“WE ARE UNSTOPPABLE!” のシーズンが開幕!熱戦が続いた開幕節を一気にプレーバック!!【B MY HERO!】

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「りそなグループ B.LEAGUE 2024-25 SEASON」は群馬vs広島で開幕 【(C) B.LEAGUE】

 例年にも増して今年はうだるような暑さが連日のように続く中、連日メディアに取り上げられ露出も日に日に増している日本のバスケットボールシーンは夏のパリ五輪を挟み、天皇杯のトーナメントを経て、先週末にトップリーグであるBリーグも2024-2025シーズンが開幕しました。

 バスケットボールファン、Bリーグファンの皆様、開幕、明けましておめでとうございます!

 ということで、今季も島根のホームゲームを中心にLIVE解説者としてBリーグに携わらせていただける中で、また特派員の一員として、コラムへ執筆させていただけることになりました。僭越ながらトップバッターとして、開幕節からいくつかのゲームをピックアップさせていただき、私が感じたリーグの変化をお伝えさせていただきたいと思います。

先出し開幕節は群馬が前年度優勝の広島に連勝

新加入のヨハネス・ティーマンの活躍もあり、群馬が連勝スタート 【(C) B.LEAGUE】

 まずはオープニングゲームとなった群馬クレインサンダーズvs広島ドラゴンフライズは、群馬がホームで昨季の王者を迎え撃つ形となり、結果としては群馬の連勝となりました。

 この試合に関しては、完全に私の個人的な意見ではありますが、内容よりも少しばかりリーグの今後の在り方として、前年度王者への敬意を欠いてしまったのではと感じました。無論、試合を行う選手やスタッフにはそのような気持ちは微塵もないと思いますし、昨年王者を率いたカイル・ミリングHCが群馬へ移籍という流れもあるので一概には言えないと思いますが、どうあれ昨季王者のホーム開催で興行してほしかったなと、長年スポーツに楽しませてもらっている一スポーツファンとしてはどうしても思わざるを得ませんでした。

 現在の三地区制となっている中で確認したかぎり、今季は広島が群馬をホームで迎え撃つことはできませんから、朝山正悟新HCを筆頭とした新生広島が倍返しするチャンスは今季に限ってはCSしかないところも残念でなりません。

 前述したように、群馬がホームの大声援を受け、「今年こそはCSへ」、そして前年王者を打ち負かすという強い想いが重なり結果を手にしました。これはこの後に出てくるチームもすべからく等しいのですが、やはり両チームの完成度はこれからといったところで、特に広島はエースのドゥウェイン・エバンス選手が欠場となる中でしたから、互いの現在地を推し量ることは難しかったように感じました。

渡邊雄太がBリーグのステージに登場

渡邊雄太(右)と富樫勇樹の強力デュオが千葉Jに誕生 【(C) B.LEAGUE】

 広島vs群馬に続いて各地で開催された開幕節で、やはり触れたいのはメインアリーナをららぽーと横に新設した千葉ジェッツvs宇都宮ブレックスの一節でした。

「LaLa arena TOKYO-BAY」には両日10,000名近いファンが駆けつけ、熱狂の渦に巻き込んだその中心にいたのは、五輪での活躍はもちろんNBAで日本人として最長期間プレーを続けていた渡邊雄太選手でした。天皇杯でもそうでしたが、NBAや五輪の時と同等の強度、時にそれ以上にハッスルし、その合間に見える笑顔からは、とにかくバスケットボールへの愛をコートに還元している渡邊選手の姿から、彼が選んだ道が彼にとって本当にベストな選択である事を表していたように見えました。

 初日はオーバータイムにもつれる熱戦を制し、続く2日目もティップオフから立て続けに得点を重ね、見ているファンも今日はどこまで数字を伸ばすのだろうと感じさせる中で、不運にもショット後の着地で足首を捻挫し、残念ながらこの試合はコートを離れることになりました。

