「Baseball5 Festival 2024 in Kazo」112名が参加したBaseball5の祭典は加須市活性化の大きな力に

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【提供:5STARs】

12月7日、埼玉県加須市で「Baseball5 Festival 2024 in Kazo」が行われた。

侍ジャパンBaseball5代表の六角彩子選手・數田彩乃選手ら「5STARs」の面々が、競技を通じて地域を活性化させる1日へとつくり上げた。

六角選手に話を伺いながら、その模様を紹介する。


(取材 / 文:白石怜平 ※以降敬称略)

6歳から82歳が参加する、世代を超えたイベントに

「Baseball5 Festival」は昨年から埼玉県でスタートしたイベント。

主に加須市に拠点を置く「5STARs」が主催し、昨年は鴻巣市そして今年は加須市で行われることになった。

本イベントがスタートした背景には、主に子どもたちやユース世代(15歳〜18歳)にBaseball5の魅力を知ってもらうと共に、競技人口の拡大へとつなぐという5STARsの想いが込められている。

来年には「WBSC ユースBaseball5アジアカップ」、「WBSC ユースベースボール5ワールドカップ」が開催され、そして26年ダカールユースオリンピックの正式競技として採用された。

5STARsも22年にユースチームが発足し、現在16名の選手が在籍。小学生もチームに加入し、毎週活動を行っている。

ユースチームも毎週活動している 【提供:5STARs】

六角は開催の意図をこのように語った。

「小学生・中学生のBaseball5の大会がまだ日本にはないため(※日本選手権は高校生以上)、私たちで大会をつくろうと考えていました。
ユースチーム発足後はメンバーはもちろん、子どもたちにも練習や試合を体験してほしいという想いがありましたので、昨年に実現して今年に至ります」

今年は加須市と協力し、老若男女みんながBaseball5を楽しむことでまちを活性化させようと企画。加須市合併15周年記念事業の一環として開催が決まった。

6歳から82歳までの合計112名が参加し、角田守良市長も駆けつけるなど、地域を挙げての催しとなった。

ユースチームが見せた主体性と周りへの感謝

今回は小学生の部が5、大人の部(中学生以上)が14の計19チームで構成された。

加須市から多くの参加者が集まったのは侍ジャパンの2人による尽力があった。

「私(六角)と數田は加須市内の小学校を回ってBaseball5の授業を年間通じて行っていました。訪問した学校の生徒や先生たち、また県外の中学生もこの日集まってくれました。
訪問した中で配っていったチラシや加須市で制作した広報誌、そしてSNS等で見かけた方々から応募をいただきました」

5STARsは今回ユースチームとして参加。オープン(15歳以上)のメンバーは運営として全面的にサポートした。

六角らオープンメンバーは運営として支えた 【提供:5STARs】

上述の通り、まだ小中学生チームの大会がないことから本イベントが”大会初参加”となった選手たち。

「僕たちも試合出ていいんだよね?」などと喜びを表すとともに、その姿に六角も感銘を受けた。

「ユースチームには全て自分たちでメンバー決め等をやってもらいました。毎試合の前後にチームで集まりミーティングをして、『どうしたら勝てるのか』、『(試合後に)何がどうだったか』などの話し合いをしている姿を見て、とても頼もしく・誇らしかったです」

これまで取り組んできた練習の成果を見せる場となり、全力でBaseball5を楽しみ・躍動した選手たち。

大会後には「運営ありがとうございました」と、大会で獲得した景品のお菓子をオープンメンバーに配るという心温まるシーンがあった。

ユースメンバーも大会で高いパフォーマンスを見せた 【提供:5STARs】

このように勝負の場で己を磨くことや、チームで協力し目標に向けて一つになること。そして、周囲への感謝といったスポーツの魅力が全て詰まった空間に全員が創り上げていった。

六角も運営の指揮を執りながら、その様子を微笑ましく見守っていた。

「大会はみんなを成長させてくれる場所だなと実感しましたし、もっともっとこのような場所・環境をつくることが日本のBaseball5のレベルアップへとつながっていくんだと思いました」

112人全員がBaseball5を楽しむ空間になった 【提供:5STARs】

「今後日本でもこの光景が日常に」

5STARsのユース選手の他、これまで授業で関わってきた生徒や先生たちそして加須市の面々も、”ボール一つ”で笑顔と活気が広がっていった。

19チームによるトーナメントで勝敗を競ったが、試合が終わればお互いにリスペクトし合う関係へと絆が深まっていた。イベントを終えた後に改めてこのように振り返った。

「年代問わず参加者全員がBaseball5を楽しんでくれて、本当に開催できて良かったです。
スポーツを楽しむのに、年齢も性別も関係ないと実感しました。子どもたちが黄色いボールを持って歩き回る姿も見て、今後日本でこの光景が日常になるといいなと感じましたね」

参加した方々からも、

「学校でも授業でやります!」
「このスポーツはどこでできますか?」

といった、次も”Baseball5をやりたい!”と参加者が強く感じたイベントになった。

授業やイベントで参加した子どもたちも次を楽しみにしている 【提供:5STARs】

今後もBaseball5 Festivalを続けていきたい構想を5STARs、そして加須市も抱いている。

「普及活動も強化活動にも力を入れたチームにしていきたいです」

そう語った六角を始めとした5STARsのメンバーは翌週に栃木で行われた「第2回 Baseball5日本選手権」の予選に出場。

Bグループ1位の成績で25年1月13日に行われる本戦の出場権を獲得した。

”日本一強いチーム”も志す5STARsは、次は選手権での優勝を目指していく。


(おわり)
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