鎌倉インテル新ユニフォームスポンサー「次の30年も成長しながら地域の皆さんとともに歩んでいきたいという思いを込めて」|有限会社ケイワン(鎌倉小川軒)

鎌倉インターナショナルFC
チーム・協会

【鎌倉インターナショナルFC】

 鎌倉インターナショナルFC(以下、鎌倉インテル)の本拠地である「みんなの鳩サブレースタジアム」(以下、鳩スタ)は、古都鎌倉で文字どおりみんなの力を結集して生まれたスタジアム。2022年10月、スタジアム誕生から1年を記念して、鎌倉インテルのサッカークラブの枠にとらわれない活動に賛同したスポンサー、パートナー企業の皆さんに、クラブへの想いや期待をお聞きする企画をスタートした。4回目となる今回は今シーズン、新たにユニフォームスポンサー契約を締結した有限会社ケイワン。サクサクのバターサブレに芳醇な香りのラムレーズンとリッチな味わいのバタークリームを贅沢にサンドした代表商品「レーズンウィッチ」でお馴染みの「鎌倉小川軒」を運営する有限会社ケイワンの中村友社長に、鎌倉インテルのGK兼フロントスタッフの岡崎修也が話をうかがった。

(文・本多辰成)

【鎌倉インターナショナルFC】

サッカーを通じて地域に貢献できることがあるんじゃないか

岡崎 今シーズン、鎌倉インテルは有限会社ケイワンさんが運営する「鎌倉小川軒」のロゴをユニフォームパンツ裏部分に掲出させていただくことになりました。まずは今回のユニフォームスポンサー契約締結に至った経緯からお話させていただければと思いますが、チームのキャプテンである栗山聖からメールでご連絡させていただいたのが最初だったかと思います。

中村 メールでご連絡をいただいて、普段だとけっこうスルーしてしまうこともあるんですが、鎌倉地域でのスポーツということをうかがって、とりあえず活動の状況を確認してからお返事させてもらおうと。ホームページなんかで活動状況を拝見したところ、深沢のスタジアムで活動されていて、すでに豊島屋さんをはじめ鎌倉の名だたる企業さんがサポートされているクラブだと知りました。我々も地域社会への貢献という意味ではこれまで特に何もしてこなかったなと思いまして、鎌倉小川軒として何かしら地域の皆さんに貢献できることがあるんじゃないかと。私自身も中学校までプレーしていたこともあってサッカーには親しみがありましたし、うちが応援するチームが勝ったり負けたりという悲喜こもごもを地域の皆さんも含めて一緒に共感してみたいという思いが芽生えました。

岡崎 初めて「鳩スタ」に来ていただいたのが昨年の9月頃だったと思います。まだ暑い時期で、パラソルの下でお話させていただいたのを覚えています。

中村 最初に岡崎さんがうちにいらっしゃった時は、まさかプレーヤーの方が来るとは思わなかったのでちょっとびっくりしました。選手はサッカーだけをしていて、営業活動をされている方は別にいらっしゃるものだと思っていたんですが、「今まで練習をしていました。明日は試合なんです」という感じで。実情をうかがわないとそういったことはわかりませんから、それが当たり前なのかと。大変な面もあると思いますが、それを楽しそうにやられていたんですよね。うちは食べ物を扱っている企業ですが、食べ物というのは実際に食べてみなければわからない。それは何でも同じだと思いますから、まずは一度、グランドにうかがってみようと思いました。

お菓子もサッカークラブも、応援してもらうまでのハードルが高い

岡崎 実際に「鳩スタ」に足を運んでいただいて、どんな印象を持たれましたか。

中村 その時もちょうど翌日が試合だということで、皆さんすごく真剣に練習をやられていて。ボールを蹴る音だとかを間近に感じられて、ピッチサイドには座席数は限られていますがスタンドもあって、試合の光景を想像すると「いいな」と思いましたね。それで、練習が終わると今度は皆さんで台車のようなものを持ってきてスポンサーのバナーの貼り付け作業をされていた。選手たちがそんなことまでするのか、と。

【鎌倉インターナショナルFC】

岡崎 新しくスポンサーさんにバナーを掲出いただける機会がある時には、選手たちが中心となって作業をするというのはこだわりとしてやらせていただいています。選手たちも「なんか、バナーが増えたね」ではなくて、どういった企業さんがどういった思いでサポートしてくださっているのかという背景をちゃんとわかっていないといけないだろうと。そこは筋として、クラブとしてこだわりを持っているところです。そこを根付かせるひとつのイベントとして選手たちがバナーを貼る作業をしていて、ちょうどその時がそういったタイミングでした。

