新アリーナで迎えた千葉ジェッツの新時代…その中で受け継ぐべきものは【B MY HERO!】

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新本拠地LaLa arena TOKYO-BAYで開幕を迎えた千葉ジェッツ 【(C) B.LEAGUE】

 皆様こんにちは。今シーズンも「B MY HERO!特派員」を務めさせていただくことになりました、千葉ジェッツブースターのJIROです。

 いよいよ始まりましたBリーグ2024‐25シーズン。

 パリオリンピックで世界に通用する力を見せつけた日本代表の活躍で、より一層盛り上がりを見せる日本バスケットボールは、今シーズンどんな進化をしていくかとても楽しみですね!

 各地で新アリーナがオープン、建設や計画も進み、Bプレミアを見据えた動きが見えるなか、千葉ジェッツも新たな本拠地LaLa arena TOKYO-BAYでスタートしました。

 新ヘッドコーチにNBLやNBAでもコーチ経験のあるトレヴァー・グリーソン氏を迎え、環境も体制も新しくなった千葉ジェッツの2024‐25シーズンを少しだけ語らせていただきます。

新風をもたらす者たち

NBAで6シーズンプレーした渡邊雄太は千葉ジェッツを選択 【(C) B.LEAGUE】

 今シーズンの千葉ジェッツにとって一番のビッグニュースはなんと言っても、ドラフト外からNBAに挑戦し4チームを渡り歩き6シーズンを過ごした『夢を掴んだ男』渡邊雄太選手の加入です。

 パリオリンピック前に帰国し、Bリーグへの参戦を決意したことでどこのチームに加入するかが話題の中心に。様々な情報が流れるなか「メンタル面の課題に正面からアプローチしてくれた」と入団を決意した理由を明かし、チームを選択するために重要視していた部分でもある「熱量」を感じたと、千葉ジェッツでのプレーを選んでくれました。

 プレシーズンマッチではブースターが“渡邊雄太コール”で迎えると、照れくさそうに拳を突き上げて応えてくれたのが印象に残っています。

 天皇杯での連続スリーポイントや開幕戦でポンプフェイクで2人を飛ばしバスケットカウントなど多彩なスキルを見せつけ、2戦目の序盤で負傷退場をしてしまったものの、これからも千葉ジェッツを選んでくれたことを後悔させないよう、ブースターも暖かく応援をして復帰を待ちます。

 もう1人、Bリーグの偉大な選手が加入しました。原修太選手と同級生で地元のライバル関係だった田代直希選手です。

 開幕2戦目にホームデビューすると大歓声で迎えられ、D・J・ニュービル選手へのスマートなディフェンスやチームプレーのためのポジショニング、そしてスリーポイントと、献身的な3&Dの活躍でその日のヒーローに。試合後のインタビューで「船橋のために全てを尽くしたい」の一言で一気に千葉ジェッツブースターの心を鷲掴みにしました。

 この言葉を聞いたとき、長い時間を過ごした琉球ゴールデンキングスのブースターさんからも深く愛されていた理由がわかりました。

 慣れ親しんだ沖縄を離れ、生まれ育った地元に帰ってきた紳士的な熱い戦士を、我々千葉ジェッツブースターも琉球ブースターさんの思いを引継ぎ、大きな声援を送り深く愛していこうと思います。

 外国籍選手は新たにNBLのシドニー・キングスからD・J・ホグ選手が加入。いつもジェッツにマッチする優れた選手を見出す池内GMの狙い通り、プレシーズンマッチからスターターとして活躍。広いシュートレンジとドライブで得点を量産しています。随所でリバウンドや俊敏なスティールも見せるチームの起爆剤のような存在です。

 ディフェンス強度がありリバウンドにも絡むので、ゼイビア・クックス選手の抜けた穴を感じさせず、ジョン・ムーニー選手の負担も軽減。

 インサイドもアウトサイドもこなせる重要なオールラウンダーとして今シーズンの最大のキーマンになるでしょう。

 初のアジア枠で加入したマイケル・オウ選手は208cmの身長を活かしてリバウンドに絡み、体を張るブルーワーカー。

 チームメイトとも積極的にコミュニケーションをとる姿が印象的で、スクリナーとしての技術や合わせのタイミングなどチームのシステムにマッチすれば、ジェッツのインサイドに厚みをもたらしてくれることでしょう。

 この新たに加入した4選手が四者四葉で新しい風をもたらし、千葉ジェッツのフライトを高く安定させてくれると信じています。

変わらず揺るがぬ者たち

ジェッツだけでなく、日本を代表する選手である富樫勇樹 【(C) B.LEAGUE】

 千葉ジェッツのこれまでを語るには、まずこの4人の名前を外すことはできません。

 創設後はなかなか安定しないフライトを続けていたジェッツに、当時サンロッカーズから移籍してきた西村文男選手が新たなエンジンを設計し滑走路へ導きました。“ジェッツをジェッツにした男”と表したことはありますが、ジェッツに足りなかったスピード感をもたらしたのは間違いなく西村文男選手です。

