日本選手権チャンピオン。諸隈あやね(長谷川体育施設)は、2022年に日本インカレを制した際、1m79を跳んでいる。どちらも2年時にインターハイ優勝を果たしている森﨑優希(日本女子体育大)や髙橋美月(埼玉栄高)は中学時代から活躍してきた選手で、森﨑は昨年のU20日本選手権を勝った際に、高橋は2023年の国体(少年共通)に勝利した際に、それぞれ1m77の自己記録をマークしている。昨年、1m79を跳んだ青山夏実(ダイテックス)や1m78に成功した新村愛里(ダイシンプラント)も含めて、大阪城ホール特有のボードトラックの弾性に、うまくフィットさせられるかどうかが勝敗を分かつことになるかもしれない。

◎男子棒高跳

【フォート・キシモト】

日本記録:5m83(澤野大地、2005年)
U20日本記録:5m65(江島雅紀、2017年)
東京世界選手権参加標準記録:5m82
世界室内参加標準記録:5m85


エントリーリストでトップに立つのは柄澤智哉(日本体育大)。大学3年の2023年に、日本選手権優勝、アジア選手権(4位)、ワールドユニバーシティゲームズ(4位)、世界選手権(予選記録なし)の実績を残し、昨シーズンはオリンピック出場も視野に入れて臨んでいたが、日本選手権が5m20(10位)に終わる誤算もあって、オリンピック出場はならず。一方で、2年ぶりに自己記録を2cm更新する5m62をマークしたほか、日本インカレでも2連覇を果たしてシーズンを終えている。5m82の世界選手権参加標準記録にはまだ少し距離はあるが、少しでもワールドランキングの順位を上げるために、まずは自己記録を更新したあたりで安定した成績を残していきたい。資格記録で柄澤に続く原口篤志(東大阪大)は、大学1年時に出した自己記録5m45を2年ぶりに更新する5m51に成功した。この勢いを加速させることができるかどうか。また、昨年は5m50にとどまったが、2019年にマークした5m61のほか、2023年に5m60を3回跳んでいる澤慎吾(きらぼし銀行)も力のある選手。そろそろ5m70台、80台に迫る跳躍で、なかなか手にできないチャンピオンシップのタイトルをつかみに行きたい。
今季、復活のジャンプが期待できそうなのが、東京オリンピック代表の江島雅紀(富士通、ダイヤモンドアスリート修了生)だ。高校・U20・学生と各年代で数々の輝かしい実績を残してきた選手だが、2022年に日本選手権初優勝を果たしたあと、マットの外に落下するアクシデントで足を骨折して長期離脱。手術やリハビリを乗り越え、昨年、ようやく本格的に競技会復帰を果たし、5m50まで戻ってきた。自己記録は、日大3年の2019年にマークした5m71。この水準に戻すことができれば、東京オリンピックに続く、自国開催の世界選手権も見えてくる。このほかでは、昨年、自己記録を22cm更新する5m42をマークした北田琉偉オスカー誠治郎(日本体育大、ダイヤモンドアスリート修了生)の動向も興味深い。潜在能力の高さは多くの人が認めるところ。大学3年目を迎える2025年を、地元の大阪でうまくスタートさせたいはずだ。

◎女子棒高跳

【フォート・キシモト】

日本記録:4m48(諸田実咲、2023年)
U20日本記録:4m16(村田蒼空、2022年)
東京世界選手権参加標準記録:4m73
世界室内参加標準記録:4m75


昨年、この大会で4m35の室内日本記録をアナウンスさせて優勝を果たした諸田実咲(アットホーム)は不出場。諸田は、1月からヨーロッパの室内競技会を転戦中で、1月25日にはフランスのWAインドアツアーで室内自己最高となる4m40のクリアに成功している。
大会記録が4m35に引き上げられた今年の日本選手権室内に挑むなかで、資格記録が最も良い竜田夏苗(ニッパツ、4m20)は、2019年に出した4m30が自己記録で、日本選手権で3度の優勝やアジア選手権代表として入賞の実績も持つ選手。ここ数年は4m20がシーズンベストだが、今季はどんな跳躍を見せてくれるか。2022年に4m33の自己記録を跳んでいる那須眞由(KAGOTANI)も、竜田と同様に、日本選手権優勝のほか、2023年アジア室内で金メダル獲得の実績を誇る。まずは自己記録に迫る跳躍が目標になりそうだ。
若手では、社会人1年目の台信愛(日体大SMG)のほか、大坂谷明里(園田学園女子大4年、4m15)、小林美月(日本体育大2年、4m15)と村田蒼空(筑波大2年、4m10)らの躍進を期待したいところ。昨年、4m05にとどまった台信の自己記録は4m20(2023年)で、同年にはアジア選手権にも出場しているボウルター。村田は前橋女子高時代の2022年にU20日本記録・高校記録となる4m16の自己記録をマークしている選手。こうした同年代ライバルが近い記録で切磋琢磨することによって、選手層に厚みが出るようだと、記録・勝負ともに一段と見応えのあるものになるだろう。

