レギュラーシーズンのちょうど半分を消化し、B2はここからプレーオフ進出をめぐる戦いが本格化していく。特に興味深いのが、20勝10敗で3クラブが並ぶ東地区2位争い。昨シーズンまでB1で過ごした信州ブレイブウォリアーズと富山グラウジーズを抑えて2位につけているのは、昇格1年目の福井ブローウィンズだ。

　福井は地区首位のアルティーリ千葉に8ゲーム差をつけられているものの、そのA千葉に黒星をつけた唯一のチームでもある。前々節にA千葉から今シーズン2勝目を挙げると、前節は2戦とも第4クォーターにスパークする形で富山に連勝した。信州にも開幕節で連勝しており、順位争いで先手を取った格好だ。

　今節はクラブ新記録となる19連勝を記録したライジングゼファー福岡が相手。西地区首位の福岡もプレーオフに向けてさらに精度を高めていきたいところだが、バンビシャス奈良と戦った前節はGAME2で今シーズン最多の98失点を喫する完敗。22勝8敗で単独首位の座はキープしているものの、東地区上位との対戦もまだ多く残っていることを考えると、手綱を締め直しておかなければならない。

　Bリーグ史上2例目となるクラブ創設3年目でのB1昇格を目指す福井にとって、百戦錬磨の選手が揃う福岡との初対戦は重要な試金石となる。得点力はほぼ互角だが、ディフェンス力では福岡が優位。福井はトランジションオフェンスで福岡のペースを乱し、ハーフコートで粘り強く守りたい。B1での対戦経験も多い伊佐勉、浜口炎両ヘッドコーチの駆け引きも、勝敗に与える影響がより大きくなるだろう。

　青森ワッツは前節2戦とも粘ることはできたもののA千葉に連敗。今節は長いトンネルを抜け出せない愛媛オレンジバイキングスと対戦する。愛媛は前節GAME2で6試合ぶりに100失点を超えてしまったが、17得点7アシストを挙げた奥田雄伍の活躍は光明だった。白星をもぎ取るためには、外国籍選手2人での戦いが続いている青森のファウルトラブルを誘発したいところ。奥田を筆頭に日本人選手も果敢にペイントアタックを狙いたい。

　12勝18敗と不本意な成績で折り返した山形ワイヴァンズは、8ゲーム差をつけられている富山を迎え撃つ。前節福井に連敗している富山をここで破れば、ゲーム差を縮めると同時に相手をトーンダウンさせることにもなる。第3節GAME1の対戦では得意の3ポイントシュートが火を噴き29点差で大勝。その試合で28得点を叩き出したルーズベルト・アダムスが再び富山撃破の立役者となり、チームを勢いづけることができるか。

　鹿児島レブナイズは前節の愛媛戦を危なげなく連勝し、首位の福岡に1ゲーム差に迫った。今節対戦する神戸ストークスは連敗中だが、前々節に福岡の大型連勝を止めているとあって油断は禁物。チーム合流2試合目で16得点を挙げた野溝利一は特に要警戒だ。神戸はこのところ3ポイントシュートが不発。初の鹿児島凱旋となるプレドラッグ・クルニッチHCがオフェンスをどう立て直すかが問われる。

文＝吉川哲彦

■B2第17節試合日程
・信州ブレイブウォリアーズvsベルテックス静岡（＠ホワイトリング）
GAME1：1月11日（土）14時5分〜 GAME2：1月12日（日）14時5分〜

・青森ワッツvs愛媛オレンジバイキングス（＠カクヒログループスーパーアリーナ）
GAME1：1月11日（土）15時5分〜 GAME2：1月12日（日）15時5分〜

・福島ファイヤーボンズvs熊本ヴォルターズ（＠いわき市立総合体育館）
GAME1：1月11日（土）15時5分〜 GAME2：1月12日（日）13時35分〜

・山形ワイヴァンズvs富山グラウジーズ（＠山形県総合運動公園）
GAME1：1月11日（土）16時〜 GAME2：1月12日（日）14時〜

・福井ブローウィンズvsライジングゼファー福岡（＠セーレン・ドリームアリーナ）
GAME1：1月11日（土）17時〜 GAME2：1月12日（日）14時〜

・鹿児島レブナイズvs神戸ストークス（＠鹿児島県総合体育センター体育館）
GAME1：1月11日（土）17時〜 GAME2：1月12日（日）13時〜

・バンビシャス奈良vsアルティーリ千葉（＠ロートアリーナ奈良）
GAME1：1月12日（日）15時5分〜 GAME2：1月13日（月）14時5分〜