【秋田ノーザンハピネッツ×埼玉西武ライオンズ特別企画】前橋育英高校の同級生!熊谷航選手×高橋光成投手の同級生対談を公開!(後編)

秋田ノーザンハピネッツ
チーム・協会

【【© AKITA NORTHERN HAPPINETS /SEIBU Lions】】

前橋育英高校の同級生であるB.LEAGUE・秋田ノーザンハピネッツ(B1)に所属する熊谷航選手とプロ野球・埼玉西武ライオンズに所属する高橋光成投手が対談を行いました!

熊谷選手は日本代表に選ばれるなど、日本男子バスケット界でも注目され、秋田ノーザンハピネッツの中心選手として活躍を続けています。
高橋投手は前橋育英高校で甲子園優勝投手となると、現在は埼玉西武ライオンズを代表する投手としてチームを支えています。
この対談はスポーツナビ限定で2回にわたり特別コンテンツとして公開!
今回は後編をお届けします。前編は埼玉西武ライオンズの公式情報をチェック!

※リンク先は外部サイトの場合があります

そして、このスペシャル対談の実施を記念して、ふたりのサインが入ったそれぞれのチームのユニフォームをそれぞれ1名さまにプレゼントいたします! 記事の最後に応募リンクをご用意しておりますので、そちらからご応募ください。

「考えずに打つことが簡単そうに見えて一番難しい」ことがわかった。(熊谷)

2人が織りなすテンポのいい会話は、まるでゲームをドミネイトしていくように会場の雰囲気を盛り立てた。
競技は違えど、通じるところがある。アスリートとしての葛藤を共有した2人。原点は高校時代にあった。

―― 少しスキルの話がありました(前編をお読みください)。実は高橋選手が行っていたオフのトレーニングにすごく興味を持っていたんです。軸足の使い方、重心の乗せ方、リリースポイントなど細部に気を使われていましたよね。僕の専門はバスケですが、バスケにも通じると思うことがたくさんあると思いました。それこそ熊谷選手もシュートがうまいので…。
高橋 あ、うまいんだ?
熊谷 いやいや、プロなんだから下手だったら生き残れないでしょ!
一同 ハハハハハ。

―― 野球もバスケもボールを扱うスポーツですよね。そういう意味では重心などの安定が大前提で、最後にどうやってボールを離すのか。これはかなり大事なポイントだと考えています。お互いが意識していることなどがあれば聞いてみたいと思っていました。
熊谷・高橋 ……(同時に)どうぞ。
一同 ハハハハハ。
高橋 難しそうだから先にどうぞ(笑)。
熊谷 なんでやねん(笑)!でも、そうですね。僕は正直シュートでそこまで意識していることはないです。強いてあげるとすればリズムですね。
高橋 あー、わかるなー。
熊谷 指先のことまで考えていたら、おそらくシュートは入らないと思います。いつものリズムで打つことができれば決めるという自信があるので、むしろ指先にはあまり意識を向けていないですね。

―― では、下半身の安定や重心の位置などの方が重要ですか?
熊谷 そっちの方が大事ですね。あとはボールのキャッチングを大事にしています。正直、キャッチングをしたときに8割ぐらいは決まるかわかります。野球はリリースポイントとかが細かいと思うけど、どうなの?
高橋 俺も今は意識をしないようにしている。リリースの位置を安定させることは不可能だと思ったんですよ。だから、いろんなポイントで投げられるようにした方がいいと考えました。試合も昼や夜などの時間の違い、マウンドの硬さ、雰囲気、湿気、温度など毎回状況が違うわけじゃないですか。だからこそ、常に同じ動きをしようと考えすぎることがあまりいい方向にいかないと思ったので、それに適応できる身体を作るという考えでいます。クマコー(熊谷選手の愛称)の話でいいなと思ったのが、「キャッチングしたときに8割ぐらいは決まるかわかります」って言ったじゃないですか。それはメンタル的な部分が大きいと思うので、感じていることは似ていると思いました。僕も一緒で、「打てるものなら打ってみろ」って思って投げるのと、「不安だな…」って思って投げるボールだと、同じ球速が出ていても全然違うんですよ。
熊谷 わかる!めっちゃわかる。
高橋 でも、バスケは相手が迫って来るじゃないですか。そこで自分のやるべきことに集中するっていうのは、野球よりも大変なのかなって思いました。

―― ピッチャーはバッターと常に同じ距離で向き合う。バスケはディフェンスが間合いを詰めてくる。確かにそこの違いは大きそうですね。
熊谷 僕は逆にノーマークの方が嫌いなんですよ。それこそメンタルだと思うんですけど、ノーマークの方が、「決めなきゃいけない」って思っちゃう。
高橋 あー、なるほどな。
熊谷 プロ2年目ぐらいのときに、本当にシュートを決められないときがあったんです。チームメイトはすごい選手ばかりで、わざとあけられるのが僕だったんですよ。

