斎藤佑樹氏 Baseball5 JAPANのスーパーバイザー就任 「野球界に革命を起こすと確信した」3つの要因とは?
「侍ジャパンチャレンジカップ 第2回 Baseball5 日本選手権」の開会式後に行われた記者会見で、自身が感じた競技の持つ可能性や描いている構想などについて明かした。
主体的な立場として、強化・普及を目指す
「Baseball5は野球やソフトボールの普及につながるとともにもう一つ、独立した大きな競技になることを確信しています。
斎藤さんは引退後も幅広く活動される中で、子どもたちに野球場をつくるということで、野球の未来のために尽力されています。ご自身のSNSなどでも競技について紹介いただいていることから、今回お願いすることになりました」
「19年に日本で初めてBaseball5が行われて以降、イベントや国内大会を重ね、国際大会(WBSC Baseball5ワールドカップ)では2度の準優勝を果たしました。ですが発祥国のキューバを始め、他国の強化のスピードは目を見張るものがあります。
国内でBaseball5を広げていくために、広い視野と視座を持って活動している斎藤さんには、外からではなく主体的な立場になっていただいて、共に普及活動を進めていきたい想いです。
競技を広く・多くの方に知っていただき楽しんでもらう。そんなスポーツにするとともに、さらには"世界で勝つJAPAN"に向けた選手強化のために、お力を貸していただきたいと考えています」
「このBaseball5という競技は、日本野球の裾野を広げる活動だけにとどまらず、新たなジャンルを創出するという革命をもたらしてくれると確信しています。
そのためには今日大会に臨んでいる選手たちもそうですが、私も今回スーパーバイザーという役割をいただきましたので、今会長がおっしゃった通り"主体的"になって、競技をより良くしていきたい考えです」
体験や自身の活動を通じて感じた競技の魅力
会見の前に行われた開会式の最後には、始打式で打席に立った。体験してみての感想を問われると、
「DJが盛り上げてくれるというのは、今までになかったことだと思います。この雰囲気は野球とは違うジャンルのスポーツだと思いましたし、今日改めて見て、多くの人たちに周知していきたい点だと感じました。
打席では守っていたのが10数人いたので捕られるのは当たり前なんですけど、それでも悔しかったです(笑)。
ここでプレーしてる選手たちが新たな戦術を生み出して、勝負の世界で突き詰めていくのを一緒に追っていけたらいいなと思っています」
実際にフィールドのサイズを敷地に型取り、そのスケールを体験し感じた。
「Baseball5の魅力の一つは広さを必要とせず手軽にできるところだと思います。
僕は北海道に野球場をつくりますけれども、東京でもBaseball5のフィールドならつくれる場所があるかもしれないですし、その手軽さも含めて競技の可能性があると感じています」
「野球界に革命を起こす確信」の意図は?
「野球場をつくるにあたって土地を探すこと、建築許可も含め”広さ”を確保することにも苦労しました。
Baseball5はどこでもできる手軽さが魅力と話しましたが、僕たちが小学生の時に校庭で手打ち野球ができたことを考えると、その手軽さは野球界にとってすごく魅力的なコンテンツだと思います。
それが全てそこに加えてBGMなどエンタメ性もある。その融合が面白いし、スポーツに興味が薄い人がみても楽しいと感じていただける競技になると思いました。まずはこの2つが革命をもたらす可能性の要因です」
「僕が”革命”という話をしたもう一つには、Baseball5に出場している選手たちに現役の高校球児がいることにあります。
今までであれば他競技に参加することは難しい風潮があった中、それができるようになった意義は大きいと思います。
多くの世代がプレーできる、そのど真ん中に当たる高校生の球児が参加できていることに大きな一歩を感じています」
スーパーバイザーとして担う役割
「僕からもアイデアを出していきたいです。Baseball5をプレーする場所やコミュニティづくり。そういったことを協会と話し合いながらやっていきたい。それが僕に課せられた任務だと思います」
今後の国際的な可能性も感じながら、自身の想いを述べた。
「近い将来にBaseball5もオリンピック競技になる時が来ると信じています。野球大国である日本が、Baseball5でも世界のリーダー格になっていきたい想いがあります。
また、見てもやっても楽しいという、とても大きな可能性を持った競技です。子どもからシニア世代まで競技を楽しんでもらい、長く発展していくことを願っています」
野球そしてスポーツ界に”革命”を起こすBaseball5に強力な援軍が加わり、2025年のスタートを切った。
(写真 / 文:白石怜平)
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