唯一無二の存在・熊本発「VG」を深堀り!吉田佐知子ディレクターの“VG愛”からその魅力に迫る!!【B MY HERO!】
2023-2024VGメンバー 【(C) KUMAMOTO VOLTERS】
2021年6月、Bチア界に衝撃が走った!!
当時、B1、B2で唯一専属チアリーダーがいなかった熊本ヴォルターズに、なんと、専属チアリーダーが結成されるというのだ!
その名は「VG(VOLTERS GIRLS)」! コンセプトに「Fiery cheering(燃え立つような応援)」を掲げたVGがいったいどんなチームなのか、開幕前からワクワクしたのを覚えている。
おっと、自己紹介が遅れました、私、B MY HERO!特派員のやまとです。
常にキラキラと輝く笑顔と、オープニングから試合終了までパワフルに踊るVGのパフォーマンスに、多くのファン・ブースターが魅了される。
そんなVGの結成時からディレクターに就任された吉田佐知子さん。佐知子さんのチアリーダー、そしてVGに対する想いをうかがい、VGの魅力に迫ります!
VG結成時のメンバー 【(C) KUMAMOTO VOLTERS】
いきなり甲子園デビュー!?チアリーダー結成へ!!
高校生のときにアメリカに留学して、テレビでアメフトのスーパーボウルのチアリーダーを見て「私もやりたい!」と思ったのがチアリーダーとの出会いでした。
帰国後、学校でチア部を作りたいと言っていたら、そのタイミングで野球部が甲子園に行くことが決まって、先生が「甲子園に行くけどチアリーダーやる?」と言ってくれたんです。
野球部と周りの人たちのおかげでチアリーダーをやることができました。
――いきなり甲子園デビューなんですね!? 応援時のダンスはどのように作ったのですか?
姉が、当時のダイエーホークスのチアリーダーをやっていて、振り付けはすべて作ってもらって応援をしていました。
――高校でチア部を創設された後も、チアリーダーは続けられたのですか?
東京の大学に進学したのですが、踊る仕事がしたいと思い、(プロ野球の読売)ジャイアンツのチアリーダーとして2年間活動させてもらいました。
親戚のおじさんが「ジャイアンツがチア募集してるよ」って広告を持ってきてくれたのがきっかけです(笑)。
ジャイアンツ時代に「東京ドームフェスティバル」という、東京ドームに関わる様々なチームが参加するイベントに参加したんです。そこで、アメフトのXリーグのVENUSというオールスターチームのパフォーマンスを見て、「私がやりたかったのはこれだ!」と、Xリーグのチアに挑戦することにしました。
――チアリーダーのどのようなところに惹かれたのですか?
元々ダンスが好きだったのと、高校時代はラグビー部のマネージャーをしていたので、応援することも好きだったんです。
それが一緒になっているスポーツなので「一番楽しい!」と思ってました。
VGにも「踊りたいだけならVGじゃなくていいと思う。応援することが好きという人にはチアリーダーは天職だと思うよ!」と伝えています。
――多くの観客の中でのパフォーマンス、緊張などはしなかったのですか?
踊るという点では緊張はしなかったのですが、野球を知らないという点で失敗をたくさんしました。
ホームランを打った選手にぬいぐるみを渡す仕事があるのですが、出ていったのはいいけど誰に渡すかも分からず、満塁ホームランで4人も帰ってくるとかも知らなかったので、結局誰にも渡せませんでした(笑)。
「これはクビだな…」と泣きながら帰ったのを覚えてます。
――チアリーダーとして活動するには、いろいろな知識や経験を通して学ぶ必要があるのですね?
本格的にダンスの技術や応援の姿勢などを学んだのはXリーグのときでした。
そして、MCなどでインターバルやイベントで盛り上げたりする技術は、ジャイアンツのとき、その後のベイスターズのリポーターをしているときに学び、踊りだけ上手ではダメだと痛感しました。
それらの経験を全てVGに伝えていくようにしています。
VG吉田佐知子ディレクター 【(C) KUMAMOTO VOLTERS】
ヴォルターズとの出会い!そしてVG結成へ!クラブを動かした熱き想い!!