中村 ああいう光景を目の当たりにするとやっぱりうれしいですし、サポーターの人も大事にしているんだろうなと思いました。その時に私も実際にグラウンドに入ってボールを蹴らせてもらったんですが、それも楽しかった。神聖なグラウンドの中でボールを蹴るのは本当に久しぶりのことで、30年ぶりくらいでしたから。

岡崎 鎌倉インテルにはトップチームからサードチームまであって、さらに4軍に相当するエンジョイ志向のチームもあります。競技というよりもみんなで楽しくサッカーをしようというチームですので、ぜひ選手としての加入もお待ちしています。

中村 この年になると、なかなか体力的にあれですけども(笑)。でも、そういった誰でも参加できるような活動の場を提供されているのはすばらしいと思います。もちろんサッカーが活動のメインなんでしょうけども、グラウンドの存在を生かして老若男女問わずに地域の皆さんが交流できるスペースを提供する形の運営。まさに今の時代の多様性も意識して、サッカーだけじゃなく地域が盛り上がるお祭りだとかイベントも企画されています。私自身も鎌倉で育ったわけですが、この歴史ある鎌倉の地で活動するスポーツチームがあるというのは非常に心強い。このクラブを地域の皆さんにもっともっと知っていただくためにうちもサポートさせてただいて、タッグを組んでやっていければなと思っています。

岡崎 ありがとうございます。

【鎌倉インターナショナルFC】

中村 食べ物は食べてみなければ味がわからないですから、お菓子も最初に食べていただく、購入していただくまでがすごくハードルが高いんです。サッカークラブも試合を見てもらう、応援してもらうまでのハードルが高いのは同じだと思うので、そこはすごく共感します。鎌倉小川軒としてもインテルさんの活動を鎌倉の皆さんにお伝えする手助けができればというところで、今回、ユニフォームにロゴマークを付けさせていただくことになった。このロゴは3年前にリブランディングで新しくしたものでして、鎌倉小川軒の視覚的なイメージを皆さんに知っていただこうと、ちょうどいろんなところで露出しているところでした。サッカーのユニフォームまでは想像していなかったんですが、今回こういった機会に恵まれて。

岡崎 そういった意味では、タイミングもよかったわけですね。

中村 よかったですよね。すべてにおいてタイミングというのは大事で、この場を逃したら次どうなるかはわからない。こういうタイミングというのは、やっぱり必然だったのかなと思っています。

岡崎 リブランディングというのは会社として大きなターニングポイントだったかと思います。これからの未来に向けて、何かを変えようと思われたのがきっかけだったのですか。

中村 私の父が創業者として鎌倉で商売を始めて30年ということで、ひと区切りなのかなと。仮に創業当時に来ていただいたお客さんにお子さんが生まれていたら30歳になるわけですから、ちょうど次の世代にバトンタッチされるくらいのタイミングです。地域のお客様とともに歩んでいきたいというのが第一にありますので、家族代々、一緒に親しんでいただきたい。創業当時からロゴは撹拌機を表す五角形のものでして、道具を大事にして一つひとつ丁寧にお菓子をつくっていこうという意味合いが込められています。その部分はもちろん根本的には変わらないので五角形は継承しつつ、次の30年も成長しながら地域の皆さんとともに歩んでいきたいという思いを込めてリブランディングを行いました。

【「レーズンウィッチ」鎌倉小川軒公式通販サイト】

老若男女が集う「おらが街のチーム」を鎌倉に

岡崎 鎌倉インテルとしても2021年に「鳩スタ」ができて、地域の皆さんとともに歩んでいこうというタイミングで鎌倉小川軒さんとご縁があってサポートいただけることになりました。これから地域の方にもっとチームのことを知っていただきたい、もっと深く生活の中に関わっていきたいという思いを持って活動していますが、そんななかで先日、「鳩スタ」の近くにあっていつもチームを応援してくださっているバーバーイワサワという床屋さんにうかがいまして。ご主人の岩澤さんとお話をしていて、今回、新たに鎌倉小川軒さんがユニフォームのスポンサーになってくださるという話題を出すと、岩澤さんが「俺、社長と同級生だよ!」と。鎌倉の街でクラブを通していろんな人のつながりを感じられるのは、すごくうれしい瞬間です。

