栄城賞上位組が好成績も、2,3着に穴馬で高配当も多数!/佐賀・ロータスクラウン賞データ分析

佐賀県競馬組合
チーム・協会

2023年優勝ブレイブアモーレ 【撮影:佐賀県競馬組合】

今年から1860mに変更されたロータスクラウン賞。3歳馬限定戦で、高知と佐賀の交流重賞だ。
ここでは過去10年のデータのほか、昨年4月に新設された1860mのコースのデータを元に分析する。

地元優勢も、高知は3着内率6割超え

2場交流重賞で、過去10年では地元・佐賀が7勝と優勢。しかしながら、高知からの遠征馬は3着内率64.3%と高く、一目置く存在だ。高知の馬は普段から深くてパワーを要する馬場を走っていること、レース全体を通してペースが緩みにくいことから、遠征して好成績を残すと言われており、中でも佐賀競馬場とは好相性である。

所属別成績 【表1】

過去には22万馬券も!

過去10年の勝ち馬はみな3番人気以内。勝ち馬に関しては上位人気馬から考えていいだろう。一方で2着、3着は6番人気以下も各3回。それゆえ3連単万馬券は過去10回中4回。中でも16年は1番人気→6番人気→10番人気の順で決まり、3連単22万8600円だった。

単勝人気別成績 【表2】

この距離で初の重賞レース!傾向は?

ここからは今年の舞台となる佐賀ダート1860mの傾向を見ていこう。23年4月に新設された距離で、23年7レース、24年8レースが行われた(24年9月26日時点)。なお、11月4日JBCレディスクラシックもこの舞台で実施される。
スタートは向正面に入ってすぐ。わずかな違いではあるが、1750mや1800mに比べると最初のコーナーまでは距離がある。

佐賀競馬場 【コース図】

脚質別では差し7勝が最多。佐賀競馬場は小回りコースの中でも差しが決まりやすい競馬場なのだが、1860mでもそれは当てはまり、3着内率は逃げ馬を上回る36.8%だ。

脚質別成績 【表3】

39秒未満の末脚だと期待大!?

好成績の差し馬はどのくらいの末脚を使えるといいのだろうか。あるいは、逃げ馬が粘り込めるのはどのくらいのラップなのか。下表は上がり3ハロン別の成績。
40秒以上かかった馬で上位入着はほとんどが逃げ・先行馬。逃げ馬にとっては直線で脚が上がりながらも40秒前半でまとめられるかが一つのポイントとなりそうだ。
対して差し馬であれば39秒未満の末脚を使いたいところ。過去の走りからこれらのファクターを一つの判断材料とできそうだ。

上がり3ハロン別成績 【表4】

大外枠有利

馬番別成績では外枠の11番が圧倒的に有利なデータ。最初のコーナーまで比較的距離があるため、外枠から理想のポジションを取ることができるのだろう。なお、12番は0%となっているが、データが2例しかないため、実質的には11番が大外枠として扱える。ロータスクラウン賞ではフルゲート12頭立てとなっており、「大外枠」という点から12番を有利に扱うかどうかは迷うところだ。

馬番別成績 【表5】

石川騎手がこのコースで圧倒的な成績

このコースでの騎手別成績は下表の通り。佐賀リーディング1位は山口勲騎手だが、このコースに限っては石川慎将騎手が圧倒的な成績を残す。6勝は特定の馬によるものではないため、このコースが得意な騎手と言えるだろう。
なお、下表はロータスクラウン賞に騎乗予定のある騎手のみを抽出。赤岡修次騎手(高知)、下原理騎手(兵庫)、吉村智洋騎手(兵庫)は騎乗経験がなかった。

騎手別成績 【表6】

狙うは3歳頂上決戦上位組

最後にロータスクラウン賞好走組のキャリアについて。JRAの日本ダービーにあたる3歳頂上決戦が佐賀では栄城賞(昨年までは九州ダービー栄城賞)、高知では高知優駿で、そのレースで5着以内だった馬が過去10年で9勝を挙げる。3着内率も72%で、3歳頂上決戦上位組みは中心に扱った方がいいだろう。

キャリア別成績 【表7】

データからの推奨馬は?

①栄城賞or高知優駿5着以内
②逃げ・先行馬なら近走を上がり3ハロン40秒5以下でまとめられている馬
③差し馬なら近走で上がり3ハロン39秒未満
④12番枠ならなお良し
⑤石川慎将騎手だと心強い

※1着は上位人気も、2,3着には伏兵馬の可能性も

トゥールリーは栄城賞4着。
大本命のウルトラノホシの前で運び、相手が来る前に自ら動いて行ったが、4コーナーで早々に捕まってしまった。そうなると苦しく、さらに後ろから来た馬にも交わされてしまったが、今回はウルトラノホシが不在。近3走は先行して上がり3ハロン40秒前半でまとめられており、逃げ・先行からの粘りが期待できる。
①②に当てはまる。

そのトゥールリーに栄城賞で先着したのはデッドフレイとトレベルオール。
デッドフレイは栄城賞で勝ち馬に次ぐ上がり3ハロン38秒6の末脚を繰り出して2着。このコース好成績の石川慎将騎手が乗るというのも心強く、①③⑤に該当。

トレベルオールは同じ石川騎手でも北海道から石川倭騎手が駆け付ける。冬の期間限定騎乗でリーディング争いをするなど、佐賀は勝手知ったるコース。
前述2頭が夏の間休んでいたのに対し、こちらは使われてきている分は有利か。①③に当てはまる

またケンタッキーグレイも栄城賞5着で①③に該当、高知からは佐賀で重賞2勝を挙げ、関東オークスJpnII3着のグラインドアウト、そして栄城賞8着ながら今夏は古馬相手に善戦したキトーウィンも③に該当し、相手候補として見逃せない。

第21回 ロータスクラウン賞 【出馬表】


文・大恵陽子(おおえ ようこ)
競馬リポーター。小学5年生で競馬にハマり、地方競馬とJRAの二刀流。毎週水曜日は栗東トレセンで、他の日は地方競馬の取材で全国を駆け回る日々。グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」「地方競馬中継」などに出演のほか、「優駿」「週刊競馬ブック」「うまレター」「馬事通信」など各種媒体で執筆。
「大恵総合研究所」なるデータ分析機関を勝手に設立し、現場取材で得た騎手・調教師などの談話をヒントに、馬場傾向やレース傾向を導き出して精度向上に励む。
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著者プロフィール

佐賀競馬は九州唯一の地方競馬場として主に土日に競馬を開催しています。注目の重賞情報やイベント情報など、佐賀競馬のニュースを日々お届けいたします。

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