―― バスケのディフェンスの考え方で、一番シュート確率の低い選手をわざとあけるという戦い方があるんですけど、それですよね。
熊谷 そうです。他の選手のところを強めに守って、わざと僕をあけてくる。そうすると必然的に、僕にシュート機会が増えるわけです。当時は「決めなきゃ」っていうマインドになっちゃって、マジでシュートが入らなかった。メンタルが一番大事だと気づいた時期でしたね。それでメンタルトレーニングを初めて、いろんな先生に教えてもらう中で、「考えずに打つことが簡単そうに見えて一番難しい」っていうことがわかったんです。
高橋 めっちゃわかるわ!本当にそうだと思います。だから、昔に戻りたいって思わない?考えずにやっていた頃の自分に。
熊谷 わかる!それこそ高校のときとかね。なんでもできる気がしていたというか。
高橋 そういうメンタルが大事なんだなって僕も思いました。経験を積むことで、知らないうちに怖さとかも覚えてしまったりするんですよね。

―― 予測できてしまうというか。
高橋 そうですね。こうなるかもしれないっていうのが刷り込まれちゃう。そうすると身体も強張るんですよ。だから僕の場合は、いかに無意識で一球一球を投げることができるかが大切になるんです。

【【© AKITA NORTHERN HAPPINETS /SEIBU Lions】】

指の使い方をいかに投球動作にフィットさせるか。(高橋)

―― メンタルの話がでましたけど、そういう意味では競技から離れる時間も大事だと思います。
高橋 めっちゃ大事ですね。趣味とかあるの?
熊谷 ゴルフ!最近好きなんだよね!やる?
高橋 やるけど、下手すぎてさ!真っ直ぐ飛ばないんだもん(笑)。
熊谷 何も考えずに打てばいいじゃん!
高橋 ということはうまいんだ?100は切ってる?
熊谷 いや、100は切ったことない!この前やっと110を切ったんだよ。
高橋 じゃー、いけるか!
一同 ハハハハハ。
熊谷 どれぐらいで回るの?
高橋 ベストが117!ベストがね!
熊谷 とか言いながら、なんだかんだできるんじゃないの? 逆に休みの日は何してるの?
高橋 俺は子どもと遊んだり、車が好きだからドライブしたりかな。
熊谷 だったらゴルフもやったほうがいいよ!
高橋 クマコーが100を切ったら考えるわ(笑)!
熊谷 今週も行くから、ベスト更新するかもしれないよ!
高橋 ハハハ、好きだなー(笑)。クラブとか、ちゃんといいやつを揃えた?
熊谷 もらったやつだね(笑)。
高橋 ほら、ダメダメ!好きならオーダーしなきゃ!そうですよね?

―― ハハハ、そうですね。僕もゴルフが好きなんですけど、オーダーで全部揃えてますね。
高橋 そういうことですよ!初期投資が大事なんだよ!まだ甘いな。このあと買いにいけ!

―― ちょうど都内のショップで揃えているので、紹介しますよ!
熊谷 いやいやいや!
一同 ハハハハハ。

―― 野球も道具を使うじゃないですか?「この感じが大事なんだ」とか、選手それぞれのこだわりがありそうですよね。
高橋 そうなんですよ!僕はグラブを自分で作っているんですよ。
熊谷 あ、そうなんだ。
高橋 そうそう、かなりこだわってるね。

―― どんなこだわりなんですか?
高橋 小指のところを2本入れにしています。指の使い方をいかに投球動作にフィットさせるかを考えてグローブを作ったんです。

―― すごいですね!熊谷選手はキャッチボールとかは?
熊谷 ある程度はできますよ。あ、できるとか言っちゃダメだな!趣味程度に!
一同 ハハハハハ!

【【© AKITA NORTHERN HAPPINETS /SEIBU Lions】】

僕がチームを支えていかないといけない。(熊谷)

―― そろそろ時間ですね。2人の掛け合いがおもしろすぎてあっという間でした。どうでしたか?ちゃんと話すのは高校のとき以来ですよね?
熊谷 むしろ、高校のときの僕は仲のいい野球部のやつが他にいたんですよ。彼と光成も仲が良かったから、3人で話すことはありましたけど、こうやって2人で密に話すことはなかったよね?
高橋 そうだね。

―― 今回話してみてどうですか?印象が変わったとか。
高橋 変わりましたね!
熊谷 変わったんだ。
一同 ハハハハハ。
高橋 何より、「1本落ち着いて行こう!」をやってるんだなって思うとすごいなって思いました!
熊谷 そこかよ!
一同 ハハハハハ。
高橋 クマコーは昔からポーカーフェイス系だったよね?
熊谷 あー、そうだね。
高橋 そういうところは変わってないけど、同じアスリートとして通ずるところがたくさんあると思いました。共感できることが多かったこともあって、すんなり入れましたね。
熊谷 それは僕も一緒ですね。悩みを話しているわけではないけど、なんとなく「あ、そういうことだろうな」ってわかるというか。競技は違いますけど、アスリート同士ということで共感できることが多かったです。

