豪州ワラターズにえどりくで完敗、この経験でさらに成長したチームへ!

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前半3分で先制トライを決めたジニングス ツヨシ選手。持ち前の瞬発力で相手に競り勝った 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】

えどりくでのクロスボーダーマッチにスピアーズは若手×ベテラン融合チームで挑む

NTTリーグワン2024-25の開幕まであと3週間となったチームは、この週末にかけて二日連続で違う相手と対戦する。
11月29日に戦うのは、オーストラリアの強豪チーム、NSW Waratahs(以下、ワラターズ)。過去スーパーラグビーで優勝経験もあるワラターズだが、スポンサー企業である野村総合研究所グループとの関係性もあり今回の日本ツアーを実施。そのツアーで唯一の対戦相手となったのがスピアーズだ。

リーグワン所属チームとスーパーラグビー所属チームのいわば「クロスボーダー」とも言えるこの対戦だが、スピアーズはこの2シーズンこうした国外チームとの対戦を経験している。

2022-23シーズンでは、プレシーズンにクイーンズランドレッズと
2023-24シーズンでは、THE CROSS-BORDER RUGBY 2024でギャラガーチーフスと対戦。
両試合とも勝ててはいないが、その差は徐々に縮まり昨シーズンのチーフス戦では、最後までどちらに転ぶかわからない緊張感の途切れないプレーを見せた。

また、こうした機会でチームは若い世代をメンバーに加え、高いレベルでの試合を経験させてきた。こうした経験を積み上げることは、より強度の増すリーグワンという舞台で活きてくる。
今回のメンバー構成も同じように若手を起用しつつ、それを統率するベテランを織り交ぜたメンバー構成。チームを率いるのはここまでのプレシーズンマッチで司令塔で活躍する岸岡選手だ。
ワラターズボールでキックオフした前半の入り、先制はスピアーズ。
3分に中盤のディフェンスからターンオーバーすると、ボールをもらった廣瀬選手が相手陣形を見てすぐさまキックで相手の背後にボールを転がした。
それに反応したのがウィングのジニングス ツヨシ選手。相手との競争に競り勝ちゴールライン際直前でボールをキャッチしダイビングトライを決めて先制に成功した。

新人2人の連携が生んだトライでいいスタートを切ったスピアーズだったが、その後イエローカードにより一人欠いた時間帯に失点し同点に追いつかれる。
この試合でワラターズはキックを多用し、西日が差し込むグラウンドに高いコンテストキックを蹴り込む。スピアーズはこのキック処理にやや苦戦し、16分にはキック処理からファンブルしたボールを奪われ2トライ目を奪われることとなる。

対するスピアーズは25分すぎに岸岡選手が中盤で相手ディフェンスのギャップをブレイクし、インゴールまで走り切り、司令塔自らトライを奪う。

30分すぎにワラターズに3トライ目を奪われ前半を10対19で終了する。内容としてはフィジカルで勝るワラターズが優勢。スピアーズは、パス多くボールを動かし連続攻撃を仕掛けるが取り切ることはできない時間帯が続いた。ただうまくいかない場面も全員がよく走り、9点という点差で粘った40分だった。
キックとシンプルな突破で序盤こそミスが多かったが、徐々に前にでて確実に得点を重ねたワラターズ。
それに対して、序盤の先制はよかったものの反則やチャンスで取り切れない場面が続いたスピアーズ。
こうした展開にもスピアーズはディフェンスやスクラムでしぶとさをみせ、点差を広げさせなかった。

インサイドセンターで出場した廣瀬選手の1トライ目に繋がったキック。昨年まで大学生だった廣瀬選手は、スピアーズ入団後着実に成長しワラターズ相手にも当たり負けしない強さを見せた。 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】

メンバーを変えずに臨んだ後半、立ち上がりの拮抗した展開からワラターズがトライを奪うと、スピアーズはリザーブメンバーを投入。
そのリザーブから出場した山田選手がゲラード選手のラインブレイクからパスを受けて後半初得点を加える。
だがここまでの展開で、相手の強い接点やキックによる陣形が整ってない状態でのプレーで消耗の激しいスピアーズは、ここから相手の猛攻を浴びる結果に。
残り10分のところで、立て続けにトライを奪われ点差を引き離された。最終スコア17対43でノーサイド。

最終的には点差を離され、完敗におわったこの試合だったがフラン・ルディケヘッドコーチはポジティブに捉える。
「連日での試合にあたりチームを二つに分けて臨んだこの試合だったが、今日の試合で若い選手たちがスーパーラグビーのチームを相手にプレーできたことは大きい。長いシーズンを戦う上で、今日出場した選手たちが公式戦で出る可能性もあるので、この経験は大きな学びとなる」
と試合後コメントし、特にいいパフォーマンスをした若手選手として岸岡選手、廣瀬選手、アシペリ選手を挙げた。また
「この2試合安定しているスクラムも評価したい。また、失点は多かったがターンオーバーを25個以上できたことはディフェンスが機能している証。」
とこの試合の明るい要素に視点を向ける。

明日は静岡ブルーレヴズとビジターゲーム。
この連戦でさらに成長したチームへと仕上げて、開幕戦にトヨタヴェルブリッツを迎え撃つ。

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文:クボタスピアーズ船橋・東京ベイ広報担当 岩爪航
写真:チームフォトグラファー 福島宏治
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著者プロフィール

〈クボタスピアーズ船橋・東京ベイについて〉 1978年創部。1990年、クボタ創業100周年を機にカンパニースポーツと定め、千葉県船橋市のクボタ京葉工場内にグランドとクラブハウスを整備。2003年、ジャパンラグビートップリーグ発足時からトップリーグの常連として戦ってきた。 「Proud Billboard」のビジョンの元、強く、愛されるチームを目指し、ステークホルダーの「誇りの広告塔」となるべくチーム強化を図っている。NTTジャパンラグビー リーグワン2022-23では、創部以来初の決勝に進出。激戦の末に勝利し、優勝という結果でシーズンを終えた。 また、チーム強化だけでなく、SDGsの推進やラグビーを通じた普及・育成活動などといった社会貢献活動を積極的に推進している。スピアーズではファンのことを「共にオレンジを着て戦う仲間」という意図から「オレンジアーミー」と呼んでいる。

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