 富樫勇樹選手はそのエンジンンに点火し一気にチームを上昇させました。

 毎シーズンほぼフル出場で、オフシーズンには代表活動と、燃料切れなど無縁のスーパースターです。今シーズンは更に層が厚くなりタイムマネジメントもできそうですが、クラッチタイムは富樫勇樹の時間であることは、今も変わりません。

 星が輝く新たなシューズを纏いLaLa arenaでの新章に挑みます。

 原修太選手はディフェンスを一級品にしてチームという機体を強化し頑丈にしました。

 末っ子イメージな数シーズンを過ごしていましたがプレータイムを伸ばしていき、体を鍛え上げフレームを拡大。Bリーグで指折りの3&Dとなりました。

 田代選手との同郷同級生コンビで、船橋のバスケットボールを盛り上げます。

 数チーム渡り歩き戻ってきた荒尾岳選手は整備士のようにチームの機体を守り安定させました。

 大ベテランというキャリアになってきたジェッツの父は、今シーズンより一層職人感が増し、ディフェンスの部分はもちろん、スペーシングなどスタッツに残らない貢献度でチームを救っています。グリーソンHCから『タンク荒尾』と命名された岳は、疲れた顔でベンチに帰ってきますが、コートのパパはちょっと違います。農業だけではないそのカッコイイ姿をまだまだ僕らに見せつけて欲しいものです。

 そしてこの2人も今や千葉ジェッツの顔です。

 ジェット気流のような勢いをベンチからもたらすクリストファー・スミスは、フルシーズン共に戦ってくれます。相も変わらずレインボーショットをヒットさせ、タイトなマークをかいくぐりリムアタックで得点を量産。気づけばベンチスタートで20点オーバーなんて試合も増えてくると思います。

 自動操縦の如く毎試合安定した活躍を見せるジョン・ムーニー選手は、とても献身的なプレーを当たり前のように披露。ジョシュ・ダンカン選手から受け継いだ意思を今に繋いでくれています。2年連続リバウンド王も狙える千葉ジェッツのインサイドの要です。

 富樫選手とのピック&ロールで会場MC Risukeさんの“トガムーン”を何度も響かせることでしょう。

 2人共ブースターの心を掴み続けているので、これからも長くチームにいて欲しい特別な存在です。

 今シーズン渡邊雄太選手の加入で強いインパクトがありましたが、千葉ジェッツのカルチャーを作り繋いでいるのは、長く支えてくれているこのメンバーであることは、揺るぎない事実として今シーズンも見せつけてくれるはずです。

 何年もこのメンバーを見ることができる“当たり前じゃない贅沢”を、今シーズンも思う存分堪能しましょう。

背中を追う者たち

 今シーズンも若手の成長がチャンピオンへの必要不可欠な要素になります。

 昨シーズンの新人王である金近廉選手は、近くに渡邊雄太選手という最高の師を迎え直接色々なアドバイスをもらえることで、成長スピードは加速していくことでしょう。
 
 2年契約を結んだ小川麻斗選手は、今シーズンも富樫&西村という最高の教材を相手に鍛え上げ、バックアップPGとしての重要な役割を担います。

 二上耀選手は、昨シーズンからの怪我で出遅れたものの、今シーズン中には強さと英語力を手に入れフロアに立つ姿を見せてくれると信じています。

 昨シーズンのプレーオフで全力プレーを披露しインパクトを残したトビン・マーカス海舟選手も、練習ではリーグ有数のインサイド陣とぶつかり合うことでパワーを増し、持ち前のハイエナジーで勢いを与える存在です。

 菅野ブルース選手は、201cmでPGもこなせる大器の器。NBAのオールドファンには、サイズ感がペニー(アンファニー・ハーダウェイ NBAオーランド・マジックなどでプレー)なのでワクワクしています。まだ出場の機会はないものの、60試合の過密スケジュールの中で必ず力になる時がきます。早くそのプレーを見てみたい期待の新人です。
 
 関谷間選手は、スラムダンク奨学金での渡米が決定。千葉ジェッツでは富樫や大倉颯太(現アルバルク東京)、西村とマッチアップし自分のものにしたスキルセットで、アメリカでも活躍できるでしょう。それまではジェッツで活動してくれるので、千葉ジェッツでの時間が大切な時間だったと思ってもらえるように、最後まで声援を送りたいと思います。

 千葉ジェッツのヤングコアメンバーは常に代表クラスの選手を相手にしているので、成長スピードも早く試合で活躍する事ができます。各選手がそれぞれの背中を追いかけ、いつか来る自分たちの時代を見据えているはずです。