 彼の日本での新たな1ページはまだ始まったばかりですし、様々な環境の変化に加え、五輪でも直前の負傷もあった中で本戦もコートに立ち続け、その後も少しの休暇は取れたであろうものの千葉の一員としてここまで日本のシーンを盛り上げることにも一切の妥協を見せていませんでしたから、神様に与えられた休養を受け取るには十分なはずです。富樫選手も「千葉は千葉」と言わんばかりに試合序盤に起きたチームのアクシデントをプレーで引っ張る活躍(この日あげた13点のうち、10点を第2クォーター6分30秒だけで獲得)で千葉Jが開幕を連勝で飾りました。

 そして、最近バスケットを見るようになったファンからは「バスケットボールの大きな大会って沖縄でやるよね?」と聞かれそうなくらいに、日本屈指で最大級の専用アリーナを誇り、昨季もCSファイナルに出場した琉球ゴールデンキングスのホーム戦となった、三遠ネオフェニックスとの一節もさながらシーズン終盤のような強度で互いに譲らない2日間となりました。

 初日はオーバータイムにもつれる接戦の末、三遠が勝利。特筆すべきは2戦目の試合開始から3分間でした。両チームのシュートが全く落ちることなく正に現代バスケットと呼べるようなハイペースな攻防は、まだこの試合を見ていない方に絶対に見ていただきたい3分間となりました。

 その後は終盤に琉球が強さを見せて1勝1敗の互いに譲らない結果となりました。両チーム新加入選手がフィットしている印象で、チームスタイルのアップデートに合わせて獲得しているのが伝わってくる試合内容でした。

世界の強豪国の代表選手も多数プレー

オーストラリア代表のスターターを務めるニック・ケイは島根に所属 【(C) B.LEAGUE】

 まだまだ触れたい試合ばかりではありますが、私が解説を担当させていただいた、島根スサノオマジックのホームゲームとなったレバンガ北海道との一節を最後に少し触れたいと思います。島根はオフにBIG3体制が解体となり、リーグ内でもかなり尖ったチーム構成となっていた昨季までとは大きく変化を見せていました。鋭く尖った牙を突き刺していくような以前のスタイルから、質量で押しつぶしていく形も取れるようにチームの大型化を図りラインナップの万能性と多様性を見せ、まずはレギュラーシーズンの戦い方への改革を感じさせてくれました。

 一方の北海道は外国籍選手と日本人ビッグマンの2名が遠征帯同外となり、大型化した島根に相対するには少し厳しい状況であったことは間違いありません。その中で内藤耀悠選手を筆頭に若手選手の台頭が非常に楽しみなチーム構成だと感じました。

 今季は降格のないB1リーグですから、昨季に比べて下位チームの動向は中盤戦以降特によりマイルドなものになるかもしれません。しかし、上位チームの優勝を目指す姿勢はより一層の勢いが必要で、そこに対して各チームが大きな補強を行っていることもリーグ全体を見て感じられます。

 千葉Jの渡邊選手はもちろんのこと、ディー・ジェイ・ホグ選手、三遠のデイビッド・ヌワバ選手、琉球のケヴェ・アルマ選手、群馬のヨハネス・ティーマン選手、A東京のレオナルド・メインデル選手、島根のニック・ケイ選手などのように、サイズもスピードもバスケットIQも全てが世界基準で、オフェンス・ディフェンス両面で中・外どちらでもプレーができる世界でもトップクラスの選手たちが各チームに当たり前に存在する状況です。

 五輪本戦を経験した選手たちもそうでない選手も、日本は自信を持って世界と戦えると感じれる日常が、また日本のバスケットボールを強くする、Bリーグがまた一段階盛り上がる、そんな事を実況席と映像から肌で感じれた開幕節だったように思います。

“WE ARE UNSTOPPABLE!”

 立ち止まることのないリーグを今年も一緒に楽しんでいきましょう。

朴航生(B MY HERO!特派員)

【(C) 朴航生】

岡山学芸館高校を卒業後、アメリカ留学を経て、SHIZUOKA GYMRATSの一員としてABAへ参戦。帰国後bjリーグトライアウトの門を叩き、現B1の島根スサノオマジックへ入団、2シーズン在籍した。その後、Bリーグ開幕に伴いご縁を頂き、現在はバスケットボールコメンテーターとして島根のホームゲームを中心に奮闘中。ホーム、アウェーを同様に解説する姿勢、わかりやすい戦術解説に多くのファンを持つ。

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