クリタウォーターガッシュ昭島（以下、WG昭島）は、12月28日、神奈川県の厚木市荻野運動公園競技場に、今季からリーグワンに新しく参入したヤクルトレビンズ戸田（以下、L戸田）を迎えて、ホストゲーム開幕戦に臨む。シーズンの開幕戦では、こちらも今季新規参入の狭山セコムラガッツに完敗。シーズン序盤とはいえ、新規参入チームに連敗することは許されない。

その重要なホストゲーム開幕戦でリーグワンデビューを飾るのは、新人の石塚勝己だ。父の影響でラグビーを始めた石塚は、桐蔭学園高校から明治大学へ。ラグビー強豪校で経験を積むが、大学卒業後はラグビーから離れることを考えていたという。しかし、両親からの猛反対（と強い後押し）にあって、WG昭島への加入を決意。石塚は「自分がプレーすることが親孝行になると思って、ラグビーを続けている感じです」と明かす。

そんな孝行息子はリーグワンでのデビュー戦を前に、「いつもどおりのプレーができると思います」と、気負う様子はまったくなし。L戸田の印象を問うと、「ディフェンスで思い切って前に詰めてくるチーム。プレシーズンマッチでは、ボールを回せず後手に回ってしまったので、今回はしっかりとボールを運びたい」と語った。

また、開幕戦は出場メンバーに選ばれなかったが、外から見ていて、「シンプルにディフェンスが良くなかった」とチームの課題を冷静に分析する。

石塚の強みはそのディフェンスだ。「ディフェンスに関しては、自分なりの“感覚”があって、そこがうまくチームにフィットすれば、いい形にできると思います。ディフェンスからいい流れを作りたい」と自分の役割を明確にしている。

「WG昭島は、個々の選手の力があるので、みんなが同じ方向を向いて上がっていけば、さらに強くなれるはず。あとは、絶対に負けないという気持ちが必要だと思います」

ディフェンスでインパクトを残し、チームに今季初勝利をもたらすことができるか。石塚勝己、いざ、デビュー戦へ。

（匂坂俊之／Rugby Cafe）