結婚のタイミングで熊本に戻ってきたのですが、姉が母校のチアダンス部のコーチをやっていて、姉をサポートする形で再びチアの世界に戻ってくることになりました。
ただ、元々男子校だったため、女子の比率が少なくてダンス部に入ってくれる人が少なかったんです。
そこで、どうやって増やしていこうと考えたときに、「子どもたちにチアダンスを教えよう」となりました。
母校に入ってくれる人が増えたらいいな、チアダンスを知ってくれる人が増えたらいいな、そんな想いで10年くらい前から始めたんです。
それが、ヴォルターズのチアスクールにつながっていき、今ではVGメンバーやOGメンバーがダンスを教えてくれてます。
――チアスクールを始めて、変化や手応えのようなものは感じましたか?
チアダンスをしている高校生が、卒業後に東京や福岡に行けばプロ野球などのチアリーダーがあるけど、熊本に残るとチアに関わるものが何もなかったんです。
それが、チアスクールができてからは、子どもたちにチアダンスを教えるということができるようになりました。
そのときに、アシスタントをしてくれていた子が、今はVGでキャプテンをしているRIRIKAなんです。
――何がきっかけで、VGのディレクターになられたのでしょうか?
当時、ヴォルターズで活動していた「ぼるたんガールズ」がチアに挑戦する!というテレビ番組の企画があったんです。そこで、私が振り付けをして指導をさせてもらったのが、ヴォルターズとの出会いでした。
そして「実はチアリーダーを作りたいと思っています。ディレクターをやってもらえませんか?」とお話をいただきました。
テレビの企画の際にRIRIKAも手伝ってくれていて、その企画がきっかけで「ぼるたんガールズに入りたい」と彼女もぼるたんガールズとして活動を始めました。
――テレビ企画の後、すぐにVG結成に向かったのでしょうか?
お話をいただいてから実際に結成されるまでは2年くらいかかりました。
そんな中、熊本にプロ野球チームの火の国サラマンダーズにチアができることになったんです。
ぼるたんガールズで活動していたRIRIKAが「いつかヴォルターズでチアをしたい」と言ってくれていたので、ぼるたんガールズの担当の方が「ヴォルターズにいつチアができるのか分からないから、オーディション受けてもいいんだよ?」と言ってくれたんです。
そしたら「私はヴォルターズが好きなので、ヴォルターズにいつかチアができるまで待ちます!」と言ったんです。
その言葉に心打たれて、みんなが「本気でチアを作りましょう!」と、VG結成へ動き出しました。
担当の方も「今後、同じような想いでチアリーダーをやりたいという人が出てくると思うので、そういう人が活躍できる場を提供することも球団としてやらなくてはならないことだと思う」と言ってくれて、ついにVG結成に至りました。
チアに対する情熱とVG愛に溢れるキャプテンRIRIKA 【(C) やまと】
まずプロ意識を持つこと、そして、いつでも見られている存在であるということを伝えています。
また、チアリーダーはチームを勝たせられないかもしれない。それでも、チームに勢いがつくように手拍子を引き出したり、1人でも多くの方に会場に来てもらう、いなくても成り立つが、いるからより楽しんでもらえる、そんな存在でなくてはならないと伝えています。
ジャイアンツのチア時代に言われていたこと、そのまま言ってるんですけどね(笑)。
3シーズン目になって、そんな存在になってくれてると感じてます。
――VGというチームを作るうえで、コンセプトはありましたか?
何と言っても、ヴォルターズに関わる全ての方に応援してもらえる「VG頑張ってね!」と応援してもらえるようなチアリーダーになりたいと思っています。
挨拶、笑顔、気遣い、ホスピタリティ、チアスピリッツ、ダンス以外にも必要なことがたくさんあるので、それらを大切にしたいと思います。
そして、ダンスのレベルは高いものでありたい。
勝ち負けではないのですが、チアダンスを通してチアダンスを知らない人でも「このダンス格好良いね!」って思ってもらえるパフォーマンスを目指しています。
――そのダンスについてですが、初めて見たときに「こんなにたくさん全力パフォーマンスするの!?と衝撃を受けました!
