県立小林では、ドライブで自ら仕掛けて得点を奪うことのできる長井百果選手が膝のケガで長期離脱となりました。その代わりにスタートに抜擢されたのは同じ2年生の吉竹結華選手です。身長177cmとサイズはありますが、長井選手のようなドライブでの打開力はありません。橘裕ヘッドコーチは「U18日清食品 九州ブロックリーグ2024」で、この吉竹選手が試合経験を重ねることで大きく成長することに期待しています。

「長井が抜けてしまったところに一番身長のある吉竹を使いたいのですが、長井のようなドリブルを求めるのではなく、吉竹の色を出す小林のスタイルを作っていきたいと考えています。吉竹はすごく笑顔が多くて性格も良くて、こちらの求めることに応えようと本当に頑張ってくれます。ただ、まだ自分の力が未熟なことに葛藤があり、良かったり悪かったりを繰り返しながらですが、少しずつ成長しています」と橘ヘッドコーチは吉竹選手について説明してくれました。

その吉竹選手は自分がコートに立つ以上はチームに貢献しなければと、強い意気込みでコートに立っています。「長井選手は外からスピードで攻める選手です。私は全くプレースタイルが違うので、自分で大丈夫なんだろうかという不安が最初は大きかったのですが、自分にできることでチームに貢献できるチャンスだと思うようにしました」

そう語る吉竹選手は、中学まではインサイドでパスを受けて、その場で前を向いてシュートを打つ選手でした。それでも県立小林に入学した時点で「外も中もオールラウンドにプレーできる選手になりたい」との目標を掲げ、今は少しずつオールラウンドなプレーを習得し、インサイドから外へとプレーエリアを広げているところです。

「パワードリブルで中に行くプレーが得意ではなくて、外回りのプレーも苦手だったんですけど、この2試合でドリブルで自分でリングに向かうところまでは行けなくても、ハンドオフで味方に繋いでチャンスを作るプレーは上手くやれているので、そこは一つ良い結果が出せたと思います」

背は高くても身体の線は細く、入学してきた時点では接触プレーがあまり好きではなかったという吉竹選手ですが、橘ヘッドコーチは「今はチームのために身体を張ってくれるようになりました。ここでもう一つ上のランクまで成長して『強さの後の上手さ』を身に着け、この『U18日清食品 九州ブロックリーグ2024』が終わる頃には得点を取れる選手になってほしいです」と期待を語ります。

仲間のケガは残念ですが、自分がチームで大きな役割を任され、プレータイムが伸びることに発奮しているのも事実です。慣れない長時間のプレーで疲労困憊になりながらも、ブレイクでは先頭を切って走り、自分にできるベストを尽くそうという意欲が伝わってきます。

「自分でリバウンドを取って走れば、相手ディフェンスはインサイドを攻められるという意識になります。私がそのままシュートに行けなくても、その裏で味方が空いてジャンプシュートを打てたりするので、自分で決める気持ちはもちろんですが囮の選手としてもチームに貢献しようとファストブレイクでは必ず走ろうと思っています」

県立小林は開幕から長崎西（長崎県）、れいめい（鹿児島県）に連勝する好スタートを切りました。吉竹選手はその勢いに乗り、よりアグレッシブなプレーでチームに貢献しようとしています。「ブレイクで走ったりリバウンドを取ったり、強いプレーを意識しています。『U18日清食品 九州ブロックリーグ2024』はあと4試合あるので、そこで小林高校のプレースタイルをきっちり出せていけたらと思います」