【鎌倉インターナショナルFC】

中村 街は狭いなあと思いますね。私も彼のところに行くんですが、髪を切りながらいつもサッカーの話になるんです。もともとサッカー関係の知り合いが多かったので、今回のご縁でそういったつながりがまた戻ってくるかもしれないのはうれしいですね。

岡崎 毎年、サッカー仲間で集まられるとうかがったので、ぜひ「鳩スタ」にも来ていただいて。皆さんに集まっていただける街のフットボールクラブ、そんな光景がつくれればと思っています。

中村 岩澤と応援に行きます。そういえば先日、テレビで三苫薫選手のブライトンの特集をやっていましたが、鎌倉とブライトンという街は似ているところがあるんじゃないかと以前から思っているんです。ブライトンはロンドンから約1時間と東京と鎌倉くらいの距離感で、歴史のあるリゾート地でもある。鎌倉の場合も「東京は曇っているけど、鎌倉は晴れですよ」みたいなところもあって、気候風土も似ている気がします。そんな街のサッカークラブという点で共通したものを感じるんです。

岡崎 私も観ました。言われてみるとそうですね。それこそ次の30年ということを考えると、「鎌倉の街にもずっとフットボールがあった」という状況になっていればいいなと思います。今、「鳩スタ」でサッカーをしているスクール生なんかがお父さん、お母さんになって、クラブとともに思い出がある。その中に鎌倉小川軒さんのロゴとお菓子の記憶もともにある、といった感じになればと。もちろんこの1年、2年でも何かインパクトがあることを最大限にやらせてもらいたいと思う一方で、もう少し長い目でそういった景色を想像してみるのもワクワクします。

【鎌倉インターナショナルFC】

中村 老若男女が集まって、サッカーが始まるまではビール片手に他愛のない話をして、試合が始まったら一緒に応援する。おらが街のチームといった風景を、鎌倉インテルさんに体現してもらえるとうれしいですね。僕はけっこう広島に知り合いが多いんですが、あそこは野球の広島カープがそんな存在としてあります。普段は仲が悪いのに野球の時はみんな一緒に応援するみたいな、あれはすごいと思うんです。そういった市民チームみたいな感じになるといいですよね。

岡崎 そういった意味ではお菓子というのも同じような存在感がある気がします。「ちょっとお茶しよう」という時間にもそういったところがあるのかなと僕は思っていて、堅い話になりそうな場面でもその場にちょっとお菓子が出てくるだけで心が和むじゃないですか。

中村 なるほど。そうしたら、試合がある日にはうちがワゴンみたいなのを出して、うちの商品であるレーズンウィッチなんかを販売するのもいいかもしれませんね。レーズンウィッチを食べながら、コーヒーやお茶を飲む人もいればビールを飲む人もいるだろうし。これは老若男女、関係なく楽しめますから。

【鎌倉小川軒】

岡崎 本当に、子どもから大人までお菓子が嫌いという人はあまりいないのかなと思います。鎌倉インテルはクラブのビジョンとして「CLUB WITHOUT BORDERS」というものを掲げていますが、国境を越えていくという壮大なビジョンも意味している一方で、もう少し日常的な視点で世代や価値観といったいろんなボーダーを超えるという意味合いも含まれています。そういった面でも、サッカーだけでは体現しきれない部分をパートナー企業さんの力もお借りしてやっていければと思っています。

中村 ぜひいろいろとやっていきましょう。

岡崎 今後ともよろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。

【Kazuki Okamoto (ONELIFE)】

【Kazuki Okamoto (ONELIFE)】

有限会社ケイワンとユニフォームスポンサー契約締結のお知らせ

【詳細は下記の関連リンクをご確認ください。】

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著者プロフィール

鎌倉インターナショナルFC(通称:鎌倉インテル)は、世界で最もグローバルなスポーツであるサッカーを通じて未来の日本を国際化していくため、2018年に設立された新しいサッカークラブです。現在は神奈川県社会人リーグに所属していますが、プロサッカークラブ(Jリーグ参入)、そして世界を目指して活動をしています。『CLUB WITHOUT BORDERS』をビジョンに掲げ、日本と世界を隔てる国境をはじめ、性別、年齢、分野、そして限界、あらゆる“BORDER”(境界線)をもたないサッカークラブを目指しています。

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