私がバスケを知らず、タイムアウトもよく分かってなくて、とりあえずタイムアウトになったら全てダンスを踊ってました。
あるブースターさんに「こんなにたくさん踊らせたらかわいそうだよ~」と言われたことがあって、「え?どういうこと?」みたいな(笑)。
バスケットLIVEで他のクラブを確認して、確かに全部踊るわけではないんだな…と後から気付きました。
そこでVGメンバーに相談したところ、みんな「踊りたい!」と言ってくれたので、VGはこのスタイルでいこう!と踊らせてもらってます。
その代わり、試合中の応援も全力でやってもらうことが絶対なので、私はよく3階からメンバーを見張っています(笑)。
タイムアウトではVGがパワフルにパフォーマンス 【(C) やまと】
パフォーマンスでは様々な表情で魅せる 【(C) やまと】
デビューに向けて準備をする中で、初めてできたチアがブースターさんに受け入れてもらえるかどうか分からなくて、とても不安でした。
私自身もバスケのチアに関わることが初めてだったので、何が正解かも分からずでしたし、VGメンバーも「なんだこんなもんか」と思われたくないので、必死で練習していたんです。
そんな中で迎えたプレシーズンマッチで、会場の皆さんから大きな拍手をいただいたときは、「受け入れてもらえたんだ」と感動してみんな泣いていたのを覚えています。
――3シーズン目を迎えて、VG史上初めて男性チアリーダーのYOSHIさんが加わりました。意識していることや変化はありますか?
特に意識していた訳ではないのですが、男性でもチアリーダーをやりたいという人がいたら、加わってくれたらいいなと思ってました。
YOSHIが加わったことで、男性の振付にしないといけないかとも思っていましたが、彼は女性の振付を女性っぽくではなく格好よく踊ってくれるのでその必要もなく、彼が加わったことで他のメンバーにもいい刺激になってますし、男の子でもポンポンを持ってきて応援してくれる子もいたりして、VGとしても新たな扉を開けたのではないかと思ってます。
VGに新たな風を吹き込んだ男性メンバーのYOSHI 【(C) やまと】
基本的にJ-POPで作るのですが、今までJ-POPで振付を作ったことがなかったんです。
そこで、「こうなったら楽しもう!」と思い、ジュークボックスのようにどの年代の人でも楽しめる曲で作ろうと考えたのが1シーズン目でした。
その中で今でも踊っているのが、COMPLEXさんの「BE MY BABY」です。
この曲はVGメンバーもお気に入りで毎年やりたいと言ってくれています。
意識していることは、格好よさを捨てたというか(笑)。捨ててはいないのですが、オシャレさというよりは、会場に来て楽しかったと感じてもらいたいなと思ってます。
ただ、オープニングだけは格好いいものにしたかったので、かなりこだわって作ってます。
タイムアウトも昨シーズンから「熊本」をキーワードにしていて、熊本出身の八代亜紀さんがカバーして歌っている「残酷な天使のテーゼ」を使ったり、WANIMAさんの曲を使ったりして、会場に来てくれた人が「熊本っぽさ」を感じてくれたらうれしいなと思ってます。
それに加えて、そのときに流行っているものも取り入れたいので、10FEETさんの「第ゼロ感」や、YOASOBIさんの「アイドル」は絶対にやりたかったんです。
VGの代名詞とも言える「BE MY BABY」のパフォーマンス 【(C) やまと】
そうなんです。オープニングは一番重きを置いていて、ソロパートやジャンプ、足技などがあるので、しっかり踊りたいというのであのシューズにしています。
実は「しっかり踊りたいのでこのシューズでいいですか?」というメンバーのこだわりなんです。
VGのオープニングパフォーマンスは見逃せない 【(C) やまと】
私はフォーメーションを多く使いたいと思ってます。
踊りの中で移動することで、VGみんなのパフォーマンスを見てもらうこともできますし。
ただ、フォーメーションを多く使う分、メンバーにお休みがいる場合などは大変なのですが(笑)。
新メンバー3人が加わったことで、フォーメーションのバリエーションも増えましたし、そういった動きも楽しんでもらえたらと思います。
また、「この曲はこのメンバーに踊ってほしいな」と思ったら、そのメンバーのイメージに合わせて可愛かったり、セクシーだったりと振付を作るようにしていますね。
――先日、こちらもVG史上初めて、セカンドユニフォームが発表されました。どのようなイメージで作られたのでしょうか?
いくつか案があるなかで、何パターンにもできる衣装がよかったので、ブラトップというキラキラしたものだけでも踊れるし、ジャケットを着ても踊れるというデザインにしました。
ジャケットを着ることで、ファンキーな踊りも踊れると思いますし、アシスタントディレクターのHONOMIも、プロ野球のオリックス(・バファローズ)での経験があり、ジャンルも多岐に渡って得意で振付もしてくれているので、セカンドユニフォームがさらに生かされるんじゃないかと楽しみです。
VGのセカンドユニフォームは純白のジャケット仕様 【(C) KUMAMOTO VOLTERS】
VG初代メンバーで、現在アシスタントディレクターのHONOMI 【(C) やまと】
熊本から世界へ!VGの魅力と未来像とは!?