◎男子走幅跳

【フォート・キシモト、アフロスポーツ】

日本記録:8m40(城山正太郎、2019年)
U20日本記録:8m12(藤原孝輝、2019年)
東京世界選手権参加標準記録:8m27
世界室内参加標準記録:8m26


昨年は、パリオリンピックに出場した橋岡優輝(富士通、ダイヤモンドアスリート修了生)が8m28で日本リスト1位を占めたが、8m14で、この記録に続いたのは男子110mハードルで活躍する(13秒04=日本記録)泉谷駿介(住友電工)と、ロングジャンパーたちにとっては悔しさの残るシーズンとなった。8mジャンパーは増えてきているだけに、全体の水準をもう一つ引き上げたいところだ。
今回出場する選手のうち、資格記録でトップに立つのは、山浦渓斗(勝浦ゴルフ倶楽部)。8m13は、昨年の5月に中国・重慶でマークした記録で、前年に出していた7m94の自己記録を大きく更新した。一方で、昨年のセカンド記録は7m90で、サード記録は7m87と、ベストとは少し開きがある。まずは8m台を安定させていきたい。
実績を考えると、優勝候補の筆頭に挙げるべきは津波響樹(大塚製薬)だろう。8m23(2019年)の自己記録を持ち、2019年ドーハ世界選手権、2021年東京オリンピックにも出場した。しかし、昨年は全日本実業団でマークした8m03がシーズンベスト。高い助走スピードが魅力であると同時に、そのコントロールが大きな課題となっている。前回大会に続く2年連続3回目の優勝を、複数の試技で8m台に乗せて実現させたい。
また、社会人1年目となった昨年は銀メダルを獲得したアジア室内の7m89がシーズン最高記録にとどまった鳥海勇斗(ノジマT&FC)も、8m11(2022年)の自己記録を持ち、日本大4年の2023年には中国・成都で行われたワールドユニバーシティゲームズで5位に入賞した実績を持つ選手。社会人2年目となる2025年でのブレイクを期しているだろう。昨年、8mジャンパーの仲間入りを果たした藤原陸登(ダイシンプラント、8m06)や外川天寿(走りの学校、8m05)は、その勢いをさらに加速させることができるか。このほか、資格記録7m91でエントリーしている伊藤陸(スズキ)は、近大高専時代の2021年に三段跳で17m00の学生記録を樹立するとともに、走幅跳でも8m05をマークして、日本インカレ2冠を達成した選手。故障の影響で影を潜める期間が長かったが、完全復活となれば走幅跳での活躍も十分に期待できる存在だ。

◎女子走幅跳

【フォート・キシモト、アフロスポーツ】

日本記録:6m97(秦 澄美鈴、2023年)
U20日本記録:6m44(中野 瞳、2007年/高良彩花、2018年)
東京世界選手権参加標準記録:6m86
世界室内参加標準記録:6m90


日本記録保持者(6m97)の秦澄美鈴(住友電工)は出場しないが、魅力ある選手が集まった。
優勝候補と言ってよいのは、前回覇者の竹内真弥(ミズノ)だろう。2023年の日本選手権で2位を占めた際にマークしていた自己記録の6m30まで1cmと迫る6m29を、1回目の試技で披露。その後も、後続につけいる隙を与えない試技内容で、初優勝を飾った。屋外シーズンでも安定した結果を残し、日本選手権では再び自己記録を6m36(2位)、9月の全日本実業団では6m49と大幅に更新した。東京世界選手権参加標準記録(6m86)までにはまだ少し開きはあるが、まずは6m50を上回る跳躍を安定して残すことが目標になりそうだ。地元・大阪のこの大会で、2025年を連覇でスタートさせたい。
実績という点では、髙良彩花(JAL)も見過ごしてはならない存在だ。今も残る6m44(2018年)のU20日本記録保持者で、高校時代から日本選手権優勝者や世界大会で活躍。筑波大4年の2022年には6m50の自己新記録をマークした。社会人3年目を迎える2025年を、どういう形でスタートさせるか。
6m29で昨年の高校リスト1位を占めた橋本詩音(静岡雙葉高)は、この記録をU20日本選手権でマークして学生陣を抑えて優勝。インターハイを制することはできなかった(6位)が、U20世界選手権にも出場を果たした。6m23の自己記録を持つ高宮ひかり(大塚高)や中学生のころから活躍する近藤いおん(流山ホークアイ、6m22)らとの競り合いで、さらなる成長を促したい。2023年にU18を制し、昨年U20で“連覇”を果たした恒石望乃(福岡大)は、大学生となった今年はシニアの部にエントリーしている。昨年はU20アジア選手権で、自己タイ記録でもある6m21をマーク。U20を制した前回の記録は6m18の大会記録を樹立した。これを上回るジャンプが実現すれば、2年連続のシーズンベストとなった自己記録を、初戦から更新していけるかもしれない。