―― 先ほど、ある部分では「昔に戻りたい」という話がありました。それこそ2人が出会った高校生という年代は、何も考えず競技に没頭できる時期でもあると思います。その中で時代とともにアスリート像もどんどん変わってきました。今の高校生や子どもたちにどうやって競技に向き合ってほしいなど、考えや想いはありますか?
高橋 そうですね。どんなときもその競技が好きということが一番の原動力になると思います。僕は好きだから野球を続けているし、クマコーも好きだからバスケを続けているはずです。好きだからこそもっとうまくなりたい。その気持ちが原動力になるし、いろんなトライをしてほしいですね。まずは行動しないと何も変わらないですから。現状維持は停滞ってよく言いますけど、僕は周りのレベルがどんどん上がるからだと考えています。挑戦する中でうまくいかない時期もあるけど、それは決して失敗じゃない。成長するためのステップだと思うので、どんどん挑戦してほしいですね。熊谷選手はどうですか?最後にビシッと言ってくださいよ!
熊谷 いやいや(笑)。僕の言いたいことを全て言ってくれたんで。
高橋 おい、逃げるな!
一同 ハハハハハ!
熊谷 高校生になる前から英語の勉強をしたほうがいいと思います。戻れるなら英語を勉強したいですね。
高橋 あー、確かにね。
熊谷 バスケの場合は、コートに立つ5人のうち3人が外国籍選手ということも当たり前になってきました。彼らと日々コミュニケーションを取らないといけないし、海外でプレーしたいと思っても、まずぶつかるのが語学力です。僕は語学力に優れているわけではないので、偉そうなことは言えないですけど、バスケは海外にトライしていく選手も増えています。高校のときにそこをクリアしておいて欲しいですね。
高橋 語学力は大事だよね。アスリートとしての最終的なビジョンとかはあるの?
熊谷 うーん、プレーヤーは長くても35歳までにしようと思っている。それまでに地元の大分県に体育館を作りたいなって考えているんだよね。
高橋 おー、いいね!

―― 髙橋選手もそういったビジョンはあるんですか?
高橋 そうですね。やっぱり野球に還元できたらいいなとは思っています。今、野球人口がどんどん減っているんですよ。僕のロン毛もそうなんですけど、野球選手でロン毛って珍しいじゃないですか。それも野球に興味を持ってもらえるきっかけになってほしいと考えているんです。「野球でロン毛と言ったら、高橋光成だよね」って。そうやっていろんな人に覚えてもらって、様々な視点から野球を盛り上げられる選手になれたらいいなと思っています。

―― ありがとうございます。高校を卒業してから10年経って、競技を一生懸命やっていくだけでなく、競技のこれからも考える年齢に差し掛かってきたということですよね。それでいうと、熊谷選手が所属する秋田ノーザンハピネッツは今シーズンがチーム創設15年目です。どういったシーズンにしたいですか?
熊谷 毎シーズン勝負のシーズンですけど、今シーズンは特にメンバーが大きく入れ替わって、年齢的にも中堅になりました。僕がチームを支えていかないといけないと思っています。秋田のスタイルを継続しながら、今までとは一味違うバスケットボールをお見せしていきたいです、ブースター(バスケのファンの総称)の皆さんに楽しんでもらいつつ、ひとつでも多くの勝利をお届けしたいと思います。

ふたりのサインが入った熊谷選手のユニフォームをプレゼント!

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プロフィール
熊谷航
1996年5月7日生まれ。大分県出身。群馬の前橋育英高校では、バスケ部の中心選手としてインターハイベスト8に導く。大東文化大学に進学し、2018年12月に特別指定選手として、シーホース三河でBリーグデビューを果たす。現在は秋田ノーザンハピネッツの中心選手として活躍を続けている。

高橋光成
1997年2月3日生まれ。群馬県出身。地元の前橋育英高校では、2年時にエースとして甲子園優勝を果たした。2014年のプロ野球ドラフト会議で西武ライオンズから1位指名を受けて入団。チームの先発の柱として活躍を続けている。

インタビュアー 宮本將廣
1988年生まれ。北海道出身東京在住。バスケ雑誌ダブドリの編集長。JBA公認コーチライセンスを持ち、ユースからプロ選手まで独自の視点で様々な取材を行っている。
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著者プロフィール

私たちが目指すのは、クラブに関わるすべての人々と幸せを共有できるような存在になること。この想いを込めて、秋田から全国の皆さまにたくさんの「ハッピーとワクワク」を感じていただけるようなコンテンツをお届けします。

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