VGのトレーニングは、ヴォルターズのストレングスコーチがメニューを作ってくれています。
ジャンプやターンなどダンスの動きに必要な身体作りをしているので、体つきが変わったり、踊りもダイナミックになったりと、シーズン通して進化してく姿を見てもらえたらなと思います。
――VGの魅力はどんなところでしょうか?
手前味噌ですが、とにかくかわいいんです。顔もスタイルも人柄もかわいいと思ってます。
メンバーには、「ブースターさんがたくさん写真を撮ってくれていて、SNSに載せてくれている写真は、数多くある中のベストショットであって、手元にはいろいろな写真が残る。ブースターさんの手元に残る全部の写真で可愛くいてほしい」と言ってます。
いつでも、どの写真見てもかわいいなと思ってもらえるように、表情だったり、体形の維持だったり、ダンスだったりと、360度365日いつ見られても良いように!と意識するように心がけています。
VGのかわいさは魅力のひとつ 【(C) KUMAMOTO VOLTERS】
VGの笑顔は見る人すべてを元気に 【(C) KUMAMOTO VOLTERS】
チームはB1昇格を目指していますが、B1の中でも「VGはいいね!」と言ってもらえるよう、ダンスだけではなく応援やホスピタリティ、チアスピリッツもさらに成長していきたいと思います。
そして、また熊本の会場に行きたい、いつ行っても楽しいと思ってもらえるようなパフォーマンスを追求していきたいと思います。
――お話を伺っていると、ディレクターをされていてとても楽しいという印象なのですが、大変な面もありますか?
私は子供が4人いるんです。子育てをしながらの配分は難しいですが、今は下の子も大きくなったので、ディレクター中は横に座っていたりします(笑)。
ディレクターは女性が多いと思いますが、ヴォルターズは子育てしながら働けますし、働けるよっていう姿を見せないと、ディレクターをやりたいという人も出てこないと思うんです。
近い将来、VGの中からディレクターになって活躍している姿を見られたらうれしいですね。
――佐知子さんにとって、ディレクターとはどのような存在でしょうか?
私の人生に彩を与えてくれるものだと思います。
バスケに出会い、VGと出会い、チアリーダーをどう見せ、どう作ればよりキラキラと輝かせられるかを考えていると、とても楽しくワクワクさせてくれる存在です。
――最後になりますが、佐知子さんの夢はありますか?
VGから、オールスターチア、AKATSUKI VENUSに選ばれるようなチアリーダーが出るのが夢です。
さらには、NBAなどへ挑戦するようなチアリーダーが出てくれたら幸せですね。
VGを経験し、そしてVGの経験を生かし、さらにより多くの経験をして、より輝くチアリーダーになってほしいと思ってます。
VGのおもてなしが全ての人を魅了する 【(C) KUMAMOTO VOLTERS】
~終わりに~「ディレクターはチームの魂」
佐知子さんはじめ、ヴォルターズの皆様にご協力をいただきまして、本当にありがとうございました。
佐知子さんからは、VGが大好き、メンバーが大好き、そんな「VG愛」が溢れ出ているのがよく分かりました。
ディレクターは「人生に彩を与えてくれる存在」と仰ってましたが、そんなディレクター佐知子さん、そしてVGは、私たちにも彩を与えてくれる素敵な存在であると思います。
3シーズン目のVGは、名称を「VOLTERS GLITTER」として新たに活動しています。
より光り輝く存在として、人々を魅了するチアリーダーへとさらに進化していくでしょう!
そして、近い将来VGからAKATSUKI VENUSとして活躍するメンバーが誕生するのを楽しみにしています!
ぜひ、熊本の会場で、ジュークボックスから流れるような多彩な音楽と、VGのパワフルなパフォーマンのコラボを楽しんでほしいと思います。
きっと「また来たい」そう思うこと間違いなしです。
そうそう、くまモンがよく会場に来てくれますが、想像以上に動きが激しいので注意してくださいね(笑)。
やまと(B MY HERO!特派員)
【(C) やまと】
田臥勇太が観たい!がきっかけで、ブレックスにハマり、宇都宮に通い出す。
アウェイの会場に応援に行く度に、様々なチームのチアリーダーの魅力に惹かれ
今では全国のチアリーダーを全力応援中!!!
最近、応援うちわ作りを、娘と息子に手伝わせてるとかさせてないとか…
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