◎男子三段跳

【フォート・キシモト、アフロスポーツ】

日本記録:17m15(山下訓史、1986年)
U20日本記録:16m38(宮尾真仁、2023年)
東京世界選手権参加標準記録:17m22
世界室内参加標準記録:17m40


昨年、著しい進境を見せた安立雄斗(福岡大)が優勝候補の一番手と言ってよいだろう。安立は、福岡大4年の2022年の日本インカレで走幅跳・三段跳で2冠を達成して注目を集めた選手。三段跳では2021・2022年日本選手権で連続2位の成績を残している。記録・実績ともに大きな飛躍を見せたのは大学院2年の昨シーズン。4月に16m46の自己新をマークすると、6月の日本選手権では16m52で初優勝を決めたのちの最終跳躍で16m70まで塗り替え、タイトル獲得に花を添えた。日本記録は17m15、世界選手権参加標準記録は17m22には、まだ開きがあるものの、少しずつ近づいてきたい。
16m33で安立に続いて2024年シーズン日本リスト2位に収まっているのは松下悠太郎(鹿児島信用金庫)。社会人2年目で、実は安立とは福岡大学の同期に当たる。安立が2冠を果たした2022年日本インカレ三段跳では3位となって、安立とともに表彰台に上がった。昨年は、自身のパフォーマンスリストの上位に食い込む結果を多く残しており、この同期コンビが表彰台を占める可能性もある。
しかし、実績を持つ選手たちも、そうは簡単に許さないだろう。前回、初優勝を果たした宮尾真仁(東洋大)は、2023年にマークした16m38(U20日本記録)が自己記録。今季は、これを大きく更新していくことを狙っている。また、池畠旭佳瑠(駿大AC)は2023年アジア選手権銀メダリストで、ブダペスト世界選手権にも出場。16m75(2020年)の自己記録を持っている。ベテランと呼ばれる年代になった山本凌雅(JAL)も2017年ロンドン世界選手権の代表で、同年には16m87をマークしている。また、日本選手権優勝経験もある山下祐樹(富士防)も16m57(2019年)が自己記録。トップエイトの常連で、16m20~30台での勝負となってきたときには確実に上位争いに絡んでくる存在だ。
記録が伸びないようだと、混戦必至となるだろうが、できれば16m台後半で上位が入れ替わるような混戦になることを期待したい。

◎女子三段跳

【フォート・キシモト】

日本記録:14m16(森本麻里子、2023年)
U20日本記録:13m03(山﨑りりや、2024年)
東京世界選手権参加標準記録:14m55
世界室内参加標準記録:14m60


14m16の日本記録を持つパリオリンピック代表の森本麻里子(オリコ)は、室内日本記録(13m31、=当時)を樹立して優勝した2022年大会以降は、この大会には出場していない。2023年大会以降、2連勝中の船田茜理(武庫川女子大)を中心とする戦いになってくるだろう。2022年にマークした13m81は、学生記録で、日本歴代4位となるもの。現役選手のなかでは、森本、13m83の自己記録を持つ髙島真織子(九電工)に続く3番手に位置する結果が多かったが、大学院2年目となった昨シーズンは、その森本や髙島が故障の影響で姿を見せないことも多かったなか、13m30~50前後で安定した記録を残し、優勝争いを制する場面が多く見られた。森本・髙島の復帰が期待される今季、“三つ巴”の一角に上がっていくことができるようだと面白い。
大会記録は森本が2022年にマークした13m31。船田がこの記録に迫るようだと、対抗できる選手は出てこないだろうが、上位争いのラインが12m台まで下がるようだと、誰が勝ってもおかしくない状態になる可能性がある。そのなかで興味が集まるのは、昨年の国スポで、13m03のU20日本記録・高校記録をマークして、U20年代日本人女子初の13mジャンパーとなった山﨑りりや(鳴門渦潮高)の跳躍だろう。昨年の跳躍をみていくと、セカンドベストは12m61で、その後、12m56、12m55、12m48、12m45と続く。自己記録にどのくらい迫るパフォーマンスを残せるかにも注目したい。

ライブ配信1日目:2月1日(土)

メインチャンネル 9:30~(予定)YouTube
トラック競技全種目・表彰

※リンク先は外部サイトの場合があります

フィールドチャンネル 9:30~(予定)YouTube
フィールド競技全種目

※リンク先は外部サイトの場合があります

ライブ配信2日目:2月2日(日)

メインチャンネル 9:40~(予定)YouTube
トラック競技・表彰、U20女子走幅跳、日本選手権女子走幅跳、日本選手権女子走高跳、U20男子棒高跳

※リンク先は外部サイトの場合があります

フィールドチャンネル 9:40~(予定)YouTube
U20男子棒高跳、U20男子走幅跳、日本選手権男子走幅跳、日本選手権男子棒高跳、日本選手権男子走高跳、U20男子三段跳、日本選手権男子三段跳

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※配信時間は目安となります。
※応援TV・日本陸連公式チャンネル(https://ohen.tv/channel/)、日本陸連公式X(https://twitter.com/jaaf_official)でも予定しています。
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