 今シーズンホーム開幕戦は宇都宮ブレックスに連勝、続く茨城ロボッツに勝利し開幕3連勝を飾るも、日曜日の試合は敗戦。スリーポイントの不調とリバウンドの低迷が、勝敗に大きな影響を与える事は、今シーズンも変わりません。トレヴァー・グリーソンHCの手腕はここから試されると思います。

 まだまだ未完成のこのチームは、これからも負けることもあるでしょう。そんな時こそ会場に足を運び寄り添える、熱量のある千葉ジェッツブースターでいたいと思っています。

グリーソンHCの手腕に注目 【(C) B.LEAGUE】

繋ぎ伝えるカルチャー

 先述した通り、今シーズンLa La arena TOKYO-BAYで開幕を迎えました。慣れ親しんだ船橋アリーナでは、「あの場所にはあの人がいる」ことをわかっているくらい、各々の思い入れのある座席があり、そこで沢山の思い出と熱狂がありました。

 僕らが千葉ジェッツに求めるのは、赤く熱く熱狂ができる空間です。それは新しくきれいなアリーナでも変わることはありません。

 新アリーナではどんな演出になるのだろう…。

 期待と不安が織り交ざる中に響き渡ったのは、僕らのアンセム『千葉ジェッツの歌』でした。この歌は試合開始前に流れ、初めて聞くと笑顔になってしまう、千葉ブースターが一つになる曲で、言うなれば管制塔からのTAKE OFFサインのようなものです。

 もしかしたらなくなる可能性もあったかもしれないこの歌が、新アリーナでも鳴り響き僕らブースターの飛行高度を上げてくれます。これからも繋ぎ伝え広げていくべき大切な千葉ジェッツのカルチャーひとつです。

Let’s Go CHIBA JETSへの思い

 この場で自分の思いを書くべきか悩みますが、少しだけ書かせていただきます。

 船橋アリーナからLaLa arenaへの移行で雰囲気がガラッと変わってしまうことは、少し寂しいと感じていた僕は、今までの千葉ジェッツが伝わり繋がればいいとの思いだけで、昨シーズンの序盤から千葉ジェッツの歌の後に“Let’s Go CHIBA JETS!”のコールを勝手に始めました。最初は全く響かず「これは…無理かもしれない…」とも思いましたが、仲間にも理解していただき続けていくことにしました。

 W杯後に初めてバスケットボールを見に来るお客さんもいるなか、徐々に広がり繋がり大きな声になっていき試合前のルーティンのようになり、千葉ジェッツの歌と共に新アリーナでも響くことになりました。

 正直言ってここまでできるとは思ってもいませんでしたが、10,000人クラスの響きは本当に最高でした。千葉ジェッツブースターの皆様には心から感謝しています。今シーズン僕は、ホームでも全試合行くことはできませんが、マスク・ド・オッチーやブースター仲間のmacさんの力を借り皆さんに預けながら、やめろと言われるまでは続けてこうと思っています。

 そしてまた会場で、みんなと一緒にLet’s Go CHIBA JETSを響かせて、ブースターの思いを一つに出来たら嬉しいです。

ここが俺たちのホームだ!

LaLa arena TOKYO-BAYでこれからどのようなドラマが創り出されるのだろうか 【(C) B.LEAGUE】

 数百人のファンから始まった千葉ジェッツは夢だった10,000人アリーナを埋め尽くすチームになりました。LaLa arena TOKYO-BAYはどこからでも試合が見やすい会場で、クラブスイートという名のVIPルームやラウンジなどもあり、1階から4階までそれぞれの楽しみが詰まっているアリーナです。

 開幕節のチケットは完売、その後の試合も売れ行きは好調でこれからも10,000人のブースターが駆けつけるアリーナになります。プレーオフをこの環境で戦うことを想像するとワクワクします。そのためにはまずチームの力になれるように大きな声援を送り、ホーム開催シードを獲得してもらいましょう!

 チームが努力し作り上げてくれたこの“船橋アリーナ感”が残る特別な空間に感謝しながら、これからも自由気ままなスタイルで楽しませていただきます。そしてまたジェッツブースターの皆さんに会える日を楽しみにしています。

 ではまた。

Come fly with me!
Go JETS!!

Kenichi JIRO Yoshii(B MY HERO!特派員)

【(C) JIRO】

1981年1月28日生
千葉ジェッツブースター、ジェッツブースターで結成されたバスケットボールチーム『ROCKS』の代表も務める。 いつかバスケットボールの新しい大会を開催し、街にバスケットゴールを増やすことを夢見ている小太りおじさん。
・趣味:ドライブ、飲み会、チェアリング
・お気に入りの選手:ショーン・エリオット(元サンアントニオ・スパーズ他)、デビン・ヴァセル(スパーズ)、荒尾岳(千葉ジェッツ)、小川麻斗(千葉ジェッツ)


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著者プロフィール

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