静岡ブルーレヴズに33-35で惜敗するも、開幕に向け順調な仕上がりを示す

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リカス・プレトリアス選手はどの試合も安定したパフォーマンスを見せる。この試合でも優勢だった前半から劣勢だった後半まで、ブレのないプレーを見せた。 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】

前半4トライでリードするも後半失速。しかし終盤にはあと一歩まで迫る

11月30日(土)に静岡ブルーレヴズとのプレシーズンマッチ6戦目が行われた。
この試合の前日には、オーストラリアNSW Waratahs(以下、ワラターズ)と対戦。
チームとしても稀な二日続けての連戦にチームも二つに分けて臨んだ。
この試合のメンバーの注目は、今季初出場となるメンバー。
司令塔にバーナード・フォーリー選手、プロップにはウェリントン・ライオンズ(NZ)でのレンタル移籍を終えた紙森選手と加藤選手、No.8には浦安D-Rocksから移籍のタイラー・ポール選手が出場する。
ゲームキャプテンとしてチームを率いるのは、昨シーズンから個人としてもリーダーとしても成長著しい島田選手だ。
スピアーズボールでキックオフした前半、入りの10分はスピアーズの時間帯が続く。特にこの時間帯のカギを握ったのはフォワード陣。
フォワード後ろ5人(4番~8番)の平均身長193㎝を超える大きなフォワード陣は、セットプレーで再三のモール攻撃、そしてフェイズアタックでは近場での突進で相手にプレッシャーをかける。この攻撃により相手の反則を誘い、イエローカードにより一人少ない状況を作り出した。その間にラインアウトモールから先制。トライを取ったのは試合開始からボールキャリアやディフェンスで奮闘していたチーム最長身のルアン・ボタ選手だった。

こうした重厚なセットプレーからトライを取れば、20分過ぎにはラインアウトから相手ディフェンスに準備をさせない早い仕掛けでトライを奪う。センターのリカス選手がラインアウトからラックを作ると、フォワードの近場を経由して逆サイドへ。最後はフォロー役として地道な働きを続けていたヴァンジーランド選手がインゴールに飛び込んで2トライ目を奪った。

両ロックのトライでリードしたスピアーズだったが、30分過ぎには相手に追いつかれ14対14。
風は強いが両チームのキッカーともにコンバージョンゴールを決め、拮抗した時間が続く。

残り5分となったところでは、自陣ディフェンスから反則を奪うとブリン・ホール選手が速攻を仕掛け、準備していたバックス陣のテアウパ選手⇒島田選手と繋ぎ勝ち越しに成功する。

その後もウィングの山﨑選手がトライし、前半終了間際に連続トライを決めて28対14で前半を折り返した。

2トライ目を決めるデーヴィッド・ヴァンジーランド選手 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】

後半はスピアーズのミスから相手に先制を許す。開始早々に自陣でのパスミスからインターセプトされ28対21に。

またスクラムでも立て続けにペナルティを犯してしまい相手に流れを譲る結果に。
10分過ぎにはリザーブ選手を投入するが、15分にスクラムからのファーストフェイズでトライを許し同点に追いつかれてしまう。
その後は自陣で戦う苦しい時間が続き、試合時間残り10分を切ったところで反則から相手に速攻を仕掛けられ、右サイドを突破され勝ち越しを許す。

点差は7点。後半トライのないスピアーズはこの後の折り返しでついに取り返す。
リスタートキックでここまで堅実な働きを続けるリカス選手がボールを奪うと、スピアーズはオフロードパスを繋ぎながら着実に前にでる連続攻撃。ヴァンジーランド選手が抜け出したところで古賀選手に繋ぎ、前日のワラターズ戦でも出場した二村選手がボールを貰うとのまま左サイドに飛び込んだ。
その後のコンバージョンは決まらず2点を追う展開で残り5分。リズムに乗ってきたスピアーズはあと一歩まで迫る場面もあったが、トライには至らず33対35でノーサイドとなった。

連日の試合も疲れを感じさせないプレーを見せた二村選手。立川選手が怪我により不在のなか、センターのレギュラー争いは熾烈さを増す 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】

金曜日に行われたワラターズ戦に続き連敗となってしまったが、開幕までのプロセスという点ではこの試合は順調な仕上がりに写る。

今シーズン初出場となる主力選手たちがさすがの安定感を見せたことはもちろん、新入団となる選手たちが台頭する活躍を見せ存在感を示した。
この試合では、イジ―選手やヴァンジーランド選手の拓殖大学出身の若手2人がハードワークを見せ、タイラー選手やブリン・ホール選手といった移籍組のニューフェイスは要所で相手を苦しめた。

プレシーズンマッチは残り1戦。
この二日での学びを活かし、12月7日(土)の東京サントリーサンゴリアス戦に臨む。
そして開幕は12月22日(日)トヨタヴェルブリッツ戦。聖地初戦、最高峰が集結する舞台でだれが背番号を背負うのか。

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難しいゴールも決め続けたバーナード・フォーリー選手 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】

タイラー・ポール選手は攻守での接点の場面で渋い働きを見せた 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】

昨季の脅威は今季の仲間。昨シーズンまでプレーしていた静岡ブルーレヴズとの対戦となったブリン・ホール選手だったが、さすがのパフォーマンスを見せた 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】

文:クボタスピアーズ船橋・東京ベイ広報担当 岩爪航
写真:チームフォトグラファー 福島宏治
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著者プロフィール

〈クボタスピアーズ船橋・東京ベイについて〉 1978年創部。1990年、クボタ創業100周年を機にカンパニースポーツと定め、千葉県船橋市のクボタ京葉工場内にグランドとクラブハウスを整備。2003年、ジャパンラグビートップリーグ発足時からトップリーグの常連として戦ってきた。 「Proud Billboard」のビジョンの元、強く、愛されるチームを目指し、ステークホルダーの「誇りの広告塔」となるべくチーム強化を図っている。NTTジャパンラグビー リーグワン2022-23では、創部以来初の決勝に進出。激戦の末に勝利し、優勝という結果でシーズンを終えた。 また、チーム強化だけでなく、SDGsの推進やラグビーを通じた普及・育成活動などといった社会貢献活動を積極的に推進している。スピアーズではファンのことを「共にオレンジを着て戦う仲間」という意図から「オレンジアーミー」と呼んでいる。

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